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Delightful Days

tell on BLOG - ささやかな日々のしずく

Vody-act ヲドラズニハイラレナイ

2009-04-25 | stage
そぼ降る雨の中、夕方から大人のダンススタジオDansageの発表会公演を観るため、かめありリリオホールへ。主宰の杏奈さんを初めとする講師陣がそれぞれに振付・演出・構成を担当し、自身と生徒さんたちが踊る所謂ダンススタジオの発表会とはいえ、何せ「大人のダンススタジオ」なもんだから、それはもうダンスがきちんと理解できていない僕でも見惚れるほどの舞台。
第一部最初の『Movement No.1 ヲドラズニハイラレナイ』から、もうメチャかっこいい。その後も流れるような構成で続く、ダンス。第一部第二部合わせて2時間強という時間がまったく長く感じず、それぞれの講師陣の色とりどりの個性が表現されたステージを観ているうちに、あっという間にフィナーレ。
このフィナーレがまた素晴らしく、カーテンコールの拍手が鳴り止まないのも頷ける、本当に素敵な公演だった。

第二部の初っ端に登場したのが、黒田百合ちゃん。杏奈さんもそうだけど、出てくるだけで放たれるその圧倒的存在感はすごい。
他の講師陣のものと比べても異彩を放つ衣装、振付、演出。この独自のワールドが10分で終わってしまうのが惜しく、いつまでも観ていたい。そんな世界を作り出せるって、どんな才能なんだ。

踊ると、躍るのだ。
そして、躍って踊っているダンサーの作り出す世界は、観ている僕たちをも躍らせる。

お腹いっぱい、大満足の初長丁場ダンス公演だった。

物語を語ること

2009-04-23 | stage
仕事を終えて急ぎ足で住吉へ。今夜は広瀬未来さんが出演する『語座bis』の第8回公演。
結構余裕で会社を出たはずなのに、途中仕事の電話などが入り、結局ぎりぎり。それにしても広瀬さんの舞台にはいつも走って向かっている気がする。

語座の公演を観始めて、もう何度目だろう。今夜も6人の語り人が、それぞれに選んだ小説を語る。
単なる朗読会とも違うこのスタイルに最初はどう聴いていいものか少し戸惑ったりもしたものだけれど、聴く側としてそれなりに味わって聴けるようになってきたように思う。今夜も、「あぁ、やっぱり語りは良いなぁ」と改めて感じた。
ただ、「語り」それ自体を味わえるようになってきたからなのかも知れないが、今回はその土台となる作品の質がとても気になった。
語り人の「語り」がどれほど素晴らしくても、語っている物語が浅かったり予定調和だったりすると、とても勿体ない気がして…。
「語る」ことは語り人それぞれの想いが込もった表現だけれど、それによって聴く側の心に伝えられるのはやっぱり「物語」それ自体なのだ。

そんな中でも広瀬さんが語った乃南アサ『姑の写真』は程良くじわっと味わい深い物語で、年々活動の幅を広げ深みを増す広瀬さんの語りは余裕たっぷりで、素晴らしかった。
物語を声に出して語るとき、ともすると感情を込めれば込めるほど変に間を取って必要以上にゆっくり語り過ぎたりしがちだが、広瀬さんは心地良い速度で、でも淡々とはならない程度に語る。だから、心にすっと沁み入る。

開場を後にして、驚くほど不味い中華料理屋で一緒に行ったryuuと食事。
煙草の煙が充満し酔客が大声で話す店内で、やっぱり今夜もたくさん話す。
当たり前だったこんな時間が、当たり前でなくなる日々が、短期間だとしても来るのかも知れない。そのことに未だ実感が湧かず、だから、いつもと変わらないryuuとの時間。
でも、それでいいのかな。うん。それがいいんだ。

masterpeace LIVE@velvet sun

2009-03-28 | stage
午前中にカット。カラーを含めてこざっぱり。

昼過ぎに一旦家に戻り、競馬を楽しみ、夕方から出かけていたパートナーとannと少し上野で会い、僕だけその足で荻窪まで。

今夜は荻窪のvelvet sunというところで、マスピのライヴ。
僕も行くのは初めてだし、土田くんも演るのは初めて。
開演少し前に到着し、土田くん、サポートギターの奥野氏と談笑。狭いながらもグランドピアノが置いてあり、その旋律が待ち遠しい。
19時半スタートのライヴの、マスピはトップバッター。予定時間を少し回り、柔らかで力強いピアノの調べでライヴは幕を開ける。

