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にじトピ

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本紹介4冊目:枡野浩一「ショートソング」

2007年08月11日 | 
【題名】ショートソング
【著者】枡野浩一
【出版元】集英社文庫
【発行日】2006年11月25日(2007年6月6日・第6刷)
【価格】524円(税別)


2007年、集英社文庫恒例の企画「ナツイチ」に選ばれた一冊。
ナツイチといえば夏目漱石のような定番から、若者が読みやすい現代小説まで幅広く揃えているイメージがあります。
この作品は横文字のタイトルから連想できるように、青春・恋愛ジャンルになるようです。

この作品を手に取ったきっかけは、漫画です。
同じく集英社のスーパージャンプ(隔週発売)で、連載されている作品を読んで興味をもったからです。
漫画は小手川ゆあさんが手がけ、割とソフトタッチで読みやすい作品になってます。
今回は原作についてのレビューなので、漫画の詳細はあまり触れないでおきます。

主人公は、2人。(だと思っているんですが、解釈は人それぞれかも)
一人は、イケメンだけど童貞な国友克夫。
もう一人は、メガネの似合うプレイボーイ、伊賀寛介。
そんな相反する二人の接点は…短歌。
この作品のタイトルは、短歌をそのまんま直訳したもの。
(ちなみに、goo辞書で検索したらtankaで通じるみたい)
短歌の世界を知った初心者の国友に対し、鮮烈デビューを果たしている天才歌人の伊賀は興味を持っちゃうわけです。
これだけ読むと、どこが青春で恋愛なの?という気もしますが、二人の若さがよく描かれているし、チェリーボーイとプレイボーイのぜんぜん違う視点で描かれる恋模様ってのがなかなか面白いわけです。

この作品は、いろいろ新しい世界を開いてくれました。
まずは、短歌の世界。
古典とか苦手だし、五七五七七の文章の意味を理解できるのか?なんて思っていたら。

ミラクルで奇跡みたいなミラクルで奇跡みたいな恋だったのに

何!この「松島や ああ松島や 松島や」みたいなのは…
でもなんだか、すごく引っかかる。最後の「恋だったのに」というフレーズが。
そうすると、前の繰り返し言葉がすごく意味のあることのように思える。
これだけじゃありません。

一人きりサーティワンの横で泣き ふるさとにする吉祥寺駅

えぇ!サーティワンって、あのアイスクリームの?
そんな横文字を入れていいのかい?
…僕の持つ短歌のイメージが、一気に崩れた瞬間でした。
同時に、現代言葉の短歌の気軽さと深さにも気づかされた瞬間でした。

上の短歌に出てくる吉祥寺が、この作品のメイン舞台です。
そちらの方に住んでいる人ならイメージしやすいのでしょうが、あいにく一度もいったことがありません。
僕が吉祥寺といわれて連想するものといえば…

・ろくでなしブルース
・GTO
・楳図かずお

漫画ばっかりですねwしかも楳図さんは最近話題で知っただけだし。
ショートソングに出てくる吉祥寺は、喫茶店がメイン。
多分出てくるお店の名前とかは実在なんだろうけど、読んでるだけで行ってみたくなりました。
もともと喫茶店は好きなんだけど、あんまり一人で行くのも寂しいかなと思っていかないだけで。

この小説は、普通の小説とちょっと違うんです。
国友と伊賀が、交互に入れ替わって描かれる一人称の小説です。
これだけでもなかなか面白いスタイルだなと思っていました。
ところが、実はこの作品、もともとケータイでも読める作品だったようで。
しかも、作中に出てくる短歌は、枡野さんだけじゃなくて、ブログで投稿された作品が多いんです。
終盤に出てくる伊賀の連作(短歌をいくつか並べて、一つのテーマを持った作品にしたもの)なんかも好きですが、枡野さんの韻を踏んだ作品なんか割りと好きです。

いろいろ書きましたが、分かりやすく短歌の世界を紹介してくれる本です。
今回は、どんな人に読んで欲しいとかではなく、ちょっとした刺激が欲しい人には読んで欲しいですね。
ただ、ちょっと性描写がきついと感じる人もいそうなので、小中学生に読ませるにはちょっと早いかなって気もしますw
漫画の方は、そういうドギツイ表現は省かれています。
そもそも原作自体が「漫画のようにサクサク読みやすい」とレビューされることが多いので、まずは一度、手に取ってみてはいかがでしょうか。

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ショートソング (集英社文庫)
枡野 浩一
集英社

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本紹介3冊目:ゆうきゆう「『ひと言』で相手の心を動かす技術」

2006年08月27日 | 
【題名】「ひと言」で相手の心を動かす技術~精神科医がやさしくアドバイス
【著者】ゆうきゆう
【出版元】PHP文庫
【発行日】2004年1月21日(第1版第1刷)
【価格】495円(税別)

