退屈男の愚痴三昧

愚考卑見をさらしてまいります。
ご笑覧あれば大変有り難く存じます。

「減刑」ではなく「減軽」

2023年06月29日 14時28分53秒 | 日記
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 弁護士監修のHPを見ていたら「裁判で減刑してもらえるかもしれません。専門の弁護士にご相談ください。」という趣旨の文字列がありました。
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 法律関係者でないと気づかないと思いますが、通常の刑事裁判では「減刑」はありません。
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 刑を軽くしてもらうときに使う用語は「減軽」です。
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 この二つの用語は概念内容が違うんですね。
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 「減刑」は恩赦法の用語で、通常の刑事裁判で確定した刑を恩赦、すなわち行政府が軽くするときに使います。
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 これに対して、「減軽」は通常の刑事裁判の中で刑を軽くする事情、たとえば、犯罪の情状に酌量すべきものがあるときに言い渡し刑を軽くするというときに使います。司法による刑の軽減ですね。
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 以前、学生の答案で「減軽」と書くべきところが「減刑」となっていたので不合格にしたら、「ネットに書いてあった。」と抵抗されたことがあります。ちなみに、「間違えないようにね」と講義の中で注意を喚起しておりましたのでアンフェアではないですね。(^^)
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 この抵抗は無残にも打ち砕かれましたが、そのネットの記載を見せてもらったところ、たしかに「減軽」と書くべき脈絡で「減刑」と書いてありました。誰もが参照する辞書サイトでした。今は誰かが訂正したらしく「減軽」になっています。
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 ネットのおかげでずいぶん便利になりましが、ネット依存が進むと日本語が乱れ国語力の低下が懸念されますね。自戒を込めて。m(_ _)m
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伐採してしまったら元に戻せない自然環境については法律主義を掲げて突き進むのは間違いだと愚考しております。

2023年06月28日 13時31分59秒 | 日記
明治神宮外苑の再開発 樹木の保全の議論続く中 伐採開始へ
2023年6月28日 12時11分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230628/k10014111451000.html
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 こういう記事を目にするたびに日本の法的後進性を実感しますね。
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 日本国憲法は前文と各本条を読めば英米法型の法体系で出来上がっていることがわかります。
 しかし、旧憲法はドイツ型の法体系であり、その特徴は統治のしやすでした。
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 つまり、法律の執行を受ける現場の状況が十分反映されない議会で、しかも現場の状況を十分認識していない議員が政治的綱引きと数の論理で法案を可決すれば、それが「完全な法律」だとされ、その法律を執行する国や自治体に「違法だ!」との批判はできない仕組みになっているのですね。「日本は相変わらず旧憲法で動いているな。」と悲しくなります。
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 これに対して日本国憲法が採用している英米型の法認識は「人の行為には誤りがある」という現実的な認識を法律制定の過程でも自覚し、「法律は不完全なものだ」という前提で政治が行われます。
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 つまり、法と法律は同じではないという認識なんですね。
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 わが国がこのような法認識に立っている証拠が日本国憲法81条に違憲法令審査権に関する規定があることですね。違憲法令審査権という言葉は小学生でも知っているのではないでしょうか。
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 ところが、国及び地方自治体もこの認識に立っていないのですね。
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 この記事にある神宮外苑の樹木の伐採にしても、報道によれば、都は「審議は続いているが、事業者がまとめた環境アセスメントの結果は受理されていて、再開発事業は条例に基づき適切に行われている」と認識しているようです。しかし、この認識は日本国憲法の立場とは相いれないですね。
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 報道によれば、「都の審議会では▽伐採本数を減らせないかや、▽工事によって生育環境に変化が出ないかなど、樹木の保全のあり方について議論が続いてい」るそうです。
 審議が続いているということは、審議が前提となる条例や環境アセスメントの結果の受理も法的には確定していないということになりますね。
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 「受理」が正しかったのか。
 再開発事業が条例の趣旨に合致しているのか。
 これらの点が審議会で審議されなければならないはずです。
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 都の審議会は都民の意思を都政に反映させる機関なのでしょう。
 その審議会の審議が進行中であれば、工事は中止されるべきであり、それが「法による行政」ではないでしょうかねぇ~。
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 しかし、官僚が支配する日本ではこういう法認識はしないのですね。
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 「条例に違反していない。」、「法律には違反していない。」ってよく耳にしますね。
 代議士の不祥事が報道されると、「✖✖法には違反していないと認識している。」とインタビューに答える人がたくさんいますね。
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 条例の文字解釈や法律の文字解釈に合っていれば適法だという考え方はあまりにも強権的で幼稚で後進的だと言わざるを得ないですね。諸外国から軽くみられるのも分かる気がします。
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 本件のように、伐採してしまったら元に戻せない自然環境については法律主義を掲げて突き進むのは間違いだと愚考しております。
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浅学非才愚考卑見乱文長文多謝

