夕方18時頃母から連絡が入り、祖母が病院に行く途中で転んで右大腿骨を骨折してしまったらしい。
急いで仕事を片付け帰路につく。皆でお見舞いに行く。
不幸中の幸いというか、折れた骨はずれているわけではなく、動かさなければ自然に治る可能性もあるとのこと。ただ、やはりこれまで脚が弱っていたとはいえ歩いて生活していたのだから、元のように歩くためには手術とリハビリが必要だそうだ。
病院のベッドで動くこともできず横たわる祖母を見た瞬間、何とも形容しがたい気持ちに襲われる。
4人いる祖父母の中で今も生きているのは、この母方の祖母だけだ。子供のころ僕が一番懐いていた母方の祖父を早くして亡くしたあとも、元気に1人暮らしをしていた。だから、とてもしっかりしていて、優しいイメージがある。祖父が亡くなってからも何かと理由をつけて遊びに行ったり、親には言えないことを不思議とこの祖母には言えたりして、随分と甘えてきた。脚が弱くなり、家の用事も以前のようにはできなくても、だから、僕にはしっかり者の優しいおばあちゃんのイメージしかない。
そんなおばあちゃんが転んで起き上がれなかったところを優しい若者に助けられた。今、脚を動かすこともできず、病院のベッドで横たわる。
単純に、嫌だった。おばあちゃんはしっかり者で優しくて、僕を甘えさせてくれて、annを無条件にかわいがってくれる。そうやってずっといてもらいたかった。
だから戸惑い、もはやおばあちゃんがあの頃のおばあちゃんではないことにうろたえる。
複雑な骨折ではない。内臓などの病気じゃなくて良かった。でも、病院のベッドに寝て動けないおばあちゃんを見たくなかった。
それは結局、僕が全然大人になり切れていないということじゃないか。
不謹慎かもしれないけれど、そう遠くない未来、おばあちゃんはいなくなる。そのことが突然頭に浮かび、僕を突き刺す。単なる骨折でうろたえている僕はそのときどうなるのかと思うと、全身に鳥肌が立ち、すでに泣きそうになる。
僕は今のおばあちゃんと向き合わなければ。入院中もなるべくお見舞いに行って、今のおばあちゃんの身体のことにも心のことにも目を向けなければ。僕がしっかりして、思うように動けないことからくるおばあちゃんの弱気を吹き飛ばしてあげなければ。
病院の帰りに皆で食事をし、まだよく分かっていないannのおちゃらけに笑いながらも、そんなことを考える。

おばあちゃんは、annのことをそれこそ宝物のようにかわいがってくれる。その存在で、振る舞いで、彼女に色んなことを教えてくれている。
僕はおばあちゃんの孫として、annの父として、もっともっと祖母に返さないといけない。
急いで仕事を片付け帰路につく。皆でお見舞いに行く。
不幸中の幸いというか、折れた骨はずれているわけではなく、動かさなければ自然に治る可能性もあるとのこと。ただ、やはりこれまで脚が弱っていたとはいえ歩いて生活していたのだから、元のように歩くためには手術とリハビリが必要だそうだ。
病院のベッドで動くこともできず横たわる祖母を見た瞬間、何とも形容しがたい気持ちに襲われる。
4人いる祖父母の中で今も生きているのは、この母方の祖母だけだ。子供のころ僕が一番懐いていた母方の祖父を早くして亡くしたあとも、元気に1人暮らしをしていた。だから、とてもしっかりしていて、優しいイメージがある。祖父が亡くなってからも何かと理由をつけて遊びに行ったり、親には言えないことを不思議とこの祖母には言えたりして、随分と甘えてきた。脚が弱くなり、家の用事も以前のようにはできなくても、だから、僕にはしっかり者の優しいおばあちゃんのイメージしかない。
そんなおばあちゃんが転んで起き上がれなかったところを優しい若者に助けられた。今、脚を動かすこともできず、病院のベッドで横たわる。
単純に、嫌だった。おばあちゃんはしっかり者で優しくて、僕を甘えさせてくれて、annを無条件にかわいがってくれる。そうやってずっといてもらいたかった。
だから戸惑い、もはやおばあちゃんがあの頃のおばあちゃんではないことにうろたえる。
複雑な骨折ではない。内臓などの病気じゃなくて良かった。でも、病院のベッドに寝て動けないおばあちゃんを見たくなかった。
それは結局、僕が全然大人になり切れていないということじゃないか。
不謹慎かもしれないけれど、そう遠くない未来、おばあちゃんはいなくなる。そのことが突然頭に浮かび、僕を突き刺す。単なる骨折でうろたえている僕はそのときどうなるのかと思うと、全身に鳥肌が立ち、すでに泣きそうになる。
僕は今のおばあちゃんと向き合わなければ。入院中もなるべくお見舞いに行って、今のおばあちゃんの身体のことにも心のことにも目を向けなければ。僕がしっかりして、思うように動けないことからくるおばあちゃんの弱気を吹き飛ばしてあげなければ。
病院の帰りに皆で食事をし、まだよく分かっていないannのおちゃらけに笑いながらも、そんなことを考える。

おばあちゃんは、annのことをそれこそ宝物のようにかわいがってくれる。その存在で、振る舞いで、彼女に色んなことを教えてくれている。
僕はおばあちゃんの孫として、annの父として、もっともっと祖母に返さないといけない。