ポン太よかライフ

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続「新・根津美術館探訪」国宝那智瀧図と自然の造形

2009-11-02 11:45:06 | 博物館、美術館行ってきました
根津美術館は現代的な建築と広大な日本庭園との融和をコンセプトの一つにしています。新創記念特別展 第1部は国宝那智瀧図と自然の造形と題して自然をモチーフにした日本や東洋の様々な名品を展示しています。約7000件もあるという収蔵品は絵画、書蹟、彫刻、陶磁、漆工、染織、考古など多岐にわたり、その中には国宝7件、重要文化財87件、重要美術品96件を含むといい、コレクションの充実ぶりに驚きます。
今回特に感心したのは、企画展の物語としての楽しさ以上に、展示された品々を心地よく楽しめる展示空間の演出にありました。たとえば、陶磁器等の小さいものを観賞するところでは、戸栗美術館のように展示ケースの手前に木製の肘が載せられる台があり、しかも距離が近く角度も程よく、まるで茶室で手にとってお道具の拝見をしているような心地よい満足感に浸ることができました。2階6室の茶室ケースも本来四畳半のところを一畳半削って、お道具や床の間が間近に良く見える配慮がなされていて親切でした。全体に落ち着いた自然光のように感じられるのも、様々に工夫された最新の照明設備のたまものなのだそうです。
広い展示室1で、江戸時代に描かれた吉野龍田図屏風の艶やかさに胸打たれ、展示室5では二つ並んだ景徳鎮の粉彩百鹿尊壺に、沢山の鹿たちが群れ遊ぶ幸せに満ち足りた情景を見て印象に残りました。これらはのちに別の美術館でのサプライズにつながることになります。


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