きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

中華料理店で

2022年04月18日 | CORONA
週末の午後2時過ぎ。
用事をすませたあと、お腹がすいたので、久しぶりにデパート内のレストラン街へ行ってみました。

コロナ禍以降、外食はほとんどしていません。

混雑のピークは過ぎたのか、どの店も空いており、中華料理店へ入りました。

案内されたのは、3人組の高齢女性グループの隣のテーブル。
店内を見渡せば、ひとりで食事しているお客さんが他に2-3人。
隣り合わせにならずにすむテーブルが他にたくさんあるのになあ・・・と少々不安になりつつ、案内された席に着きました。

こういう不安感は、以前もよく感じていました。
受動喫煙防止対策がきちんと行われていなかった頃の話です。
近くに喫煙者がいたら(来たら)・・・という不安です。

隣のテーブルの仲良し3人組は食事中も会話に花が咲いています。
ちらりと拝見したところでは、70歳代のグループと思われました。
こういうときの話題はたいてい病院・健康関連と決まっています。

「入院なの?それとも日帰りなの?」

3人のうちのおひとりが、通院中の病院で詳しい検査をすすめられたようですが、ご本人は詳細が理解できていないようです。

「自分のことなんだから、人任せにしてはだめよ。先生に聞けばいいじゃない?」

「事前にお勉強していかないから、質問ができないのよ。先生はずっとパソコンのほうを向いたままで、こっちをぜんぜん見ないし・・・」

「そうなのよねえ!」


よく聞かれる「病院あるある話」です。
そしていつのまにか話題は新型コロナへ。

「どんなに気をつけていたって、かかるときにはかかるでしょ?しかたないわよねえ。アハハハ(笑)」

彼女達は、食後のコーヒーを飲み終わってもマスクをせず、そのままおしゃべりを続けています。
テーブルとテーブルの間には一応アクリル板が設置してありましたが、こんなおしゃべり好きな彼女達がもしウィルスを持っていたら、私はおそらくエアロゾル感染してしまうでしょう。

世の中の人の言う「気をつけている」は、やはりこの程度か・・・と、席に案内された時の不安が的中し、せっかくの食事の美味しさも半減してしまっていた私は、心の中で毒づきました。

店は、新型コロナ感染防止対策について、自治体が「安心認証」していると表示されています。
入店時には店員さんが手の消毒と検温をするように説明していましたが、入店後の客の振る舞いについては、全く進言がありません。

ワクチン接種の効果で、新型コロナに感染しても重症化しづらくなっていますが、高齢であったり、高血圧や糖尿病などの持病があると、内蔵機能が落ちていて「余力」がないので、感染を契機に亡くなることもあります。

医師としては黙って見過ごすわけにはいきませんでした。
ですから、頃合いを見計らって、となりのお姉さま方に「マスクをしてください」とお願いしました。

幸いなことに「あっ、いけない、忘れてた!」という顔をして、すぐにマスクをつけてくださいました。

「みんなで対策」でなければ、公衆衛生効果はあがりません。




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