会社帰り。
最近は休みがある程度自由に設定できるようになったとはいえ
やっぱり世の中はお盆休み。
いつもは込み合う電車が、ホームに入ってきたときからそれと分かるほど
空いている。
順序良く並んで、前の人に続いて電車に乗り込む。
うん。空席発見。せっかくだし座っていこう。
生憎読みたい本も新聞も持っていない。
携帯電話に入っている唯一のゲーム「テトリス」でもやりながら
目的の駅に到着するまで過ごそうか。
空いているとはいえ、つり革に捕まり立っているひともある程度あり。
私の座っている席の前にも、女性が一人。
顔は見てないけど、肌の張り具合からみて、席を譲らなきゃならないほど
ご高齢の方ではないようだ。
気にせず席についたまま、「テトリス」を続ける。
ターミナル駅についた。
ここで人がどっと入れ替わる。
私の席の前で立っている女性は動かない。
人が減り、空席が目立つようになる。
女性は動かない。
降りる気配もない。
なんだかもう、「テトリス」から目を離せなくなった。
不意に見上げると、理不尽にもこの世のものとも思えない形相と
鋭い視線を食らってしまうんじゃなかろうか・・・。と。
特に理由もなく。
もうむり。だってほかに私の前から動かない理由はないもん。
きっと、知らず知らずのうちに席を奪ってしまったんだ。
それで、理不尽な怒りの形相と憎しみに満ちた視線を私に向けてるんだ。
ん?もしかして知り合い?私が気づくのを待ってる?
あと少しで私の目的駅。
どっちだろう。怒りの形相?知り合いの笑顔? どきどき。
結局ぜんぜん知らん人でした。
おしまい。
最近は休みがある程度自由に設定できるようになったとはいえ
やっぱり世の中はお盆休み。
いつもは込み合う電車が、ホームに入ってきたときからそれと分かるほど
空いている。
順序良く並んで、前の人に続いて電車に乗り込む。
うん。空席発見。せっかくだし座っていこう。
生憎読みたい本も新聞も持っていない。
携帯電話に入っている唯一のゲーム「テトリス」でもやりながら
目的の駅に到着するまで過ごそうか。
空いているとはいえ、つり革に捕まり立っているひともある程度あり。
私の座っている席の前にも、女性が一人。
顔は見てないけど、肌の張り具合からみて、席を譲らなきゃならないほど
ご高齢の方ではないようだ。
気にせず席についたまま、「テトリス」を続ける。
ターミナル駅についた。
ここで人がどっと入れ替わる。
私の席の前で立っている女性は動かない。
人が減り、空席が目立つようになる。
女性は動かない。
降りる気配もない。
なんだかもう、「テトリス」から目を離せなくなった。
不意に見上げると、理不尽にもこの世のものとも思えない形相と
鋭い視線を食らってしまうんじゃなかろうか・・・。と。
特に理由もなく。
もうむり。だってほかに私の前から動かない理由はないもん。
きっと、知らず知らずのうちに席を奪ってしまったんだ。
それで、理不尽な怒りの形相と憎しみに満ちた視線を私に向けてるんだ。
ん?もしかして知り合い?私が気づくのを待ってる?
あと少しで私の目的駅。
どっちだろう。怒りの形相?知り合いの笑顔? どきどき。
結局ぜんぜん知らん人でした。
おしまい。