病棟転換型居住系施設について考える会

世界に誇る日本の精神病院の病床数と長期入院者の問題とは…。削減した病床を病院敷地内の居住系施設に転換する問題とは…。

大阪府精神障害者家族会連合会 2014年6月23日 声明

2014-06-24 23:36:03 | 声明文
大家連 第14号
2014年6月23日

厚生労働大臣 田村憲久 様
社会・援護局障害障害保健福祉部
       部長 浦原基道 様
長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会
       座長 樋口輝彦 様

公益社団法人 大阪府精神障害者家族会連合会
会長  倉町 公之

当事者・家族等の声を充分に聞いて「社会的入院」の早期解消を実現してください
―「病棟転換型居住系施設」の提案に反対しますー

 長期入院精神障害者の地域移行に向けた具体的方策に係る検討会において、「病院で死ぬということと、病院内の敷地にある自分の部屋で死ぬことには大きな違いがある」という発言があったと聞きました。しかも、精神障害者の身近で生活を支えている関係者からの発言です。この発言には、驚きとともに憤りを感じています。

 精神科の病院において、空の出た病棟をグループホームなどに転換して、退院可能な人をそこに住まわせ、退院したことにしようというものです。

 いまこの検討会で議論されているのは、いつでも退院できる状態にあるが、引き続き入院を重ねている「社会的入院」の状況にある7万人もの人たちの、地域生活への移行をどのようにして実行して行こうかなということです。

 これがなかなか実現しない中での発言です。なぜ退院促進が実現して行かないのか。

 それは、精神障害者が地域で生活できる施設と、彼らの生活を支える人的資源を整備してこなかったからです。

 委員会の論議の中心は、地域移行を確実にスムーズに進めるための地域の受け皿をいかに整備していくのかであるべきだと思います。

 「どこで死ぬのか」でなく、「どこで生き、どこで生活するのか」が問われていると思います。
 今回、わが国も批准した国連の「障害者権利条約」においたも、第19条「自立した生活及び地域生活への包容」において、「障害者が、他の者との平等を基礎とし、居住地を選択し、及びどこで誰と生活するかを選択する機会を有すること並びに特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」と述べています。正しく「どこで生活するか」について他の者との平等の権利を有するとしているのです。

 厚生労働省及び当該の検討部会において、「社会的入院」を真に解消する方策について、当事者、家族の声を聞いて、真摯な議論を積み重ねられることを切に要望します。

<連絡先> 大阪市中央区法円坂1-1-35 アネックス.パル法円坂 A棟4階
TEL:06-6941-5797  E-mail info@daikaren.org

【6.26緊急集会】にご参加のみなさまへ

2014-06-24 20:31:37 | 案内
生活をするのは普通の場所がいい
STOP! 精神科病棟転換型居住系施設!!
6.26緊急集会


 【6.26緊急集会】まで、あと2日となりました。

 【6.26緊急集会】に参加される皆様に、以下お願いいたします。

1.「当日の天候に備えた準備のお願い」
(1)雨の場合には、雨具等ご用意ください。座席も濡れますので、雨合羽のご用意があると、より快適に緊急集会をお楽しみいただけます。
 衣類や足元が雨に濡れますと、知らない間に体温が奪われ、体調を崩す原因となります。
 充分ご注意ください。
(2)晴天の場合には、日除け用の帽子をご用意いただくなど、直射日光への対策をお願いいたします。また、気温の上昇も予想されますので、水分や塩分の補給ができる準備をお願いいたします。

2.「当日の開場時間と来場時間」
 2014年6月26日(木)の開場は、午前11時となっております。
 この時間まで、日比谷野音の会場内に入ることができません。
 3,000人以上の来場者が見込まれておりますので、あまり早い時間に大勢の来場者がありますと、会場周辺の混乱が予想されますので、できるだけ開場時間である午前11時以降に、ご来場くださいますよう、ご協力をお願いいたします。

