ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

再会の街で

2009年03月29日 | ネタバレなし批評篇
コメディアンでありながらこういう悲劇の主人公を演じさせると、なぜかピッタリとはまる不思議な雰囲気を持ったアダム・サンドラーが、9・11の飛行機事故で家族を失ってから心を閉ざし続ける男チャーリーを演じている。その大学時代のルームメイトで現在は歯医者として成功をおさめているアランをドン・チードルがつとめている。

偶然街で再会した二人だがアランのことを覚えていないというチャーリーは、仕事にもつかないで、音楽とビデオゲームで魂の抜け殻のような生活をしている毎日。セラピストにもかたくないに打ち明けようとしない心の悩みを、友人のアランにとつとつと語るチャーリーことサンドラー迫真の演技に、思わず涙がこみあげてしまうことだろう。

この映画は、そんな切ないストーリーをさらに盛り上げる小道具の使い方が効いている作品でもある。ヘッドホンで耳をふさいだチャーリーが、移動用に使っている立ち乗りスクーターがそれ。夜の街をまるで漂流するように移動する男の背中から、何ともいえない喪失感がにじみ出ているのだ。

誰もいない自宅でチャーリーがTVゲームに没頭するシーンが多数出てくるだが、この「ワンダと巨像」は恋人を異国の王子が魔物とある取引をして死んだ恋人を蘇らせようとする悲しいお話のPS2ゲーム。この映画に魂をゆすぶられた方なら必ずやハマることのできる名作ゲームなので、是非一度プレイしてみることをオススメしたい。

THE WHOの『LOVE,REIGN OVER ME(愛が僕を支配する)』から引用した切なすぎる映画タイトル(原題)にも、涙がチョチョぎれてしまう1本だ。

再会の街で
監督 マイク・バインダー(2007年)
〔オススメ度 

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