「乱闘」ですか?違いますね。

2023年06月14日 12時53分39秒 | 日記
【乱闘騒ぎ】パンチに蹴り あちこちでケンカ発生 4年ぶり「鳥越まつり」神輿再開で参加者による騒動…原因は神輿を担ぐ順番!?
めざまし8
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 こんな記事がありました。
 有名な番組なのでしょうか。
 あまりテレビを観ない愚輩は存じません。
 しかし、ずいぶん不正確な内容なので愚考卑見を少々。
 お気に障りましたらご放念ください。m(_ _)m
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 このお祭のこの状況を知らない人が記事を書くとこうなるのですね。
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 この状況を知らない一般人がこの記事を読めば大きな誤解をするでしょう。
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 コメントした人も無知をさらしていますね。
 「警察官に謝りに行ってほしい」との発言にいたってはバカバカしく情けなくなります。
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 写真を見ればすぐわかりますが、「乱闘」(ではない)が起きたのは宮入道中ですね。
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 宮入道中は担ぐ人が決まっているので関係ない人は担げません。
 担げないどころか一定の場所を過ぎれば御神輿が進む車道にも入れないように規制がかかります。
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 そんなときに「白い服」で御神輿に近づけば排除されて当然ですね。
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 御神輿渡行に関して主催者が決めたやり方に反し進行を妨害する行為があれば刑法上の威力業務妨害罪(刑法234条)が成立します。
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 この御祭のこの場面は、写真でもわかる通り御神輿を取り囲む人々はほぼ全員同じ服装をしています。
 つまり、この服装をした人でなければ御神輿には近づけないのですね。
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 写真からは明らかになり難いのですが御神輿が進む車道と見物人がいる歩道との間にはバリケードが置かれ一般人は車道にすら降りられないようになっています。
 これを無視して御神輿に近づこうとすれば排除されて当然です。
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 報道記事では「乱闘」と書かれている状況ですが、外部的・客観的に眺めれば殴る・蹴るという人の一連の動作を「乱闘」と表現するのでしょうが、上記の通り「白い服」を着た人の行為は業務妨害という刑法上違法な行為ですからこれに対しては正当防衛(刑法36条)が許されます。
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 「えぇ~、『正当防衛』?違うんじゃないの?」と考える人もいるでしょう。
 そうではありません。
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 正当防衛という制度は、人が他人から攻撃されたときに反撃できるというレベルだけでなく、社会的に違法な行為や国家的に違法な行為がされていたときも、その違法な行為をしている人に対して反撃しこれをやめさせる程度に有形力を行使することを許しているのです。
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 したがって、この記事の例でいえば、「白い服」の人の行為は御神輿渡御を整然と進めるという祭礼行事を威力で妨害しようとしたわけですから、社会的法益(法によって守られるべき社会的利益)に対する侵害だということになり、この侵害に対しては正当防衛が許されます。
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 記事にある、「はっぴをまとった複数の男性たちが白い服の男性に詰め寄り、パンチやエルボーを繰り出します。」という記述はまさにこの正当防衛状況を描写していると言ってよいでしょうね。
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 「『白い服』の人が祭礼の進行を妨害したとなぜ分かるのか?」ですか?
 ここんところが冒頭で書いた、「この祭のこの状況を知らない」ということなのですね。
 愚輩も極まれにこのお祭のこの現場にいたことがありますが、この場所にバリケードを突破して「白い服」で入り込むことが何を意味するかは関係者であれば誰もが知っていることですネ。
 状況を知っている人ならば、「白い服」で立ち入ることを控えるか、殴られることを覚悟して立ち入るかの二者択一となるでしょうね。
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 「そうはいっても、一人を複数の人が殴ったり蹴ったりするのは良くないんじゃないの?」ですか。
 違います。
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 裁判所の判例によれば、違法な活動をした人(X)の行動を制止しようとした人(Y)が逆に反撃され殴打の応酬となった事例で、相互殴打の途中からYが優勢となりXがほとんど反撃できない状況になったにもかかわらずYがXに対し殴打を継続したことについてXの弁護士が、「やり過ぎ」だとして傷害罪の成立を主張したのに対して、裁判所は「違法な行為に向けた強固な意志がXに残存している限りYの制圧行為が終了すれば再び違法な行為に出る虞がある。したがって、違法な行為に向けた強固な意志を行為者が放棄せざるを得ないと思う程度の制圧行為は違法とまでは言えない。」という趣旨の判断を示しています(東京高等裁判所平成10年3月11日判決・確定)。
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 この判例に従えば「白い服」の人について、「違法な行為に向けた強固な意志」をこの人が放棄していない段階で正当防衛行為をやめれば再び御神輿に向かって突進する虞があり、そうなれば再び平穏な祭礼を進める正当な利益が害されることになります。
 したがって、「違法な行為に向けた強固な意志」の放棄が客観的に認められるまで殴打や蹴りが続いても違法とまでは言えないわけです。
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 本件はむしろ警察の警備が不十分だった結果とみるべきであり、神社には一切責任は無いでしょう。
 「今後の神社側の対応に期待したい」とか「乱闘した人は警察官には謝りに行ってほしい」などとコメントしている人がいるようですが見当違いも甚だしいですね。
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 警察官は殴打やいわゆる「乱闘」があれば、理由の如何に関わらずこれを制圧しようとします。そのこと自体は正当であり推奨されるべきことです。
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 しかし、大切なことはそういう事態が生じないように事前に策を講じておくことなのですね。
 とりわけこのお祭のこの場面では、こうした状況は十分予想されます。
 警察も警備を行うときは警備対象と状況を十分研究しておく必要があると言ってよいでしょうね。
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 ちなみに、類似の事件についてかつて愚輩も現場に遭遇し、その件について某警察庁幹部に話したことがあります。
 すると、「『雑踏警備』は難しんだ。」と一所懸命反論してきました。
 かつて初詣や花火大会の警備で指揮を執った経験のある幹部なのでそのときのことを思いだしたのでしょう。
 そこで、「初詣や花火大会とお祭の御神輿渡御とは同じではありませんよ。」と愚考卑見を向けたところ返事がありませんでした。
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 愚輩は御神輿渡御に集まる担ぎ手は「雑踏」ではないと考えています。
 事情通にはお分かりだと思いますが、担ぎ手は袢纏を着ています。
 多くの場合この袢纏でその団体や個人は特定されます。
 どれほど数が多くても同じ袢纏を来た集団は雑踏ではなく「団体」であり指揮者がいるものです。
 これに対して、初詣や花火大会に集まる人々の集団はまさに雑踏なのだと思います。
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 警備をするなら、そしてお祭を報じるならば、ご関係の皆様にはお祭を研究して欲しいですね。
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 ちなみに、お祭の御神輿渡御で「乱闘」(と呼ばれる事態)が起きるとすぐに「中止」という言葉が飛び交いますね。
 この記事でも識者らしき人が「中止」という言葉を発しているようですが、「乱闘」があったらその催し物は中止されるべきなのでしょうか。
 もしそうならば、プロ野球やプロサッカーの試合でたまに乱闘がありますがまぜその試合は中止とならないのでしょうか。愚輩は中止となった例を知りませんが。
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浅学非才愚考卑見乱文長文多謝
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https://www.fnn.jp/articles/-/541272?display=full&fbclid=IwAR25AACNoFFgcxCBcxOvD2Nhp6vasIX2RHF72rvsu4zb-yEDuhHfUz3YiIE

