障がいのある子どもと大人の支援 ~分かり合えると問題解決の道が見えてくる~

このブログは、障害児・者の心を大切にした対人援助技術「心のケア」を学び実践しているメンバーが集まり投稿しています。

一呼吸おいてみる

2022-06-10 08:44:53 | 日記

こんにちは

まきこっこです。

 

前置きすると長くなっちゃうので、できるだけ簡潔にいこうと思います。

若い女性の利用者さんで、彼女は好きな職員といることを好みます。これまでの人生、うまくいかないことだらけで、相当気持ちがやさぐれており、「どうせ私は何をやっても悪い子なのよ!」と言わんばかりに、気持ちがあふれると、他害したり、物を投げたり壊したり。建物が揺れるかと思うほどの大声で叫んだり。なにせ周りに与える影響が大きいので常に個別対応の職員がついており、それでも好きな職員を探して施設内を歩き回り、見つけると執着して大きな行動に出ることが多いので、職員交代しつつ、複数の職員で見守りつつ、の支援を行ってきました。

 

私は、というと、彼女のまあまあ好きな職員に位置しているようです。放課後等デイサービスの頃一緒に過ごしたこともあり、気を許せる相手ではあるけれど、大好きな職員に会いたい気持ちのが大きいという感じでしょうか。

彼女は午前中に好きな職員を執拗に探して回ることが多く、好きな職員となら自室で過ごすことができますが、他の職員だとそうはいきません。午後は比較的落ち着き、どの職員とも穏やかに過ごせる時間も増えてきています。私は午後の対応は問題なくできますが、午前中となると、自室で落ち着いてもらうことができす、施設内を他利用者や職員を緊張させながら、一緒について歩き回り、好きな職員に遭遇してしまうと、短い時間一緒にいてもらうか、交代するか、その都度彼女の反応を見ながら決めて対応する感じです。もちろん、彼女が歩き回ってる間、彼女の意図を組み、気持ちを察しながら声をかけ、周りの人にも理解してもらえるように努力はしていますが、私の中に「自室で落ち着いて過ごさせてあげられない。私ではだめなんだ」という劣等感ともいえる気持ちが存在していました。

ああ~やっぱり前置き長くなってしまいますね(ノД`)・゜・。

 

その、彼女の午前中の対応に入った時のことです。

案の定、すぐホールへ出て歩き回り、好きな職員に遭遇して、その職員さんに誘導してもらって自室に戻りました。その職員としばし一緒に過ごした後、その職員さんは「他のお仕事があるから、行ってくるね。終わったら来るからここで待っていてね」と言って去っていきました。いつも納得して手を放すことができても、三分ともたずに再び探しに自室を出て行ってしまいます。その日も課題を勧めるとほんの少しやり、その後タブレットの鑑賞を始めましたが、すぐに立ち上がり、好きな職員を探しにホールへ出ました。再び好きな職員さんに誘導され自室へ戻りタブレット鑑賞をはじめ、同じように説得され、その職員さんは持ち場へ戻っていかれました。

私は横に座りながら「どうせすぐ行ってしまうんだろうな」と思いながら、ふと、自分が苦手意識を持って接していることに気が付きました。午前中は私には対応できない、そう自分で決めてかかっているのだな、と。もしかしたら、自分とでも落ち着いて課題をしてくれることもあるかも知れない。そう思い直して一呼吸置き、課題のシール張りを手に取り、彼女が好きそうなシールを選んでは箱に入れる、という選別作業を始めました。その間彼女は振り向きもせずタブレットを見ていました。5分ほどたったころ、彼女がふいに私が持っているシールを手に取り眺めると台紙に貼りました。私は嬉しくなりましたが、特に声掛けはせず、次のシールを手に取ると、それも持っていき台紙に貼りました。その後、箱に入っているシールを順番に台紙に貼っていき、そのまま作業終了時間まで続けることができました。

約束通り、好きな職員さんが作業終了後に現れても、飛びつくこともなく穏やかに迎え入れ、彼女の横のポジションを交代すると、笑顔で私に手を振り、頭を突き出してきました。頭をなでて褒めて欲しい時の彼女のサインです。「作業ちゃんとできて偉かったね。私もうれしかったよ。」と伝えその場を去りました。

 

午前中の対応に入る時、いつも私はうまくいかないことばかり予想して、そわそわしていたのかも知れません。彼女が落ち着いていられそうかどうか、感じることもせず、自分も自分が落ち着いてないことに気が付きもせず。

一呼吸おいて、焦らずにいこうと思ったことで、彼女との間にゆったりした時間が流れているのを感じられました。本当に幸せな気持ちになりました。

今後も結果ばかりを追い求めず、一緒にいる時間を大切にしようと思いました。


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