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きんえんSwitter

医者の心の目で日々を綴ります

認知機能が低下する前にしておくべきこと

2025年06月11日 | ヘルスリテラシー
更年期障害がひどかった時期、精神的に随分不安定になりました。

ホルモンバランスが急激に変化するためです。

ちょっとしたことでパニックになり、物忘れもひどくなったので、メモ帳に色々なことを書きなぐっていました。

メモだけではことたりず、調味料や洗剤など、買い足さなければならないものがある場合は、それらの空袋やラベルを玄関のドアに貼り付けたりもしていました。

家や車の鍵は失くさないように鈴をつけて、大きなカラビナにひとまとめにして持ち歩くようにしていました。

お金の管理についても不安を覚えたので、通帳や年金手帳、保険の書類などを引っ張り出してきて、整理しなおしました。

仕事上でも大きなストレスをかかえていて、人生で最低最悪な時期だった、と思い返しています。

今では落ち着いた生活を取り戻していますが、時間が止まったわけではありません。
確実に年をとっていっています。

最近では、将来、認知機能が低下してもなるべく困らないようにするために、今からどんな準備をしておくべきか?といったことを考えるようになりました。

そんな話を周りにすると、「いやいや、まだ早すぎるでしょ!」と一笑されますが、医療現場という職場で多くの高齢の方々を見ていると、人生最終段階の準備である「終活」よりも、その時期を迎える前の段階の「老活」の重要性を実感します。

今朝、NHKでこんなのを紹介していました。

60歳からのチーム作り
https://rcfg.keio.ac.jp/pahahul/2025/03/Building_a_team_from_age_60.pdf


断捨離も少しづつ行っています。
身軽になっておけば、いつでもどこでも、明るく自分らしく生きていける気がするからです。

先日は、使用していないお皿や器、タッパー、キッチン小物などを、大きな段ボール一箱分、寄付しました。
実家から持ってきて、そのまま食器棚の奥にしまいこんでいた洋皿の小さな花柄を目にした瞬間、子供の頃を思い出し、懐かしさで思わず泣けてきましたが、思い切って処分しました。




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歩く速さ

2025年06月05日 | ヘルスリテラシー
歩く速さは人それぞれ。

都会に住んでいる人たちのほうが速い気がします。

歩く速さは、その時の気分にも影響されるでしょう。

下肢の筋力が低下すると、速度が落ちます。

からだを動かすと、ハーハー、ゼーゼー、苦しくなることを、医学用語では「労作時息切れ」と言います。
心不全や呼吸不全の状態を疑う症状のひとつです。

特発性間質性肺炎という病気は、酸素を取り込む機能が著明に低下するので、じっとしていればそれほど苦しくないのですが、歩いたりすると、とたんに低酸素の状態となって、ものすごく息が苦しくなります。

残念ながら特効薬はないので、病気が進行すると、酸素を吸いながら生活しなければならなくなります。

酸素を吸っている人に限って、なぜか、せっかちな方が多く、「もっとゆっくり歩きましょう」と言っても、「どうせ苦しくなるなら、速く済ませちゃいたいから」などとおっしゃって、額に汗かきながら、苦しそうにしています。

「自分にとっての通常の歩行速度」というのは、案外からだに染みついてしまっているのものなのかもしれません。


きょうも、在宅酸素療法を使用しながら通院している患者さんを見かけました。
駐車場から休み休み歩いてきたということでしたが、むしろ苦しくて休まずにはいられないといったところでしょう。
苦しくならないようにするには、ご本人が思っている以上に、もっともっとゆっくりと歩く必要があります。

採血を終えて診察室に向かう彼にむかって「天皇陛下みたいに、ゆったり歩きましょうね」と声をかけました。

周りにいた検査技師さんたちに「そんなアドバイスの仕方、初めて聞きました!」と驚かれました。


患者さんたちは、今のご自分の状況をとても残念に思っています。

「もっとゆっくり歩かなくちゃだめじゃないですか」などといった言い方をされると、よけいにつらい気持ちになると思うのです。

患者さんがイメージしやすく、かつ、受け入れやすいアドバイスのしかたはないものだろうか?
呼吸器内科医として長年、慢性呼吸不全の患者さんと向き合ってきて、おもいついたアドバイスです。









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喫茶店のナポリタン

2025年06月02日 | ヘルスリテラシー
先日、突然、ナポリタンスパゲッティーが食べたくなりました。
昭和時代の喫茶店風ナポリタン。
ケチャップでギラギラと光ったオレンジ色の憎いやつ。

実は、そんなナポリタンが自分で作れることを最近知りました。
生めんで作る焼きそばがありますが、あれのナポリタン版を見つけたのです。

これが実においしい!