あわや事故!-住宅地内の「抜け道さん」と住民との急接近ー

2023年06月07日 12時10分26秒 | 日記
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 最近、自宅周辺にいることが多くなり、その分、見たくないもの聞きたくないことが見えたり聞こえたりするので困ります。
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 今日も出かけようとしたら目の前を疾走して通過した自動車の運転手が誰かに罵声を浴びせている声が聞こえました。
 相手はご近所の知り合いさんです。
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 どうやらこのご近所さんがT字路に入るとき「疾走さん」が驚いて警笛を鳴らし怒鳴ったようです。
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 住宅地内のT字路や交差点は、いわゆる隅切りになっているので停止線で止まっても交差する道路の車両が見えません。
 そこで、一旦止まった後少し頭を出します。
 他の住宅地でも同じだと思いますが、こちらの住宅地でもこのやり方は住人の間ではいわば常識でお互い分かっていてうまく動いています。
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 ところが、抜け道さんは団地内の道を抜け道として使うので疾走します。
 しかもカッテが分からないのでこういう事態に遭遇すると仰天するのですね。
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 罵声を浴びせられたご近所様は涼しい顔をされていました。大物ですね。でも、事故でも起こされたらたまらないですね。
 とりわけ通学時間帯は抜け道さんが頻繁に疾走します。
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 駐在さんには規制してほしいとお願いし、現実にこの界隈はいわゆる「ゾーン30」に指定されているのですが抜け道さんはお構いなしですね。
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 なんとかならないものでしょうか。
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 ちなみに、狭路でごみ収集をしていた収集車に「早くいけよ!」と怒鳴っていた人もいました。

 何か考え違いしているようですね、言いませんけど。

 困ったものです!(―_―#)

浅学非才愚考卑見乱文長文多謝