とほほ…見聞録

過ぎ行く日々の雑感

ゴースト・ドッグ(DVD)

2007-06-09 09:56:12 | Weblog
「ゴースト・ドッグ」はジム・ジャームッシュ監督作品.
1999年製作.

「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」
「コーヒー&シガレット」に次いで、ジム・ジャームッシュ作品を
見るのは4作目となる.
錆びついた街、ひょうひょうとした登場人物、とぼけた会話は
毎度おなじみです.

この映画の主人公のゴースト・ドッグ(フォレスト・ウィテカー)は
〈葉隠〉を行動の規範としている殺し屋である.
(HAGAKURE-佐賀鍋島藩に伝わる武士の心構えの本
日本人でもほとんど読まないと思う.)
英訳本の葉隠と羅生門は座右の書である.
鍋島藩の紋章(抱茗荷?)のペンダントを首に下げ
〈すべて熟知〉の日本語のTシャツを着ている.
ゴースト・ドッグを助けたルーイを命の恩人と敬う.
仕事の伝達は愛玩の伝書鳩をつかう.
鳩の足に結ぶ、小さい紙、小さい字が書きにくい.
ファックスでいいだろうと、ルーイはぼやく.

主にマフィアとの抗争劇なのですが、このマフィアも
格好だけのしょぼいギャングである.
3ヵ月も家賃滞納して催促されている.
色即是空、空即是色と黒人の殺し屋がつぶやきながら、
どかどか殺すので、殺人がまるで非現実的なのである.

要所要所では、いちいち葉隠が補足説明してくれる.
副題もTHE WAY of THE SAMURAI となっている.

こんなおかしみのある映画は、後をひきます.