久し振りのグランドピアノのマスピ。
キーボードの音色がボヤっと全体的に沁み渡るとすれば、ピアノのそれはトンっとピンポイントで心をノックされる感じ。個人的には、こっちの方が好き。

土田くんが高校生の頃に書いたという卒業ソングは、なんだか甘酸っぱくて気恥ずかしい気分にもなるけれど、それぞれのあの頃を思い出しながらそんな気分に浸るのも悪くはない。

今夜は対バンも良いよ、という話なので、3組目まで聞いていく。
2組目は男性ソロ。歌が上手い。ギターも上手い。ストーンズのカヴァー『Wild Horses』をまったりと聴く。

3組目はイギリス人男性のソロ。
キャップにTシャツという風貌から、勝手にポップなブリティッシュロックをイメージしていたら、全然違った。
足元でサンプラーを操作しながら、エレアコとハーモニカ。歌声も美しいし、曲は極端に短かったり長かったりと、何と言うか型にはまっていない感じ。
マイクも2つ使って、なんとライヴ中に自分のボイパみたいな音声やコーラスやギターのリフなんかをサンプリングして、それに重ねて歌う。考えてみれば、こういうのもまたイギリスっぽい。

荻窪はやっぱり遠かったので、残念ながら4組目は見ずにおいとま。
でも、マスピ以外の音楽にも久し振りに浸れた、素敵な夜だった。

masterpeace Live@多作

2009-02-21 | stage
午後からは家でのんびり過ごし、夕方渋谷へ。仕事終わりのryuuと待ち合わせて『やすべえ』でつけ麺を。だしが効いていて美味。


場所を『dress』に移して、店主も交えての会話を楽しみながらまったりとお酒を楽しむ。

今夜のライヴは19時から。ただ、masterpeaceの出番は20時半頃だと聞いていたので、20時過ぎに多作へ。



持ち時間は約30分だけど、そこに7曲を予定。必然的にマスピ土田くんのMCの時間がなくなったのか、ほとんどMCなしで、インプロで繋がれる曲と曲。
結果的にこれが奏功して、今夜のマスピは吃驚するほどカッコ良かった。いや、びっくり。
自然な流れの中で始まった『DAYS』のイントロの途中で、土田くんが「Days」と曲紹介したところなど、これが初めてのマスピライヴだったとしたらなんてカッコイイミュージシャンなんだろうと思っちゃったはず。花粉症と風邪による喉の不調で、話す声も少しかすれていたのもまだ程よくカッコよく…。
新曲含め演奏も素晴らしくて、今夜のようなライヴももちろん素敵なのだけれど、あの独特のMC(おしゃべり)もそれはそれで聞きたいような。って、無いものネダリだね。

ライヴ後、再び『dress』に移動し、途中から合流した土田くんも含めておバカな話に花が咲く。
明朝は早起きなのだけれど、楽しくてついつい長居。でも、もっといたいと思わせてくれる仲間と時間を持てて、それはとても幸せなことだな。

おたのしみかい

2009-02-21 | stage
今日の午前中は楽しみにしていたannの保育園のお楽しみ会。いろいろな出し物はほとんどannの上のクラスがやるのだけれど、annのクラスも一つだけ、『崖の上のポニョ』を踊るプログラムが予定されている。
毎日のように練習していたらしく、annも家でもYouTubeでポニョをかけろと言い、かけて上げると頑張って踊っていた。

がやがやと始まる。
皆座って待っているのに、annは1人歩き回っている。マイペース。


先生の絵本もあんまり聞いていない。


それにしても手作りのアンパンマンの衣装がかわいい。

お兄さんお姉さんたちのグループ(さくらグループ)の出し物があり、いよいよちゅうりっぷグループのポニョ。

でも。
一応お母さんが隣で一緒に踊るんだけど、annはママの手を繋ぎながらも、ビデオを回す僕を見つけて大泣き。仕方なく僕も前に出て励ますも、もはや踊れず…。
あんなに練習したのに。

