タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪馬脚を露呈した菅直人財務相≫

P1080133P1080134 藤井・前財務相の辞意表明を受け、鳩山首相が迅速に、菅直人副総理に財務相を兼務(記者会見の写真上段<左>は、1月7日付『讀賣新聞』第2面から転写)させたのは、舌鋒鋭い論戦力に期待したからだろう。しかし、国家戦略担当相と経済財政担当相として2010年度予算編成に関わったとはいえ、具体的な実務は何もしていないため、通常国会での予算審議対応を不安視する向きもあった。
 第二次補正予算を審議中の二十二日の衆議院予算委員会(答弁に立つ写真上段<右>は、1月23日付同新聞・第13面から転写)では、政府の経済成長戦略基本方針を欠陥商品と断じる自民党の茂木敏充幹事長代理に激しく反論し、興奮のあまり、鳩山首相に対する公明党の井上義久幹事長の質問にまで答弁するパフォーマンスを演じたが、結局は、財政政策に対する独自の長期的展望を示すことができず、「イラ菅」の存在感だけが虚しく議場に残った。
Photo 経済閣僚としての力量に不安を抱える、急場しのぎの経済司令塔・イラ菅が馬脚を露呈したのは、二十六日の参議院予算委員会の審議(写真は<毎日jpニュース 10.1.26.22:04>から転載)で、自民党の林芳正・前経済財政担当相との「子ども手当」に関する質疑においてだった。
 子ども手当の乗数効果を問いただす林議員に対し、イラ菅は「1兆円財政出動し、1兆円しか効果がないなら、効果は事実上ゼロだ」と自民党政権による投資の経済波及効果の低さを批判し、「消費性向は0.7だ」(1月27日付『北海道新聞』第4面)と答弁した。林議員が乗数効果と消費性向の違いを問うと、イラ菅は返答に窮し、財務政務官や官僚の助言を求めざるを得なかった。民主党の「脱官僚依存」はこの程度のもの、という見本を自ら示し、イラ菅の渾名のとおり、さぞかしイライラが募ったことだろう。口先だけで経済が動かせるか?

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