Tak's 雑記帳

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劣化(?)ウラン弾

2005-05-16 03:10:15 | 社会一般
 今日、ふとテレビをつけるとテレビ朝日系の局で「ザ・スクープ」と言う番組をやっていた。私はこれや「報道特集」のような調査報道・検証報道番組が好きでよく見ている。今回のザ・スクープの内容は後で調べたら“終わらない戦争”と言うものだった。銃弾が飛び交ったり爆弾が爆発したりすることが終わっても、その銃弾や爆弾に使われた化学物質はすぐにはなくならないと言う内容のようだった。
 さて、私が見たときには第2部となっていて劣化ウラン弾の危険性に関する内容だった。ご存知の方もいると思うが、劣化ウランとは自然界に存在するウランのうち、燃えるウランであるU235の割合が少ないもののこと。主成分は燃えないU238である。ただしこの劣化ウランは圧力をかけると発火はするらしい。劣化ウランの特性は今述べた圧力をかけると発火することもさることながら、非常に重いということと、原子力発電や核爆弾(ウラン使用タイプ)を運転/製造する時には大量に発生すると言うことがある。
重さは鉄の2.5倍、鉛の1.7倍程度ある。重いと言うことは、武器として使う場合、同一速度でも破壊力が大きいと言うこととなる。空対地ミサイル・バンカーバスターと言われるものはこの重さを利用して、地下シェルターのぶ厚いコンクリート壁をも貫通する力をもたせることができる。また一般的な弾丸にこめれば反動も大きくはなるが、それに比例して威力も大きくなる。
 さらには原子力発電等で必ず劣化ウランは発生する。天然のウラン鉱石中で燃えるU235が含まれる割合は0.7%程度99.3%はある程度の不純物と大量の燃えないU238と言うことになる。通常ならお金をかけて地中に埋めるなり海底に沈めるなり処理(廃棄)をしないといけないが、劣化ウラン弾にしてしまえば地上に捨てることが可能であり、コストも非常に安くなる。

 ウランと聞いて気にになるのは安全性だが、アメリカ軍や政府は安全と言っている。しかしながら多くの研究所や国・機関は劣化ウラン弾は危険だと言っている。ダイオキシンを主成分とした枯葉剤の時もアメリカは「安全である」と言っていたらしいからアメリカの言うことに信憑性は無い。ウランはウランであり、微量とか大量とかの問題は関係なく放射線は出す。微量でも長期的に浴びれば何らかの異常をきたすということは広島・長崎の実例からも明らかである。

 今後とも劣化ウラン弾は使われると思うが、枯葉剤よろしく幾年か経てばアメリカも使用することは難しくなるだろう。しかしそれまでは核のゴミがものすごい勢いで地上に廃棄されることとなる。
 ところで仮にアメリカ国内で戦争がおきたら絶対に使わないだろう。だって自分の首を絞めることになるのは目に見えているから。自分さえ(経済的や武力的に)良ければ他国なんてどうでもいいというスタンスの国なのだから。

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