意外と甘えん坊。そして、一度へそを曲げたら簡単には機嫌が直らない頑固者。
それにしても、本番でのannのポニョが見られなくて残念だ。

ただ、お楽しみ会自体は素晴らしいもので。
練習してきた踊りやオペレッタを、一生懸命披露する1歳児、2歳児。生まれてきてからまだ1年や2年しか経っていない彼らが、手を振り足を振り踊る姿を見ていると、他の家の子たちなのに涙が出そうになる。
それぞれがみんな特別な、小さくて大切な生命なのだ。


だからなぁ…。
この子の最初の晴れ舞台で、踊ってほしかったなぁ。


ま、仕方ないか。
来年、頑張ろうね。

桂小米朝改メ五代目桂米團治襲名記念落語会

2009-02-12 | stage
友人からお誘いを受けていた『桂小米朝改メ五代目桂米團治襲名記念落語会』のため、仕事を定時に切り上げて恵比寿へ急ぐ。
誘ってくれたあとにその張本人が行けなくなり、同じくお誘いを受けた別の友人夫妻とガーデンホール前で落ち合い、開演ギリギリで滑り込む。なので、久し振りに会ったというのに話もそこそこ、席に座ってすぐに出囃子が鳴り、緞帳が上がる。

小米朝が米團治を襲名したのは昨年10月で、その襲名披露公演のために全国を回ったのももちろん昨年10月から11月末にかけて。僕は10月19日の新橋演舞場に行った
だから、お誘いを受けたときには「もう終わってるはずなのにな」と不思議に思ったんだけれど、今回のは「襲名記念落語会」で、正式な「襲名披露公演」ではないと知って納得。その分顔ぶれも襲名披露のときより少数になってはいるけれど、桂米朝が東京に来るとなれば(噺はしなくとも)行かないわけにはいかない。

前座は米朝の弟子・米二のそのまた弟子である桂二乗。ネタは『牛ほめ』だけど、最後の牛を褒める部分はカットしていた。
この噺は以前誰かの高座で聴いたことがある(誰だったかなぁ…)んだけれど、同じ噺でもやっぱり演者によって全然違うということを再認識。二乗の噺は余裕がないのか、間も悪く、もちろん筋は追っていて噺の内容は同じはずなのに全然笑えず。
続いて桂団朝。ネタは賑やかな『寄合酒』。そして、桂南光『初天神』。
この辺りになるとマクラもネタも余裕の高座裁きで、間もテンポも良くて大笑い。

中入り前の最後は、実は米朝を別格とすれば今日の一番のお目当てだった立川談春。ネタは『天災』。
ここまでが関西弁の上方落語だったので、江戸言葉を独特の間で話すだけで空気が変わり新鮮。味のある、少し抑えた口調から、談志譲りの気風の良い江戸弁まで自由自在。テンポを変え、リズムを変え、声の大きさや調子を変えて、早口でもきちんと伝わる噺。さすがに素晴らしい。

中入り後、ご挨拶で息子米團治の隣に座っていた人間国宝は、挨拶の言葉こそしっかりしているけれど、たぶん何を話すかなどは考えてきていない。
御年83歳。今年の11月には84歳になる。
高座でネタをかけなくなって久しいが、こうやって舞台には上がり続けてくれる。もう、それだけで、満足しなくちゃいけないんだろうな…。

トリはもちろん5代目桂米團治。ネタは『七段目』。
以前小朝のものを聴いたことがあるけれど、コミカルなアクションの大きさや表情など、米團治の方が笑えた。小朝もさすがと思ったけれど、こういう演じ方の違いは江戸と上方の違いでもあるのかな。
米團治は声に艶があるので、こういう芝居言葉が入った噺がよく似合う。

終演後、恵比寿駅までブラブラ歩きながら友人と話すも、annの風邪がぶり返したのと僕自身の体調も万全ではなかったので、駅でお別れ。
久し振りだったので残念だから、今度、今日来られなかった友人も含めてゆっくり会う約束をして帰宅。

帰宅するとannはいつも通り、熱があっても張り切って元気だった。ホッ…。

masterpeace LIVE@桃園文庫

2009-01-24 | stage
18時めどに集合ということだったので17時45分くらいに桃園文庫に到着するも、masterpeaceつちだくんもryuuもまだ到着しておらず。仕方ないのでコーヒーを飲んでまったりしていると、ほどなく2人到着。機材を運び込み、今夜の段取りの打ち合わせ。何せ今夜のマスピライヴはOffice Green Planet仕切りなので、僕もスタッフ。なのに、今夜が初の打ち合わせ参加。って当日だし。大丈夫なのか…。

