男性疑惑のセメンヤ選手 南アに凱旋帰国 人種差別だと反発強まる
【ロンドン=木村正人】ベルリンで行われた陸上の世界選手権女子800メートルで優勝した後、「男性疑惑」が持ち上がった南アフリカのキャスター・セメンヤ選手(18)が25日、帰国した。ズマ大統領は性別検査を進める国際陸上競技連盟に不快感を示し、政権与党のアフリカ民族会議(ANC)も「人種差別だ」と反発。国連人権委員会への申し立ても検討されるなど波紋が広がっている。
現地からの報道によると、ヨハネスブルクのオリバー・タンボ国際空港には市民数千人が詰めかけ、ANC幹部らも“ヒロイン”の凱旋(がいせん)を出迎えた。
セメンヤ選手は今季世界最高の1分55秒45をマーク。昨季から8秒も自己記録を短縮した。筋骨隆々で低い声、青年のような顔つきに、ドーピング(薬物使用)ではなく、両性具有を含め「性別」を疑われた。国際陸連は「性別をはっきりさせる必要がある」と発表。検査結果の判明までには数週間かかるという。
南ア北部リンポポ州の貧しい村で育った。スカートではなく、いつもズボンをはいていた。女性でただ一人、サッカーチームに加わり、毎試合2点取るほど運動能力に優れてはいた。地元主要紙のソウェタンは同選手を「ゴールデン・ガール」と名づけ、父親のヤコブさんも「彼女は私の娘だ。性別を疑ったことは一度もない」と反論している。チームメートや同級生も「彼女は間違いなく女性だ」と断言している。
アパルトヘイト(人種隔離)政策を撤廃した南アでは人間の尊厳や人権の尊重に敏感だ。同選手と面会し、「彼女を誇りに思う。支援を惜しまない」と述べたズマ大統領は、スポーツ・余暇相が国際陸連に書簡を送り、南ア政府としての懸念を示したことを明らかにした。
ANC内の青年団体や女性団体は「黒人への差別」として反発を強めており、南ア議会スポーツ委員会も、同選手に性別確認検査を強いた国際陸連に謝罪を求め、国連人権委員会への申し立ても検討しているという。
Source来源:http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090826/mds0908262017005-n1.htm, http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/090826/mds0908262017005-n2.htm
ほか:http://sankei.jp.msn.com/topics/sports/1486/spt1486-t.htm
Photo source图片来源:http://sankei.jp.msn.com/photos/world/mideast/090826/mds0908262017005-p1.htm