
「冬の夜に いくつものパンが育つのです。
小麦が若々しい緑の芽をふくのは 雪の下なのですから。
春になって お日様が笑顔を見せて初めて
きみは気がつくのです 冬が為した良い行いを。
だから この世が
侘しく、空しいものに思われても
だからこの世が
厳しく、辛いものに思われても
静かに、そして
変化に耳を澄ませるのです。
冬の夜に
いくつものパンが育つのですから。」F.W.ヴェーバー
去年収穫した小麦でパンを焼いているけれど、
もうすぐなくなるなぁというここ最近。
その小麦の子孫たちは、畑でやっと大きくなり始めた。
麦というのは、本当に不思議な植物で、
寒さが本格化する前にニョキッと一斉に顔を出し、
そこから一冬を我慢強く耐え、春になり日射しを感じるや否や、
まことに力強い様子で伸び始める。
冬の間に、これから使うべくエネルギー全てを、蓄えているのだろうか?
麦の葉をサラサラとさわりながら、頭に浮かぶのはパンのことばかり。