パスタ麺はゆでたあとに、一晩冷蔵庫で寝かせてから作ると、もちもちして美味しいのだそうですが、その手間をかけずして、ウィンナーや玉ねぎ、パプリカ、エリンギなどを投入して作ると、感動的に美味しいナポリタンができちゃいます。

今でも探せば、美味しいナポリタンが食べられる昔ながらの喫茶店が、近所にあるかもしれません。

ただ、唯一心配なのが、そういうお店が完全禁煙になっているかどうか、です。
私の中では、昭和時代のノスタルジックな喫茶店は、紫煙と強く繋がってイメージされています。

私の母は隣町のデパートに買い物に出かけた際、ある喫茶店によく立ち寄っていました。

私はいつもその店ではオレンジジュースを飲んでいたので、私は店主のことを「ジュースのお姉ちゃま」と呼んでいました。

その頃はまだ喫煙者だった母。
タバコを吸いながら1杯のコーヒーを飲み、店主とつかの間のお喋りを楽しんでいるようにみえましたが、タバコが吸いたかっただけなのでしょう。


今から思うと、昭和の時代に育った子どもたちは、ずいぶんと受動喫煙をさせられていたわけですね。

令和時代の子どもたちは、安全な環境で健やかに育ってもらいたいものです。






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居酒屋ランチ

2025年05月28日 | ヘルスリテラシー
休日に居酒屋風の和食の店でランチを食べて以来、体調不良が続きました。

吐き気や腹痛というのはないのですが、なんとなく胃のあたりが重苦しく、ずっと寝ていたいと思うほどの体のだるさがあって、二日間ほどしんどかったです。

一緒に食事をした者も同様に具合が悪くなったので、店での食事が原因だと思われます。

色々と考えてみたところ、恐らく揚げ物に使われていた油が、悪さをしていたのではないかという結論に。

古くて酸化した油を摂取すると、食中毒のような状態になります。
油が酸化すると有害物質が発生するからです。

酸化した油は色が濃くなり、独特の臭いがして、粘度が高くなり、その油で調理した揚げ物の風味も損なわれます。

繁盛しているように見えたお店ですが、それだけに、揚げ物用の油を変えずに使い続けているのではないか?!と訝ってしまいました。

そうでないとしても、年齢的に、揚げ物は控えたほうがいいのかもしれません・・・
              

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女性とタバコ

2025年05月22日 | ヘルスリテラシー
昨日、カレー屋で夕食をとりました。

店内はお客さんがたくさん。

隣に座っていた7-8人のグループは、聞こえてくる話の内容から、職場の仲間同志のようでした。

ナンを食べると、いつもおなかがいっぱいになって、いつも後悔しますが、おいしいので、時々食べたくなります。
マンゴーラッシーを頼んでいないのに、サービスされました。

また行くと思います。

さて、そろそろ帰ろうかと思ったときに、となりから「禁煙」について話をしているのが聞こえてきたので、席をたてなくなりました。

「えーっ、禁煙支援事業に申し込んだの?!」

「防衛庁に出向していた時は、喫煙所があったから、助かったんだけど。自衛隊員は喫煙者多いんですよ。体力使うのになあ・・・」

自衛隊員とその家族は免税額でタバコが購入できる、という話を元自衛隊員さんから聞いたことがあります。
国が喫煙を推奨しているわけです。
国民に知らされていない不都合な事実は、この世にたくさん存在しているのだろうと思わされます。