ライヴが始まるとたぶん食事できないので、準備前に今夜のスペシャルメニュウ『マスターピース・プレート』を頂く。

美味。

19時に桃園文庫の通常営業が閉店し、バタバタと機材のセッティングや座席の移動を始める。と同時に、久しぶりのマスピライヴにテンションは上がり始め、「いやいや今夜はただの観客気分ぢゃいけないんだ」と気持ちを引き締める。

19時半。開場とともに(実は開場前からちらほら来ていただいていた)お客さんが。ryuuが受け付け、僕が席に案内する。
なるべくたくさんの人に聴いてもらいたかったので、店内ぎっしりに席を敷き詰め、ホールは狭い。1人が歩く回るのが精一杯なので、レストランでバイトしていた頃以来、約10年振りにホールを担当。つっちーが準備してくれた緑のエプロンをキリッと締めて、今夜のライヴを心から堪能してもらうために動き回る。

20時を少し回り、ライヴが始まった。



店内はぎゅうぎゅう満員。繰り返されるオーダー。そして、何よりも変わらないmasterepeaceのうた、MC、世界。そこに確実に加えられた小笠原での経験。

正直、前半は自分の仕事で手一杯で、ライヴを楽しむどころではなかった。でも、今回はそういう役回り。お客さんたちがうっとりとマスピのうたを聴いているのが嬉しく、なるべくそれを邪魔しないように接客する。
オーダーも落ち着いた後半、ようやくマスピの音楽に浸る。『spiral days』に自然と身体は揺れ、力強い『DAYS』に震え、嬉しいアンコールの最後に演奏された『monogatari』をいっしょに口ずさむ。

スタッフとして臨んだmasterpeaceライヴ。その分、2種類味わえたかな。
反省点多々あれど、なんとかおもてなしできたような感覚。純粋に、生で身体に染み入ったうた。

来てくれた方々、桃園文庫さん、つっちー、okunoくん、ryuuくん、その他たくさんの人が支え合って、協力して、素敵な夜を作り上げる。こういうのって、素敵だね。

また、いつかの夜に。

こもれび

2008-10-30 | stage
仕事を終えて原宿へ。ryuuと落ち合って、久し振りのRay of Lightのカフェライヴへ。
女性2人によるコーラスユニット。ステージの最前列の席に案内されて、30分の休憩をはさんで、30分ずつの2ステージ。オリジナルからカヴァーまで、相変わらず心和む美しいハーモニーに酔いしれる。

森山直太朗のオリジナルに大胆にコーラスアレンジを施した『さくら』が、曲自体の強さもあって特に秀逸。
彼女たちの歌声はただ美しいばかりではなく、力強さもある。緑の木立から優しく、でも力強く射す木漏れ日のような。それにオリジナルの詩の世界には独自性もあるし。もっと知られてもいいのにな。
個人的に大好きな『僕の声』(ママのお腹にいる子供の目線から歌われる素晴らしいラヴソングだ)が2回も聴けて大満足。

場所を代々木上原に移して、五行で焦がし醤油麺を食べる。

焦がし風味という独特な味わい。なるほど。でも、期待が大きすぎたのか、ちょっと微妙。

「焦げとるがな」とか軽口を叩きながらも、ryuuと久しぶりにゆっくり話す。
人は他人と付き合って生きていく以上、自分の思い通りばかりには生きていけない。でも、なるべく思った通りに生きたい。理解し合える人間と出会い、付き合っていけるのは幸せなことだ。でも、もちろんそんな人ばかりではない。だからこそぶつかり合い、思いやり、寄り添い、分かれゆく。
人生、単純なようで複雑、複雑なようで単純。
でも、やっぱり自分も他人も尊重して、自然に生きていきたい。

朝晩は急に寒くなった秋深まる夜。
ryuuと話すと、僕もいろいろと考えさせられるから嬉しい。

名を継ぐ

2008-10-19 | stage
親戚にチケットをお願いして新橋演舞場へ、『桂小米朝改メ五代目桂米團治襲名披露公演』へ。
10月4日に京都の南座でスタートした襲名披露公演は11月27日大阪サンケイホールまでまだまだ続く。東京は今日のここ新橋演舞場と立川市の市民会館。
米朝一門からはもちろん、毎回東西の実力派の噺家が花を添える。