3.「スタッフとしてご協力くださる皆様へ」
(1)集合時間と集合場所
 当日、スタッフとしてご協力下さる皆様は、可能な限り午前9時に、日比谷野音のステージ前にお集まりください。
 当初、スタッフのご依頼をした際、バックヤードにお集まりいただくよう、お伝えしている場合がありますが、集合場所がステージ前に変更となっておりますので、よろしくお願いいたします。
 念のため、運営側スタッフが、バックヤードにも目を配っているようにいたします。
(2)昼食の用意
 誠に申し訳ありませんが、【6.26緊急集会】にご協力下さる皆様への食事のご用意はございません。
 昼食等は、各自ご用意いただくか、空いた時間に適宜摂っていただくことになります。
 集会が始まりますと、スタッフの皆様も集会に参加されると思いますので、買いに行ったり、食べに行ったりすることが難しいと思います。
 開会前に、開場付近のコンビニエンス・ストアー等で調達されると良いかと思います。
 ご参考までに、会場周辺のコンビニMAPを以下掲載いたします。


以上よろしくお願いいたします。

【6.26緊急集会】賛同金カンパのお願い (再掲載)

2014-06-24 20:27:03 | 賛同金カンパ
<<6・26緊急集会賛同金カンパのお願い>>

生活をするのは普通の場所がいい
「STOP!精神科病棟転換型居住施設!!」【6.26緊急集会】
開催まで、あと2日!


 この緊急集会は、精神科病棟転換により、精神障害のある人たちを長期にわたり病院に留め置く施設づくりに強い危惧を抱き、本来求められている一日も早い退院と地域生活への移行を願う有志による「病棟転換型居住系施設について考える会」が開催するものです。

 私たちの活動は、特定の組織等からの財政的支援によるものではなく、多くの方々の賛同により進められています。資金面におきましても、ぜひとも多くのみなさまからのご賛同とご協力を賜りたく、心よりお願い申し上げます。(一口千円。できるだけ複数口でのご協力をいただければ幸いです)。


【振込先:郵便振替】
(口座番号)00510-9-85529
(加入者名)病棟転換型居住系施設について考える会


 【6.26緊急集会】当日も、賛同金カンパの受付を行います!

群馬県精神障害者社会復帰協議会+群馬県精神障害者家族会連合会 声明文 2014年6月20日

2014-06-24 20:12:42 | 声明文
6月20日
特定非営利活動法人群馬県精神障害者社会復帰協議会
群馬県精神障害者家族会連合会(群馬つつじ会)
「精神科病棟転換型居住系施設」構想に反対する声明文
(厚生労働大臣、障害保健福祉部長、検討会座長 宛)

現在、精神科病院の病棟の一部を居住施設に改修し、同じ敷地内で「病棟転換型居住系施設」として再利用する構想が打ち出され、推し進められようとしていますが、当会としましては、以下の理由により断固として反対します。