カレー屋で会食している職場の同僚グループが、ひとしきりタバコについての話題で盛り上がったあと、30代前半くらいの女性がふとつぶやきました。

「私、昔は吸ってましたけど、いまはやめました」

「そうなの?どうやってやめたの?教えてほしいなあ」と、職場の禁煙支援事業に申し込んだという男性。

すると彼女がきっぱり言いました。

「男が原因でタバコを始めて、男が理由で禁煙したんです。女性のタバコには男性ありき、なんですよ」

久しぶりに名言を聞いた感じです。

そういう私は、大学時代のボーイフレンドの喫煙がきっかけで、禁煙治療に興味を持つようになりました。

でも彼女は、タバコを完全にやめたわけではないようです。

「アイコスでも、吸っていたらわかっちゃいます?」

「そりゃあ、わかるよなあ。タバコ吸ってない人からしたら、臭いもんな!」

「そうなんだ・・・」

彼氏にタバコを吸っていることを知られたくなくて、でもやめられないので、ニオイが少ないと広告されている加熱式タバコに切り替えたといったところでしょうか。

昔のオトコに勧められて始めたタバコの呪縛からまだ解放されていない・・・なんて悲しい話でしょう。

アジアの女性たちは、欧米の女性たちに比べて喫煙率は低いのですが、喫煙関連死亡が多いという研究データがあります。
受動喫煙の影響が考えられます。

女性たちはもっと賢いはずです。
男たちに人生をダメにされてしまうなんていう現実を、許していてはいけません。











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迎春 

2025年01月05日 | ヘルスリテラシー
明けましておめでとうございます

2025年も、ぼちぼちと、気負うことなく、徒然なるままに、書いていこうと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。


クリスマス時期から年始にかけて、欧州で過ごしていました。

オーストリアでは、大晦日に翌年の幸せを願って、てんとう虫を模したチョコレートを食べます。

大晦日には、ナスとマッシュルームのあたたかいおつゆで、日本から持参した乾麺のお蕎麦を茹でて食べました。

帰国直前に、風邪をひいてしまい、お正月は自宅でゴロゴロ、のんびり。
からだを休ませながら過ごしていました。

おせち料理もお雑煮もないお正月でしたが、休日の最終日に、けんちん汁を作りました。

冬になると、食べたくなるのがけんちん汁。
子供の頃から、1月にはよく食べていたように思います。



鍋いっぱい、たっぷり作ったので、疲れて帰宅しても、すぐに夕飯にありつけます。

味見した瞬間、思わず「うまーい!!!」

牛蒡、人参、大根、蓮根からの出汁が胡麻油と調和して、本当に美味しくできました。

味見だけでは我慢できず、小さなカップにスープをよそって、何杯もぐびぐび。

2025年に乾杯!














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50パーセントの確率

2024年12月16日 | ヘルスリテラシー
日本人の二人にひとりが、がんになる時代。

がんの最大原因はタバコであることは周知の事実です。

ですから、禁煙治療や子供たちの喫煙防止教育に力を入れてきました。

でも、タバコをみずから吸っていない、あるいは吸わされていない環境にあっても、がんになる場合もあります。
原因はすべて解明されているわけではないですから・・・

日本人の死因の第一位はがんですが、おそらくこれは長年喫煙率が高かった影響があると思われます。
タバコを吸う人は減ってきていますから、今後は死因の順序が変わってくる可能性はあります。

でも、現代に生きている私たちにとっては、がんになる確率は50%。
「丁か半か」の博打やコイントスと同じです。

中年以降は、定期的な健康診断が重要になってきますね。

欧米では費用対効果が低いということで、検診については否定的な意見があります。
日本のような国民皆保険制度でない国は、状況が違いますから。

検診を受けていても、残念ながら、がんが進行した状態で見つかることもあります。

なにがベストと考えるかは、人それぞれです。
けれども現実的には、考えてさえいない人がほとんどではないかと・・・

防災訓練と同様、シュミレーションをしておくと、いざという時、パニックにならずにすみます。

充分準備しているつもりでも、実際はシュミレーションどおりにいくとは限りませんが。

それが人生というものかもしれません。









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朝からドキドキ

2024年12月03日 | ヘルスリテラシー
マンションの立体駐車場は、朝の出勤時間や帰宅時間など、混雑することがあります。

誰にも会わないこともあれば、今日のようにすでに3人が順番を待っていたり・・・

出庫後、いったん車を降りてゲートを閉めようとしているとき、変な動きをし始めた車がいました。

嫌な予感がしました。

すると、予想したとおり、バックしてきた車が私の車にぶつかりそうになったので、瞬時に相手の運転席側のドアを両手でバンバンと平手打ち!

