花桃と 競うひまわり 碧空射る
サギソウの 白無垢の羽根 風つかむ
朝晩に 顔色変える ケープタウン
客和む ポーチュラカ 玄関前
ペチュニアや 妻の思いや ハート花
赤色で 小さき花の るこう草
母浮かぶ 幼き味や マクワウリ
小さき赤 思わず手がでる ミニトマト
逝く夏や
孫なむなむの
初対面
【余 録】
家内がこの地で家庭菜園を始めて30年。全くの素人で、草取りさえしたことがない。最初は、母に聞いたり、本を読んだり、テレビを観たりと、知識を得て励んだ。
収穫野菜も少しずつ美味しさが感じられるようになり、土いじりが好きになった。近所の方に差し上げたり、知人、友人にも味見をお願いし、「GOOD」評価。機会があれば、他の人の栽培方法や、肥料など多くの話を聴き、美味しい野菜作りを楽しんでいる。
鉢植えで いつからまとう レモン色
『論語』の「知好楽」(これを知る者は、これを好む者に如(し)かず、これを好む者は、これを楽しむ者に如かず)そのもの。夏の暑いなか、朝や夕方の涼しい時間を利用して、作物管理に勤しんでいる。熱中症対策を講じ、汗を流しながら作業姿は、「好きだ」からを超えている。
しかし、「好きだ」と「楽しむ」の境界はと聞かれても分からないが、家庭菜園にかける情熱は何にも勝る。野菜作りは、「好きだけど楽しむほどではない」のか、「好きで楽しんでいる」のか、聞いたことはない。
初めての 実を付けうれし カボスかな
これからは、知識第一ではなくなる。知識の量はそれほど重要視されなくなる。頭に詰め込まなくても、「AI」等の活用で携帯とか時計などで、簡単にその場で必要な知識は得られる。「どうすればよいのか」という、発想力、想像力が大切になる。ものを観たり、行動するときに、ふだんから、「なぜ」とか、「どうして」という視点で、判断することが求められる。
それができるようになるための方法が、知識は教えられるのではないと認識することから。「好き」とか「楽しい」という思いで、「なぜ」とか「どうして」と自分から求め、「何すればよいか」を考えること。
妻の「楽」の境地を求めたい。まずは、「好きこそものの上手なれ」を。