今回は
「システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか? 」
です。
この本は全8章。
前段の3章まではSI業界があまり良い状態では無く、構造的不幸に陥っていると論じている。
それに対して、どのようなことを行うべきかなど、SI業界の進む道が4-8章にて述べられている。
この本が定義しているシステムインテグレーションは「工数積算を前提としたビジネス全般」としている。
準委任、請負、派遣などもこれに含まれているとしています。
要はIT人販ビジネスのことをシステムインテグレーションとしている。
この人販ビジネスはある意味 SI の主流と言えるんだが、
このモデルは先が見えていると。
根拠として、IT人材白書からデータが引用されていますが、
市場の傾向とITベンダーの考えていることにギャップなども上げられています。
このギャップは必然なのかもしれません。
というのも、人を突っ込んでおくというのはある種一番簡単なビジネスなので。
特定派遣で人をどこかから調達して横流しのようにどこかにぶち込んで、
教育・責任はぶち込んだ先で責任ということで中間マージンを貰って、
経営側は安全地点で団扇でも扇いでおけばよい…っと。
人販は人販で色々あるだろうが、自社ソリューションだとか品質管理だとかあーだこーだと
答えが出なかったり、出せなかったりするのなら、なおさらだろう。
これがIT土方を生み出す構造。素人同然の人間を大量に突っ込む方が工数が増えて、利益上がるしね。
# ただ、これがユーザー側の問題を解決するわけではないのだが…。
本には上記のような書き方はしていないが、SIというビジネスモデルが構造的に不幸だと語っている。
構造的不幸の原因は「ゴールの不一致」「相互不信」だと述べている。
細かいことは本を参照いただくとして、現状SIビジネスがあまり良い状況ではないことは
間違いないのだろう。
ITの世界で人の作業が価値であるという意見がそもそも…と思っている。
特に設定とかの定型業務系に関しては。コモディティの世界なので、
こんなの標準化されていて当たり前、それにより高品質で提供できて当然でしょ…と
言われても仕方がないものだと思ってる。現実は全くできてないことも多いんだが…(汗。
こういう言い方をしてしまうのはインフラ側の経験が長い人間だからかもしれない。
ただ、クラウドを含め、昨今のIT業界の流れはこの工数モデルは人販モデルのアンチテーゼとも
取れるのではないかと考えている。
ここまでは3章までの感想。
ここまでの内容は、同意することや考え方の1つとして参考になると思ったんだが、
後半は???という感じになってしまった。
4,5,6章では3章までで述べられてきたことに対して、
SIerはクラウド/OSSの活用/グローバル対応すべきという観点で論じられている。
3章までがビジネスモデルの話だったのに、急に部品の話になってしまっているので、話が合わない。
これらの道具を使って人販ビジネスモデルを維持するという選択肢をとってしまうと、
何も変わらない。どうビジネスモデルを変えるか…だと思うんだが…。
クラウドを活用して SIer から SaaSベンダーにって、結構な飛躍だと思うんだが…。
また、OSSを活用したからと言って人販が変わるとも思えないし。
7章はビジネス上の役割のシフト、アジャイル開発の活用に関して述べられている。
ビジネス上の役割シフトは「言われたものをもって来ました」という丁稚から
お客様のCIOの役割へ変わる必要があるということなんだが、
昔から言われてきた本来のソリューションビジネスモデルをしなさいと言ってるに過ぎない。
まぁ、なかなか実現できてないことが多いと思うし、どうしても分かりやすい製品説明のみに
終始している SIer なんかも多いのも事実だろう。
で、この 7章なんだが、本書には記載されていないのだが、
ソニックガーデンのビジネスモデルだと思っている。
本書にもソニックガーデンは1つの例として紹介されているのだが、この7章の事例ではなく、
受託開発に対する新しい課金モデル(サブスクリプションモデル)として紹介されている。
ソニックガーデンは「納品のない受託開発」というPRをしているため、
課金方式を変えただけと受け取っているのかもしれないが、
本質は7章をうまくビジネスモデルとして落とし込んだ事例と考えるほうが適切だと思う。
本書よりも後発だが、ソニックガーデンのビジネスモデルに関しては、
「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識”を変えるビジネスモデル
という本に記載されている。
そのため、7章の中身に関しては、本書よりもこちらの本を読んだほうがよいと思う。
実は私はソニックガーデンの本を先に読んでいた。
その後に本書を読んだので、本書の内容に違和感を覚えたのかもしれない。
で、残りの8章は組織の話なんだが、4-7章の内容が消化不良に陥ってしまったので、
あまり頭に入らなかった…。
ということで、自分の中では、本書は前半だけで十分なものであった。
