残暑というよりも、夏真っ盛りのような暑さがつづきます。朝夕の涼しさが感じられてくる白露を過ぎても、熱中症への警戒が呼びかけられています。
年々暑く、長くなる日本の夏。終わらない猛暑は人体にもさまざまなダメージをもたらします。暑さ疲れを蓄積し、食欲不振や胃腸の不調、だるさやけん怠感。体調不良につながり、高体温が脳障害を引き起こすこともあります。
1946年の統計開始以降、昨夏と並んで平均気温が最も高い今年の夏。豪雨や台風による被害も相次いでいます。WHO(世界保健機関)は、気候変動が起因となる健康被害や死亡数が今後さらに増加するとして警鐘を鳴らします。
2030年には地球温暖化による「気候変動関連死」が年間約25万人にまで達するとの推計も。熱中症の何倍もの人たちが暑熱の影響で亡くなっているとの指摘もあります。大気汚染や水質悪化、伝染病のまん延、食料危機や自然破壊…。健康被害は増加する一方です。
国際非政府組織(NGO)の調査ではこんなことも。過去50年間で気候変動によって発生または悪化した災害や異常気象の死亡者のうち、9割超が発展途上国に集中していました。担当者は「気候危機が世界的な格差を広げ、それがさらなる気候危機を招いている」と。
単なる環境問題ではなく、人権や貧困、格差や不平等といった社会問題と密接につながっている気候危機。こうした危機に立ち向かい、公正で平等な世界をつくっていく。気候正義とは社会正義です。