障がいのある子どもと大人の支援 ~分かり合えると問題解決の道が見えてくる~

このブログは、障害児・者の心を大切にした対人援助技術「心のケア」を学び実践しているメンバーが集まり投稿しています。

気持ちに寄り添う

2023-05-29 22:48:48 | 日記

こんばんは

まきこっこです。

本当にひさしぶりの投稿です。

 

今日の送迎の送りの時のことです。

20代の男性で感情のコントロールがうまくできない方がいます。薬の影響でろれつが回らない感じはありますが、言葉でのやり取りは十分できる方です。うれしくなると度を超してはしゃいでしまい、相手に不快な思いをさせてしまいます。それを伝えると「僕って悪い子ですか?」と聞き続けて、職員がどのように返答しても受け入れてもらえず最後には暴力になってしまいます。また、否定的な言葉をかけられた時も、同様のことが起こります。その暴れ方は相当なものなので器物破損を伴うことが多いです。普段はお母さまの職場が近くなので、送迎はお母さまなのですが、ショートステイに入る時だけ事業所の送迎を利用します。そのスイッチがどこにあるのかわからず、突然に怒り出すこともあるので彼の送迎は運転手だけでなく添乗もつけることになっています。

今日の送りは私が添乗でした。

ハイエースに5名の他の方も乗せ、出発して5分後くらいでしょうか。一番後ろの席に座っていた彼の怒鳴り声と窓を叩く音が聞こえました。私は前の席に座っていた女性の隣に座っていましたが(彼女も本日ちょっと心が揺れることがあり他害してしまっていたのでそのケアをしていました)すぐ後ろの席に向かいました。窓を叩き続け、自分の帽子や荷物を投げ「○○(運転している男性職員の名前)のばかやろう!うるせえんだよ!」と叫んでいました。怒りの対象が私ではないことを確認できたので、きっと乗車時に男性職員とのやり取りで何かあったのだろうな、と予測し、彼の隣まで行き視線を合わせました。私が近くに来ると窓を叩くのをやめ一瞬静かになったので「隣に座ってもいいですか?」と聞くと返答はありませんでしたが、拒否する言葉もなくぶつぶつと男性職員への暴言を続ける様子でしたので「座らせてもらいますね」と言って隣に座りました。斜め前に座っていた男性が彼の投げた帽子と荷物を拾って渡してくれたので、お礼を言って受け取り彼に渡すと黙って受け取りました。その後しばしの沈黙があり「まきこっこさん。ごめんね」と小さな声で私に謝りました。「いいですよ。だって嫌なことがあったんでしょう?」というと「そうなんです」といい、またしばらくの沈黙がありました。男性職員は路肩の広い場所に車を停め、後ろを振り返りました。頓服の服用を考えていたようなので、「大丈夫です」と声をかけました。前の席に座っていた女性が「まきこっこさん!CDプレイヤー買ってもらったの!」と突然話しかけてきました。「それはよかったね。好きな音楽聞けるね。ヒルクライムとか西野カナとか?」と私が答えると、彼が「ワンピースとか」と話しに入ってきました。彼女がワンピースのアニメが大好きなのを知っていたようです。アニメの話で他の利用者さんともしばらく会話を楽しみました。最初に降りる方の家に着き、男性職員が車を停めたタイミングで「〇〇さん。ごめんなさい」と彼は小さな声で言いました。男性職員に向けて言ったようですが聞こえなかったようですぐに降りて行ってしまいました。「残念。聞こえなかったみたいだね」せっかく勇気を出して言葉にしたのに、がっかりしないように現状を解説しました。再度男性職員が車に乗り込んだ時に、先ほどと同じくらいの声量で「○○さん」と呼びかけました。男性職員がこれも聞こえなかったのか、反応しないようにしているのかわかりませんが一向に振り向いてくれないので、彼に「ちょっとお手伝いしようか?」と聞くと「はい」と返事があったので、大きな声で「○○さん!彼がお話があるって!」と言いました。さすがに知らん顔できない男性職員が振り向くと「○○さん、ひどいことをいってごめんなさい」と謝りました。男性職員は「別にいいですよ。ショートにいったら先にご飯たべるの?それともお風呂がさきなの?」と仲直りより先に話をそらす方を優先するかのような返事で、私としては(せっかく勇気出して謝っているんだから、ちゃんと答えてくれ~!)とちょっと不服でしたが、謝れたことで彼が少しほっとした様子だったのでよしとしました。そして笑顔でショートステイ先に向かうことができました。

彼はいつも自分の感情に振り回され、やってしまったことに後悔しています。でも自分の何がいけなかったのか理解することが難しく、ただ謝罪をもとめられたり叱られたりすることが続き、余計に混乱して怒りを爆発させてしまうように感じていました。なので今回は何があったのか、特に掘り下げて聴くこともせず、ただ彼の思いにだけ寄り添うようにし、心も体も隣にいるように心がけました。気持ちが落ち着けば、ちゃんと自ら謝罪のできる素晴らしい彼をもっと信用しお付き合いしていけるようになりたいなと思いました。

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