ゆうきゆうって何やってる人?という人も多いと思います。
検索していただければ早いのですが、精神科医をやっております。
僕がこの人を知ったのは、セクシー心理学というサイトです。
(厳密にはスーパーリアルRPGというコーナーがきっかけなんですが)
心理学を勉強した人なら分かるかもしれませんが、結構いろんな法則が多く、よほど興味がない人意外はつまづく学問です。
生半可な気持ちで「人間の心理が分かる勉強って面白そ~じゃん!」とか言ってる学生は、授業後期になると「単位取れればいいんだって」に変わってます。
ちなみに僕は、心理学の授業は履修しませんでした。教育心理学はやりましたけど、難しかったです。
話が脱線しましたが、ゆう先生は、書物やサイトを通して、非常にやさしく心理学を教えてくれます。
自分は難しく考えるのが苦手なので、具体的で分かりやすい説明が好きです。

この手の本は色々出版されていると思いますが、なんとなく上から目線のものが多いのではないかと思っています。
「こういう時は、こうしてみなさい」みたいな。
それも一つのテクニックなのかもしれませんが、合う合わないは人によって違ってきます。
なんでこういう現象が起きるのか考えたのですが、アドバイザーって基本的に一対一が殆どじゃないですか。
一対多数の場合、どうしても一般論を書かざるを得ません。
結局、十把一絡げの自己啓発書で終わってしまうのです。

この本だけに限らないと思いますが、ゆう先生の文体は、読者と対等目線です。
押し付けすぎないので、ふんわりと心に入り込んできます。

本書は、3つの章から成り立っていますが、1つ1つのエピソード(?)は短いので、気軽に読めます。
文章の始まりはシチュエーションクイズみたいになっていますが、見出しのタイトルがほぼ答えになっています。
なので一応、目次を読んだだけで、人の心を動かすテクニックはわかります。
素直に考えてみて、考えが近ければ自信が出ますし、もし違ったら本書のテクニックを参考にすればいいのです。

詳細は読んでいただくのが一番なのですが、僕が読んで気に入ったテクニックを一つだけ紹介。
楽しい時間を過ごした相手との別れ際にいう言葉は「自分から」がいいようです。
常に受身の自分は、相手が切り出すのを待って「またね~」っていうのが多いんですが、これは良くないみたいですね。
終わりよければすべて良しなんていう言葉もありますが、自分が主導権を握れば、相手により強い印象が残るようなのです。
このテクニックを二人同時にやると、『ありがとうございました~』って漫才みたいになってしまいます(笑)
相手との関係も考えて活用してみてはいかがでしょうか。

恋愛や仕事におけるシチュエーションが多いので、中にはピンと来ない人もいるかもしれません。
そういう人は、別の書物(HP参照)を読んでみるのもよいでしょう。

この本のタイトルは「相手の心を動かす技術」です。
読み終えた時、その効果をまず実感するのは自分自身になるはずです。
各エピソードの文末に、心を動かされる一言があるんですよ。
読み終えた時=心を動かされる一言を積み重ねて受け止めてきた時なのです。
一番動かされるのは自分の心で、結局相手の心を動かすには、まず自分の心が動かないとダメなんだなと気づきます。

特に次のような方にオススメしたいです。
・人と会話をするのがあまり得意じゃない
・好きな人がいて、もっといい関係になりたい
・仕事で売り込むのが苦手
・自分に自信がなく、マイナス思考になりやすい
・ドラクエが好き(ぉ

全部当てはまっちゃう人は、僕と似ている人かもしれません(^^;

最後のは何でかというと、本文にドラクエの話がでるからです。
ていうか、ゆう先生はゲームやマンガがお好きなようです。
ブログでも良く出てきます。

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「ひと言」で相手の心を動かす技術
精神科医がやさしくアドバイス PHP文庫


PHP研究所

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本紹介2冊目:星新一「ブランコのむこうで」

2005年05月09日 | 
【題名】ブランコのむこうで
【著者】星新一
【出版元】新潮文庫
【発行日】1978年5月25日(2004年11月15日・第43刷)
【価格】400円(税別)

本屋で何気なく見かけた、暖かくて柔らかそうな感じの表紙。
あんまり本は読まないほうなので、正直この作家さんは知りませんでした。
たまたま表紙が見えるように置いてあって、気がついたら手にとっていました。
パラパラとめくって、そんなに量も多くないので通勤時には手ごろなサイズです。