「システムインテグレーション崩壊 ~これからSIerはどう生き残ればいいか? 」
です。
この本は全8章。
前段の3章まではSI業界があまり良い状態では無く、構造的不幸に陥っていると論じている。
それに対して、どのようなことを行うべきかなど、SI業界の進む道が4-8章にて述べられている。
この本が定義しているシステムインテグレーションは「工数積算を前提としたビジネス全般」としている。
準委任、請負、派遣などもこれに含まれているとしています。
要はIT人販ビジネスのことをシステムインテグレーションとしている。
この人販ビジネスはある意味 SI の主流と言えるんだが、
このモデルは先が見えていると。
根拠として、IT人材白書からデータが引用されていますが、
市場の傾向とITベンダーの考えていることにギャップなども上げられています。
このギャップは必然なのかもしれません。
というのも、人を突っ込んでおくというのはある種一番簡単なビジネスなので。
特定派遣で人をどこかから調達して横流しのようにどこかにぶち込んで、
教育・責任はぶち込んだ先で責任ということで中間マージンを貰って、
経営側は安全地点で団扇でも扇いでおけばよい…っと。
人販は人販で色々あるだろうが、自社ソリューションだとか品質管理だとかあーだこーだと
答えが出なかったり、出せなかったりするのなら、なおさらだろう。
これがIT土方を生み出す構造。素人同然の人間を大量に突っ込む方が工数が増えて、利益上がるしね。
# ただ、これがユーザー側の問題を解決するわけではないのだが…。
本には上記のような書き方はしていないが、SIというビジネスモデルが構造的に不幸だと語っている。
構造的不幸の原因は「ゴールの不一致」「相互不信」だと述べている。
細かいことは本を参照いただくとして、現状SIビジネスがあまり良い状況ではないことは
間違いないのだろう。
ITの世界で人の作業が価値であるという意見がそもそも…と思っている。
特に設定とかの定型業務系に関しては。コモディティの世界なので、
こんなの標準化されていて当たり前、それにより高品質で提供できて当然でしょ…と
言われても仕方がないものだと思ってる。現実は全くできてないことも多いんだが…(汗。
こういう言い方をしてしまうのはインフラ側の経験が長い人間だからかもしれない。
ただ、クラウドを含め、昨今のIT業界の流れはこの工数モデルは人販モデルのアンチテーゼとも
取れるのではないかと考えている。
ここまでは3章までの感想。
ここまでの内容は、同意することや考え方の1つとして参考になると思ったんだが、
後半は???という感じになってしまった。
4,5,6章では3章までで述べられてきたことに対して、
SIerはクラウド/OSSの活用/グローバル対応すべきという観点で論じられている。
3章までがビジネスモデルの話だったのに、急に部品の話になってしまっているので、話が合わない。
これらの道具を使って人販ビジネスモデルを維持するという選択肢をとってしまうと、
何も変わらない。どうビジネスモデルを変えるか…だと思うんだが…。
クラウドを活用して SIer から SaaSベンダーにって、結構な飛躍だと思うんだが…。
また、OSSを活用したからと言って人販が変わるとも思えないし。
7章はビジネス上の役割のシフト、アジャイル開発の活用に関して述べられている。
ビジネス上の役割シフトは「言われたものをもって来ました」という丁稚から
お客様のCIOの役割へ変わる必要があるということなんだが、
昔から言われてきた本来のソリューションビジネスモデルをしなさいと言ってるに過ぎない。
まぁ、なかなか実現できてないことが多いと思うし、どうしても分かりやすい製品説明のみに
終始している SIer なんかも多いのも事実だろう。
で、この 7章なんだが、本書には記載されていないのだが、
ソニックガーデンのビジネスモデルだと思っている。
本書にもソニックガーデンは1つの例として紹介されているのだが、この7章の事例ではなく、
受託開発に対する新しい課金モデル(サブスクリプションモデル)として紹介されている。
ソニックガーデンは「納品のない受託開発」というPRをしているため、
課金方式を変えただけと受け取っているのかもしれないが、
本質は7章をうまくビジネスモデルとして落とし込んだ事例と考えるほうが適切だと思う。
本書よりも後発だが、ソニックガーデンのビジネスモデルに関しては、
「納品」をなくせばうまくいく ソフトウェア業界の“常識”を変えるビジネスモデル
という本に記載されている。
そのため、7章の中身に関しては、本書よりもこちらの本を読んだほうがよいと思う。
実は私はソニックガーデンの本を先に読んでいた。
その後に本書を読んだので、本書の内容に違和感を覚えたのかもしれない。
で、残りの8章は組織の話なんだが、4-7章の内容が消化不良に陥ってしまったので、
あまり頭に入らなかった…。
ということで、自分の中では、本書は前半だけで十分なものであった。
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