我が家の『三楽菜園』を見ていますと、まさに万物の成長を見せつけられ、自然の自力で成長するパワーの偉大さに驚嘆するばかりです。今年は、雨と、温度のバランスがいいのでしょうか。「圧巻」という言葉すら浮かびます。
りんごは、今年も「フジ」と「アルプスの乙女」が実をつけ始めています。これから選果をしなければなりません。早く全部の種類が結実するといいのですが。ブドウもいつもの方は、愚妻の剪定が良かったせいか、今年は久しぶりに豊作が期待できそうです。
ブルーベリーは、鉢植えが2本、地植えが3本ありますが、おかげさまでこれも順調です。TVで剪定の仕方を観て、菜園主さんが管理していますが、今年はジャムがたくさん作れそうです。
ハウスのトマトやころたんメロンは順調です。わき芽をかき、水栽培して根が伸長したならば定植しています。時期になりますと、本数は現在の倍近くになります。真ん中のポットは白ゴーヤです。5年ほど前に苗を購入し、それから毎年種をとって育てています。余った苗は近所の人などに差し上げています。
【子どもたちへ】
昨日はおばあちゃんが調子が良いからと、久しぶりに我が家を訪問しました。今年90歳になりますが、足が思うようではなく、あまり出たがらないようです。本当ならば、少しでも、歩いた方がいいのは分かっているのでしょうが、自分の面倒を自分だけでは看られなくなっていますので、つい出不精になってしまっているようです。
お父さんが結婚した時は、同じ屋敷の中に同居していましたので、よく働く姿を見ていました。時折早く帰ったときなども、屋敷の中の草取りを毎日のようにしている姿を思い出します。日曜日など家にいるとき、あるいは子どもが生まれて遊ばせたりしていたとき、頭に手ぬぐいをかぶり、田舎の人が野良仕事をするような格好で、もんぺのようなものをはいて、手に鎌を持ち、庭の木の間に潜り込んでいる姿を目にしたものです。
そして、旅行が好きで、お友達と時折は出かけていましたので、じっとしているよりも、体を動かしていた方が好きだと思います。自分の状態が良ければ、今日みたいな気分になれるのだと思います。自分の娘がいて、朝から晩まで、「何しなければダメだ」という小言もあるようですが、上げ膳、据え膳で一日が終わり、寝ていても何かあれば直ぐ脇に娘がいるという状況が、「ちょっと」という自力を産み出すのだと思います。
「自力」。誰もが持っているパワーです。しかし、最近は誰もが、この力をダウンさせていると思います。条件を整えようとしないからです。「自」が弱いのです。「親が子を思う」とか、「子が親を思う」、「職場の人を思う」、「友人を思う」、「目の前の人を思いやる」などということは、何かをしてあげるということが主眼ではないのです。「自力」で「ちょっとしてみるか」と思う、そのような気持ちにさせて上げることが大切なのです。
年老いて
自(みずか)ら日々を
生活し
終(つい)の棲家(すみか)で
明日に生きる
自力を発揮し、久しぶりに娘の家を訪問したおばあちゃんもすごいと思います。そのような気分にしてあげた、お姉さんも立派です。「下の娘はどのような暮らしをしているのかな」と、心配したのかもしれません。頑張れお母さん。実は、おばあちゃんに自力で『三楽菜園』を見てみたいと関心を持たせるよう、平素から写真を見せたり、収穫した野菜や、仏壇にそえる花を持っていったりして、そういう気にさせたのでこれも親孝行でしょうか。
家で面倒を見ている人たちは大変な上に、「毎日、二十四時間」という精神的な負担がつきまといますので、本当に大変。頭が下がります。しかし、子どもも孫も、みんなで出来ることをして、おばあちゃんが、「自分でしてみたいですね」とか、「自分から何が食べたいですね」とかいう言葉が、出るようにしてあげればいいのです。本来、具備しているパワーですし、おばあちゃんの若い頃を思い出すと、この力は強いと思います。
『三樂録』もお父さん、お母さんが、みんなの「自力」を期待しているのです。「自力」という種を蒔いて。