我が家には多くの電動工具、エンジン機器があり、使用の際には取扱説明書をよく読み、十分な安全管理のもとで使用している。例年、冬期間の除雪機(写真上段は、左がホンダ除雪機HS760、右はミニ耕耘機FU400)の事故が多発しているため、使用には特に慎重な配慮をしている。事故の原因は、製品の不具合ではなく、運転ミスや誤った使い方(1月31日付『釧路新聞』第5面参照)がほとんどで、ひとたび事故が発生すると人命に関わることがあることを肝に銘ずるべきだ。
昭和三十一年六月、中学二年生の時、私は、木工工作室の工作台に設置されて間もない電動丸鋸で、右手親指の第一関節の骨半分、人差し指を第一関節から第二関節にかけて斜めに切断するという大怪我を経験した。三十㌔離れた町の外科医院に運ばれ、切断した指は「付くかどうか保障できない」旨を両親が了承して手術を受けた。
当時の電動丸鋸には防護カバーがなく、刃が丸出しだった。切り終わった用材を手元に寄せるには細長い棒を使うように指導を受けていたが、私はつい右手を出して直接取ろうとして刃に触れたのだ。切断した指は奇跡的に繋がったが、第一関節は用をなさなくなった。
高い代償を払って電動工具の恐ろしさを知った私は、その後、各種の機器を使う際の注意を怠らなかったが、恐怖心は今でも心の隅に残っている。寒い季節になると、古傷が痛むのである。
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