もともとのタイトルは「だれも知らない国で」であるとか、そんなことは読む上でどうでもいい情報です。
大事なのは、この本の舞台設定。
主人公は幼い少年。普通に暮らしているのに、突然夢の世界に引き込まれ…というのがこの本のあらすじです。
夢の国に入り込んでからの描写が、とても綺麗でした。
こういうゲームあるよね…ってドラクエ6だ!と思いました(w
現実の人が作り出す夢の国。いや、もしかしたら夢の住人が現実を作っているのかもしれない。
僕がこうして文章を書いているのは、実は夢の国の僕なのかもしれない。
そんな不思議な錯覚に陥ってしまうんです。

夢で出会う人の現実は、何か複雑な部分を抱えています。
そんな現実人たちを読み進めていくうちに、少年と同じ視点で物語を読んでいました。
素人観点ですが、これってファンタジーの基本じゃないのかなぁ?と思いました。
星新一で検索すると「ショートショート」「SF作家」というキーワードが見当たります。
この作品は、彼の中では特殊な作品なのかな?長編に分類されています。
作品の長さに関係なく、少し不思議なファンタジーワールドが展開されていくのです。
個人的には、次のような人たちに是非お勧めしたいです。もちろんそれ以外の人にもお勧めですが。

・夢を最近見なくなった人
・夢の世界と現実の世界の関連性を考えたことがある人
・自分の行動が他人にどう影響を与えるんだろう?と人一倍考えてしまう人
・ファンタジーな雰囲気が好きな人
・現実の世界に疲れを感じている人
・400円という文庫サイズなら飲み物我慢して読んでみよう。と思える人


夢の世界を次々と歩く少年は、行く先々の夢で、関わる人に何か影響を与えていきます。
その中で僅かかもしれないけど、見えない幸せを掴んでいくのかもしれません。

読み終えたあとは少しもどかしく、でもなんだかほんわかとした気持ちになりました。
自分が生まれる前に書かれた作品とは思えないぐらい、今の時代でも通じるお話です。
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本紹介1冊目:北海道のおいしいカレー108店

2004年12月18日 | 
【題名】北海道のおいしいカレー108店
【著者】(企画)札幌テレビ放送株式会社
【出版元】イエローページムック
【発行日】2004年1月24日
【価格】838円(税別)

手元にある本をいっぱい紹介して、ぜひ多くの人に読みたいと思わせたいのが魂胆です。
記念すべき1冊目は…ムック?
北海道以外での出版状況は確認していませんが、道内の書店・コンビニの多くで見かけます。
発行されてから1年近く経つ今でも、大きい書店では置いてあると思います。
あと、セイコーマートにもおいてあることが多いです。

内容は、STVの「1×8いこうよ!」でおなじみYOYO'S(大泉洋・木村洋二)が、道内(主に札幌圏中心)のカレーを紹介するもの。
タイトルずばりです。
スープカレーだけに限らず、ルーカレーも沢山紹介されています。
外食カレーが好きな人には、持っていて損しない一冊でしょう。
なお、巻末にクーポンもついていますが、期限があるので使い切る人はまずいないでしょう(w

この本に掲載されているお店にも、私けっこう足はこびました。
そのうち、お勧めを3店ほど紹介します。

・クロック(P36)
この本で紹介されているビーフチーズカレーを食べてみました。
チーズとカレーを混ぜて、それをライスにかけながら食べる感じです。
いっぺんにかけてもいいし、適量をとりながら楽しんでもよし。
辛さが苦手な人にはうってつけですよ。非常に食べやすかったです。
すこし場所がわかりにくいかもしれません。

・天竺(P59)
スープのカレーで一店紹介。
本で紹介されているシシカバブカレーも気になったんですが。
しかし、店に入って冷たいスープカレーという月代わりメニューがあったので、そっちを食べました。
結構前のことなのでうろ覚えなんですが、確かセットでサラダも頼んでいます。
冷たい分、辛さで火照る度合いが割と少なかったです。
普通のカレー食べないとなんともいえませんが、チキンとか野菜とか、定番は飽きた!という人はいろいろ楽しめると思います。
スープカレーの割りに良心的な値段であることもポイント?

・カフェ・エッシャー(P97)
ここでも紹介されているなすひき肉、コロッケ茸の2種類を食べました。
コロッケのときは少し早めに行ったんですよ。最初のときになかったので。
ルータイプのカレーですが、家庭とはまた違うコクがあります。
すごく甘みがあって、多分タマネギの甘みを上手に引き出せているからではないかと思ってます。
食後にはアイスクリームもいいですよ。スタンプカードもあります。

まだまだ紹介されていない場所もあるかもしれませんが、この本で中心になっているのは
・札幌市中央区全般
・札幌市北区南北線沿い
・札幌市豊平方面
ですね。行ける範囲にいる人は、本を片手にどうぞ~。

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という感じで、本の粗筋だけでなく、自分が感じたことなんかも交えながら紹介していきます。
コメント (1)
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