交通事故やガンと新型コロナウイルス感染症は同じですか？

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　ずいぶん乱暴な発言に遭遇しました。

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　「交通事故やガンをゼロにできないのと同じように新型コロナウイルス感染症をゼロにすることはできない」という主張がそれです。

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　しかし、この理屈は間違っていると思います。

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　人はこれまで何十年もの間、交通事故を無くすために努力してきました。それでも残念なことに交通事故を０にすることはできません。

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　これに対して、人は新型コロナウイルス感染症を０にするために同じだけの努力をしたのでしょうか。まだ、ようやく２年にとどくかとどかないかの時間しか経っていません。努力の密度も違い過ぎます。

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　性質の異なるこの両者を比較して、交通事故が０にならないのと「同じように」新型コロナウイルス感染症も０にはならないという理屈は誤りです。

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　そもそも、何が「同じように」なのか読み手には全く分かりませんね。

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　また、比較すること自体が誤りですが、百歩譲って結果の数字だけを眺めても、統計的数字で０にならなくても社会生活上「ゼロ」と扱えるレベルまで下げることはできるはずです。現にスペインかぜは約３年間でほぼ収束しています。　

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　これに対して、交通事故は増減を繰り返しながらも「社会生活上『ゼロ』と扱えるレベル」まで下がったことはありません。

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　その理由は交通事故が純粋に人災だからです。

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　「人災ならば理屈の上では人の不注意が無ければ０にできる」と考える人もいるでしょう。

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　しかし、それはできません。なぜならば、「人の不注意」は０にはできないからです。

　だから圧倒的に人の不注意に起因する交通事故は０にできないのです。

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　これに対して、新型コロナウイルス感染症は、人災に近い要素もありますが、交通事故と同視できるレベルの人災ではありません。

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　人がどれほど注意を払ってもウイルスの感染力が高ければ感染を防ぐことはできません。

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　しかし、その一方で感染していない人々の間では、当然のことながら、感染はありません。理屈の上では、感染していない人が100人、1,000人、10,000人集まり、三つの密の状態が起きても感染は起きないでしょう。ウイルスがいないわけですから。

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　したがって、工夫をすれば新型コロナウイルス感染症は０にできるわけです。

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　はじめから、「０にはできない」と諦めていたり、「ウイズコロナ」などと言って感染を容認する悪魔のような政策を採れば悲劇はいつまでも続くでしょう。

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　「交通事故を０にできないのと同じように新型コロナ感染症も０にはできない」という理屈は誤りです。

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　ちなみに、「ガンを０にはできないのと同じように新型コロナ感染症も０にはできない」という理屈も誤りです。

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　こちらも交通事故に関する愚考卑見があてはまります。人がガン撲滅に費やした時間と新型コロナウイルス感染症撲滅に費やした時間は同じでしょうか。

　比較にならないほどの違いがあると言ってよいでしょう。

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　また、ガンは飛沫感染や空気感染はしませんから、ガン対策以上の努力が必要でしょう。人類はそれだけの努力をしてきたでしょうか。私にはそのようには見えません。そうであれば、十分な努力もせずに、「同じように」と言って、新型コロナウイルス感染症を「０にするのは無理だ」と言ってしまうのは誤りですね。

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