理由1:「地域移行」が遅々として進まないことの、精緻な分析がなされぬまま、「地域移行」の理念を、根底から否定、反故、逆行させる構想と捉えざるを得ないため。

長期入院の精神障害者の多くは、住まいの場や地域での支援体制が整えば、退院して地域の中で生活を送ることが十分可能とされます。事実、精神医療は旧来の精神障害者を入院させ社会から隔離するようなやり方をあらため、現在では治療を続けながら地域社会とのつながりを持って生活していくいわゆる「地域移行」がグローバルスタンダードであり、精神医療の先進諸外国においての歴然たる実績がそれを証明しています。わが国においてもこれらの考えに依拠し、平成16年9月に「精神保健医療福祉改革ビジョン」が示され、早10年が過ぎようとしています。この基本方針にはそもそも①「『入院医療中心から地域生活中心へ』」という基本方策を推し進めていくために、国民各層の意識の変革や立ち遅れた精神保健医療福祉体系の再編、基盤強化」②「退院可能とされる約7万人の退院による解消」の二つの基本方針が明確に打ち出されました。しかしながら、10年もの歳月が経過した現在、このいずれもが未達成であるに加え、これらの要因分析や本質的な課題・問題点の検証なきまま、病院敷地内に精神病棟を一部手直ししただけの「転換型病棟」を造り、そこに精神障害者を移すことによって、形だけの精神病床削減を図ろうとする構想は、到底受け入れがたいものと考えます。ましてこの構想は、実質的には旧来の「病棟入院生活」と変わらず単に名称をすり替えただけの安易・稚拙な方策であり、医療費抑制や病院経営都合優先の視点に重きを置き、本来主役であるはずの障害者を置き去りとし、その人権を侵害する不当な行為と、捉えざるを得ません。本来、障害者は、地域社会の中で様々な人間関係や体験の場を積み重ねながら、悩みを解決していくのが自然な姿であり、そのために、まずは障害者を含めた社会全体が、互いを信頼し助け合える世の中になっていくことが、望ましい姿ではないでしょうか。「病棟転換型居住系施設」構想は、旧態依然とした閉ざされた病院敷地内で、固定化した狭い人間関係や体験機会に限定される日常を繰り返す点において、本質的に入院生活となんら変わりません。障害者の自由意志と主体性を尊重し、生活権を保障していくという本来の地域移行の理念・原点に立ち返った入念な検討・検証を期待します。と同時に、目の前に厳然と立ちはだかる根源的・本質的問題とされる「家族による支援余力の限界、社会資源の不足、地域社会の無理解、精神障害者に対する個々人の偏見・差別等」に一つ一つ対峙し、真正面から地道に取り組んでいくという正攻法からの解決・解消を期待します。

理由2:わが国が批准した「障害者権利条約」を、明確に違反する政策と捉えざるを得ません。

障害に基づくあらゆる差別の禁止、障害者の差別禁止や社会参加を促す国連の『障害者権利条約』が発効されてから5年余りが経った本年1月、ようやくわが国は世界141番目の批准国となったのはまだ記憶に新しいことです。この条約第19条の中には、「すべての障害者が他の者との平等の選択の機会を持って地域社会で生活する平等の権利を定める」「特定の生活施設で生活する義務を負わないこと」などが明記されています。障害者が精神科病棟とほぼ同等の「病棟転換型住居系施設」や入所施設以外での暮らしの選択ができないことは、明らかにこの権利条約に違反することになります。と同時に、この構想に基づいて、名ばかりの「地域移行」が成し遂げられたとしたら、わが国において、「院内地域移行」「院内退院」と言うにわかに信じがたく、国際的にも大いに恥をかく政策を日本国が公然と許可、推奨する事態となります。さらに悪いことには、一度この形での地域移行が成し遂げられたなら、長期社会的入院者の本来の姿での地域移行の実現は、さらに困難さを極めとともに、国民の間で後世までこの取り返しのつかない過ちを犯してしまったことの愚かさが語り告がれることになるでしょう。 ちなみにわが国の精神科病床は現在約34万4千床と、世界全体の精神科病床数約185万床のうちの実に約5分の一を占めています。また、入院患者数は約32万人で、平均入院期間も欧米諸国と比べ、格段に長いのが特徴です。このように世界的に見て異常とも思われるこれらの現状に至るには、わが国特有の精神医療に対する偏った考えや施策、精神障害者に対する差別・偏見の歴史を鑑みなければならないと考えます。例えば、わが国においては、かつて明治から太平洋戦争まで精神病者を自宅の座敷牢に隔離する「私宅監置」しかり。1950年には強制入院や国庫補助金制度を盛り込んだ『精神衛生法』制定後に民間病院が急増。1958年に通知された「精神科特例」や1960年設立された「医療金融公庫」により、病院数のさらなる拡大と医療の質の低下を招いたとされています。これらの歴史の一例が示すように、過去への真摯かつ厳粛な振り返りと検証、反省を踏まえ、二度と同じような過ちを起こさない覚悟と責任を持って、批准した「障害者権利条約」を守り抜く模範国となる努力を期待します。