池ちゃんのページ


行政・町内情報、地域活動やスポーツクラブ・昔遊び・ジャズオーケストラの活動などを紹介します

公的年金財政検証

2024年07月10日 13時26分02秒 | 一言
削減路線の破綻ますます明瞭
 将来、安心できる年金が受け取れるかは全世代にとって大きな問題です。政府は3日、公的年金の2024年度「財政検証結果」を報告しましたが、これには大きな問題点があります。

■5年前より改善?
 公的年金の「財政検証」は5年ごとに行われます。今後おおむね100年後までの年金財政の見通しを推計するものです。

 今回の検証では、出生・死亡・外国人の流入などによる人口の変動と、今後の経済成長の予測(4パターン)を組み合わせた34通りの試算と、各種の制度変更を行った場合の試算も行っています。その結果、5年前の試算(19年度財政検証)に比べて、将来の年金の目減り幅が若干少なくなるなど、年金財政が改善したとされています。

 しかし、改善した主な理由は、高齢者や女性の就労が予想よりも増えたことと足元の株高で年金積立金が増えたことによるものです。必ずしも、年金財政の仕組み自体がうまくいっているわけではありません。

 それどころか、重大な問題やゆがみがあります。

 第一は、今後の経済についての見通しの甘さです。検証の4パターンのうち、「高成長実現ケース」と「成長型経済移行・継続ケース」では、実質成長率1・1~1・6%、実質賃金上昇率1・5~2・0%が続くと仮定していますが、多くの専門家から「甘すぎるのでは」という疑問の声があがっています。

 この二つのケースではモデル世帯(サラリーマン夫婦片働き)の年金目減りは6~7%ですが、より悪い経済条件を想定した「過去30年投影ケース」では17・6%も目減りします。

■低年金ほど目減り
 第二に、低年金の世帯ほど年金の目減り率が高くなることです。基礎年金だけしかない自営業者などの世帯では、「高成長」「成長型移行」のケースでも10~12%、「過去投影ケース」では30%近くも年金が目減りしてしまいます。

 こんなことになるのは、年金制度に組み込まれている「マクロ経済スライド」の仕組みで、年金の1階部分に当たる基礎年金の方が、報酬比例年金(厚生年金の2階部分)よりも大幅に削減されるようになっているからです。

 第三に、今回の検証結果ではマクロ経済スライドの矛盾がいっそう明らかになりました。積立金の増加などで「高成長」「成長型移行」のケースでは報酬比例年金はこれ以上削減する必要がなくなるだけでなく、現在の年金額を維持しただけでも厚生年金財政は毎年黒字となり、さらに積立金が増えていきます。

 この結果、「成長型移行ケース」では2120年度時点の厚生年金の積立金は年金給付の23・2年分に相当する1京7371兆円に膨れあがります。これは現在価格に換算しても699兆円で現在の292兆円の2・4倍です。高齢者1人当たりの積立金は3500万円にもなります。

 基礎年金だけの低年金を10%も目減りさせながら、一方で巨額の積立金をため込む―こんな年金削減の仕組みの破綻は明らかです。

 物価高騰に苦しむ現在の年金生活者はもちろん、将来の年金を守るためにも抜本的な改革が必要です。


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
マルテンサイト千年 (グローバル・サムライ)
2024-07-14 09:51:40
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタイン物理学のような理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズム人間の思考を模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな科学哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本らしさとも呼べるような多神教的発想と考えられる。
返信する

コメントを投稿