今日の最初を飾るのは米朝一門から桂吉弥。勢いの良い『時うどん』は爆笑を誘い、初っ端にふさわしい威勢の良い噺。さすがに若手の実力派。面白い。
2番目に東京から春風亭小朝。ネタは『桃太郎』だけど、こまっしゃくれた子供のこまっしゃくれ振りを現代の子供っぽいエピソードへと大胆にアレンジされていて、まぁこういうのもありだし小朝らしいんだけど、う~ん…。
そして米團治の兄弟子でもある桂ざこば。噺は『肝潰し』。噺は意外としっかりしているけれど、やっぱりマクラが最高。
中入り前の最後は関西の重鎮、桂春團治。さすがの高座捌きで『高尾』を艶やかに。米朝とは共に上方落語の復興に努めた四天王の一人だが、六代目笑福亭松鶴も五代目桂文枝も亡くなってしまい、米朝も最近はネタをやらなくなってしまった中、まだまだ健在の貫禄の高座。観られて良かった。

中入り後の口上。今日はこれだけの登場、桂南光が司会。
しかし、居並ぶ噺家は豪華そのもの。口上した順に、桂米朝、桂ざこば、春風亭小朝、柳家小三治、桂春團治。
ところどころに厳しい言葉やくすぐりを入れながら、上方の大名跡を継ぐ新米團治へのエールを。
中でも実父米朝はやはり師匠の顔と父の顔が見え隠れする、少し照れたような口上。
ナマ米朝は久しぶり。今日は高座には上がらなかったけれど、年を取って後輩や弟子たちにもくすぐられる愛嬌のある風情がこの一門全体にも染み渡っていて、それはざこばや南光や米團治、亡くなった枝雀を見ればよく分かる。伸びやかで、生き生きとした芸。
やっぱり好きだなぁ、この一門。

そして、楽しみにしていた小三治。ネタは『道灌』、のアレンジバージョン。短縮バージョン?
調子が悪かったのだろうか。気持ちが乗らなかったのか。今ひとつ。残念。
トリはもちろん五代目桂米團治。噺は『蔵丁稚』。
芝居言葉も心地良く、若さ溢れる気持ちの良い高座。

米朝は自身の名が大きくなりすぎたこともあり、米團治を継がなかった。その名を、自分の子が継ぐ。
歌舞伎とは違って、落語は世襲で名を継ぐばかりではない。だからこそ、それぞれの代に個性があって、でもやっぱり名前にはそれぞれの共通するイメージもあって、それが継がれていくのが面白い。
襲名披露公演はいつだったか谷中の全生庵での三遊亭小円朝襲名以来だけど、出演者にも客席にも祝福ムードがいっぱいでいいね。

Lyrical Lilies

2008-09-21 | stage
夕方から四谷に出て、黒田百合さんのワークショップ『Lyrical Lilies ~コトノハ舞踊~』を観る。

「コトノハ」とは「言葉」であり、つまり「言の羽」なのだ。
「言葉」は人間独自のとてもよくできたコミュニケーションツールではあるけれど、それはあくまでも「記号」であり、「伝えたいこと」を代理して表す役割しか担っていない以上、完全無欠のコミュニケーション手段ではありえない。
そんな「言葉」とはある意味対極の位置関係にあるフィジカルな表現方法「ダンス」を踊る黒田百合は、そんな「言葉」の不完全さを知っていて、でも敢えてそれを「言の羽」として解き放つ。
全曲邦楽というコンセプトによって観客が歌詞から得られる「言葉」の情報を解体し、また補強して、黒田百合は全身で「言の羽」を発する。
「言葉」の強さも弱さも、強固さも曖昧さも全てひっくるめて、彼女の身体全部からそれは伝えられる。
だから、心は震える。響く。

しかしまぁ、黒田百合さんの存在感はすごい。
ぬっと(本当に「ぬっと」出てきたのだ)現れたときの衝撃、それに続いて舞い踊られるダンス。
速いとか、切れがある、とかいう次元じゃない。
彼女の身体は、頭の先から爪先まで、睫毛の先から髪の毛の一本一本まで、黒田百合によってコントロールされている。黒田百合による、圧倒的支配。まさに圧巻。

終演後の食事にずうずうしくも参加させてもらった中で、お仲間の誰かが言っていた。
「黒田百合は、黒田百合っていうジャンルなんだよ」
その通り。

今度は本当に大きな舞台を観てみたい。