私が危険予測能力を働かせ、最悪の状況を想像し、ゲートが降りきるのを待っている間その車から目を離さずにいたおかげで、見事、事故を防ぐことができたわけです。

朝から胸がドキドキしてしまいましたが、頭と体がうまく連携して、いい動きができてよかったと思いました。

昨日も、ジムでマシンを動かしている間にスマホをポケットから落とした人がいました。
すぐに拾わずにいるのは、筋トレが終わったときに拾うつもりなのか、あるいは落としたことに気づいていないのか、どちらなんだろうと考えながら横目で見ていましたら、その人はスマホを拾わずにマシンを離れていこうとしたので、「スマホ落としましたよ」と教えてあげました。

      

「もしも~~したら」とか、「もしかしたら~~かもしれない」とか、いろいろな状況のイメージトレーニングを普段から心がけていると、予知能力が鍛えられて、危険を回避する助けになるらしいですよ。



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頭痛・肩こり・眼精疲労

2024年11月29日 | ヘルスリテラシー
このところ、首や肩がやたらと痛み、頭痛までするので、仕事を半日休んだりしていました。

先週末、新型コロナウィルスのワクチンを接種して、発熱や頭痛がありましたが、いったんよくなったのに、再び具合が悪くなったので、ストレスかなと思いました。

私は、心理的ストレスがかかると、肩こりや頭痛がしてきます。

ジムで汗を流し、お風呂に入って体をあたため、肩に湿布をはり、鎮痛剤を飲んで早めにベッドに入りましたが、症状は改善せず。

目の奥も痛いので、眼精疲労かもしれないと、パソコンやスマホをなるべく見ないようにもしました。

とはいっても、つい見ちゃうんですよねえ・・・

久しぶりに、大好きなアメリカの指揮者で音楽教育者でもあるベンジャミン・ザンダー氏の公開レッスン動画を観ました。

彼の授業は、毎回感動して泣いてしまいます。
彼の教育者としての姿勢を、心から敬愛しています。

今回も、先生が息切れしながらも全力で指導している様子や、生徒や聴講者の幸せそうな笑顔を観ていたら、うるうるしてしまいました。

そうしたら、ああら不思議!
頭痛が軽くなっているではあーりませんか!

眼精疲労からくる頭痛は、「ドライアイ」が関係しているかもしれないと気づきました。
もちろん、音楽授業によるリラックス効果もあったと思います。

仕事帰りにドラッグストアで目薬と肩こりと眼精疲労に効くというビタミン剤を買って帰りました。

ベンジャミン先生、ありがとう!



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定期健診

2024年11月18日 | ヘルスリテラシー
弾いていてちょっと違和感があったこともあり、チェロを弦楽器職人さんに診てもらいました。

違和感は、駒(ブリッジ)に弦が食い込んできていて、弦の高さが変化しているせいでした。
ミリ未満の微妙な変化でも、演奏に支障を生じます。

駒を削って、4本の弦の高さとカーブのバランスを良くしてもらったら、弾きやすくなりました。

チェロの場合、弦1本あたり10kg前後の張力がかかっており、本体もパーツもみんな木でできているので、温度や湿度などの影響をすごくうけます。
季節の変わり目には、楽器の機嫌も変化しているのがよくわかります。
人間と似ていると感じます。

今月はインフルエンザとコロナのワクチン接種を行い、人間ドックも控えているので、ちょっと気持ちが忙しいです。

人間ドックでは不快でやりたくない検査もありますし、結果が心配な年頃でもあるので、楽しみにしているとは言い難いです。

でも、定期検査はやらなくちゃ。
楽器も車も人間も、みーんな一緒です。









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