図書館より夢枕獏の書いた「神々の山嶺(いただき)」を借りて読んだ
物語は山岳写真家の主人公がカトマンドゥの登山用品を売っている店でレンズの壊れているカメラ
(BEST POCKET AUTOGLAPHIC KODAK SPECIAL)を見つけ購入したことから始まる
主人公はこのカメラはマロリーが遭難した時に持っていたいたカメラではないかと推理する
マロリーは1924年6月8日にエベレスト頂上直下で遭難したとされオデールが最後の姿を確認した
このカメラは盗まれた物で元の持ち主が現れ物語は展開する
元の持ち主はネパールでシェルパをやりながらエベレストの冬季無酸素登頂を目指している不法滞在している
羽生という日本人である
羽生は頂上直下でこれを発見したという
もしフィルムが残っていて頂上の景色が写っていたならばマロリーが最初の登頂者ということになる
なぜ羽生は公表できないかというと不法滞在であることとエベレスト登頂には1万ドルの入山料を
支払わなければならないのに無許可で入山しているためである
フィルムはどうなっていたかは読んで貰いたい
この物語にはモデルがいる
羽生は森田勝という人で
谷川岳滝沢第三スラブを岩沢英太郎と初登攀に成功した人である
金型工の良い腕を持っているにも関わらず学歴がないことと山への情熱が大きすぎた過ぎて
仕事より山を優先したため一か所に長く勤められず貧乏生活を送った人である
日本山岳協会によるK2登山隊に参加するが第1次登頂メンバーに選ばれなかったので
造反し下山してしまう、隊長は第2次メンバーで確実に成功させようと考えていたらしい
空気の読めない人のようである(実際に1次隊は失敗している)
1987年アルプス3大北壁の一つのグランド・ジョラスの冬季単独登頂に挑戦しフックが外れ50メートル
落下。左足骨折、胸部打撲、左手も動かない。宙づりのまま夜を明かし、翌日右手、右足だけで決死の登攀を行い
6時間以上かけてテラスに戻り、ここでまた夜を明かし、翌日ヘリコプターにより救助される。
強い精神力と体力のある人である。
1980年の冬、ボルトが入ったままグランド・ジョラスに登り遭難する
もう一人登場する人物は長谷である
長谷はのモデルは森田勝のライバルの長谷川恒男である。
この人はアルプス三大北壁の冬季単独登攀の偉業をなしたした人である
森田勝が遭難した直後にグランド・ジョラス冬季単独登頂に成功している
この人も1991年ウルタルⅡ峰で遭難
御岳山に没後20年に顕彰碑が建立された。何回も行ったことはあるがこの小説を読む前はこの人自体も
知らなかったので訪ねたことはなかったので機会があったら行ってみたい
この小説を読んだ跡に森田勝のことを書いた佐瀬稔著作「狼は帰らず」を読んだ
「神々の山嶺」は森田勝の生き様をアルプスからヒマラヤに舞台を移しただけのそのままの物語であると感じた
なお、小説の中で重要な物品のカメラはマロリー遭難75年後の1999年に遺体が発見されたが
発見されてない
この小説を読むきっかけは小説の中に書かれているエベレスト街道をルクラから歩いて標高3880メートルにある
エベレストビュウーホテルに宿泊ツアーに参加するためである(いつかは泊まってみたいと思っていたホテルである)
心配なのは歩けるか、高山病にならないかである
今まで2回富士山に行ったが2回とも頭痛がした
富士山より100メートル高いのでどうなることやら
調子が良ければさらに高い4200メートルのクンデピークまでハイキングする予定である
今までに行った最高地点は3850メートル(エギュドミディ)である
その時は何とも無かったのでなんとかなるだろう
今回のツアー参加者は13名である
サーダー(リーダ)、サーダーをサポートするシェルパ、ポーター、料理人等同数位のサポートがつくらしい
いつかはエベレストを見たいという夢が実現しそうである
因みに家内の車のナンバーはエベレストの標高8848である
今回の旅行で用意した物品
LOWAの靴を持っているが多少でも軽い方が良いので購入した
インナーシュラフ
エベレストビュウーホテルに行く前に2泊ロッジに泊まるがその時はシュラフで寝る
着たままで寝ることになるので必要ないかもしれないがが念の為購入
耳カバーのある帽子
高山病治療薬のダイアモックス
緑内障治療薬である、医者に訪ねたが使用したことがないので副作用とかは全く教えて貰えなかった
現地で高山病になると飲まされるらしい
現地の薬は効き目が強すぎる(欧米人は体格が良い)らしいので用意して持って行く