Tak's 雑記帳

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廃れゆく農業(1)

2006-05-04 00:17:22 | 社会一般
 まずは画像を拡大してみてもらいたい。携帯電話のカメラで撮ったもので、画質が悪く少々分かりづらいが、この画像は何かお分かりになるだろうか?


 この画像は、私の家の畑に通じて“いた”道路、もとい、農道であったものだ。過去形になっているのは既にその畑は休耕畑となっているからである。畑に行かなければ、そこへ通じる農道も不要となる。不要となれば誰も管理する者がいなくなる。もちろん、その農道がどこかへ行くのに近道だったり複数人の農家で共有したりしているものであれば、また違った現在を迎えていたことだろう。しかしながら、この農道を使うのは我が家しかない。平野部の畑だと、単独で農道を使うというのはまず無いのだが、中山間地の農道だと単独使用のそれがよくある。
 とは言っても、昔は単独使用ではなかったりする。一人、また一人と農業を営む家が減っていく。何軒かの農家で共有していた農道も、使う家が一人となり、ついにはいなくなってしまう。そのなれの果てが上の画像というわけだ。元々は軽トラックが十分通れたが、既に木が生え、夏場になると背丈ほどもあるカヤが生える。こうなると歩くことすら困難だ。

 ご存じの通り、農家を営む家はどんどん減っている。理由は単純だ。跡継ぎが
いないのだ。跡継ぎがいなくなってしまうのは、安定した収入を得られなかったり、農業収入だけで暮らすのは相当の苦労が必要だったりという理由にある。
 一部の経営手法に優れた農家を除けば、どこも大変である。全体として高齢化が激しい。歳を取れば、それだけ出来ることが少なくなってしまう。それを補うために、機械化を進める。農業機械というものは、車などと違い大量生産をしないためか非常に高価だ。同じ価格でベンツが変えるような機械も、使って年1週間なんてものすらある。毎年農家はその高々1週間しか使わない“ベンツ”の購入に充てた借金を返さなければならない。また、「共選」といって農協に果物や米などをそのままだすことがある。農協では選果し、箱詰めし、出荷まで引き受けるのだ。労力はぐっと減るが、収入もぐっと減る。共選費が相当なものとなるからだ。

 という親を見ていると、農家を継ごうと思う人はなかなかいなくなってしまう。労働時間の割に収入が少ない。また、どれだけ頑張っても、その時々の天気が宜しくないといけない。そんな悪条件かつ不確定条件の下で成り立つ“農業”は難しいものだ。
 継ぐものがいなければ、農村人口も減り、ついにはいなくなるのだろう。

 >>明日に続きます。


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2 コメント

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会社にはできないですか? (TAIKI)
2006-05-04 09:38:02
本当に深刻な事態と思います。

会社組織などにして、ここの負担を減らす方法はないのでしょうか?

農業は国として存立すべきもっとも大切な基本産業であり、国土の荒廃は国の荒廃そのものだと思います。

でも、都会の人間が村に移り住むのは実際難しいですね。

まず、住宅などの確保などのハードの面が出来ていない。

次に、昨日まで自分の生活と社会への顔とはっきり使い分けていたものが、ある程度の束縛は当然として、その地方独特の習俗に慣れるまでには実際時間がかかるし、うまくなじめるか人生を掛ける人は多くないと思う。ソフトの面が特に大切ですね。

でも、農業や林業は絶対生き返らないと国が滅ぶ。

何とかしたいですね。

出来る人、やる気のある人はいっぱいいると思います。

時々「輸入品が安いのだから、国内農業はダメになっても別に問題ないよ」なんて話を聞くことは確かです。まったく何もわからない者の典型です。嘆かわしい以外何者でもない。自分のことしか考えられない人はそんなものでしょう。

こんな類の論理は捨て置くとして、日本人はまだまだ健全な精神の人々はたくさんいると信じます。

何とか具体的に行動したいですね。
うろ覚えなのですが (Tak)
2006-05-05 23:54:19
 会社には出来なかったと思います。現在はどうだか分からないのですが、少なくともちょっと前までは。

 農業を企業がやっても良いという法律が出来たか出来なかったか、ちょっと覚えていません。でもそうでもして、共同でやっていかないと、いよいよ日本の農業は無くなってしまうと思います。