ネタばれせずにCINEるか

かなり悪いオヤジの超独断映画批評。ネタばれごめんの毒舌映画評論ですのでお取扱いにはご注意願います。

トーク・トゥ・ハー

2008年07月20日 | ネタバレなし批評篇
「オール・アバウト・マイ・マザー」に続くアルモドバル監督の女性讃歌と聞いて本作品を見たが、この映画の主人公は植物人間になってしまった女を愛する2人の孤独な男だ。フリーライターのマルコは、別れ話を切り出される直前に恋人の女闘牛士が事故に合ってしまい昏睡状態に。母の介護を20年間続けていた看護士ベニグノは、交通事故で植物人間になってしまったアリシアの介護をもう4年間も続けている。同じ境遇の2人の間にいつしか友情が芽生えていくが・・・。

マッサージをしながら意識の戻らない女に、昨日観た演劇や映画の話をして愛をつむいでいくベニグノ。これほど悲しい片想いを他にあまり見たことがない。ある事件がおきたことからベニグノは投獄され、アリシアから引き離されてしまう。獄中のベニグノから頼まれアリシアの調査をするマルコは<奇跡>に遭遇することになるが、関係者から口止めされベニグノにその<奇跡>を伝えることができない。

「オール・・・」でもそうだったが、アルモドバル監督は作品の中で<演劇>を見せるのが大好きなようだ。本作品にも実際の演劇シーンかいくつか登場するが、<ロミオとジュリエット>を連想させるクライマックスの悲劇におそらく観客は言葉を失うだろう。ロミオの存在さえ知らないジュリエットは後を追うことはないが、新しい恋を予感させるラストによって、孤独な男たちは救いの手を差し伸べられたのだ。

監督 ペドロ・アルモドバル(2002年)
〔オススメ度 

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