ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

ほぼすべて国宝と重文!曼荼羅のパワーを浴びる!

2011-07-25 21:41:10 | 博物館、美術館行ってきました

東京国立博物館
では「空海と密教美術展」を開催中です。
平安時代がいかに立体表現にたけていたか、西洋美術館のギリシャ彫刻に負けない表現と内面からほとばしる生命力に圧倒されます。
異教のヒンドゥー教や道教など以前から地域で信仰されてきた宗教を理論的にも視覚的にも取り込んで調服していく過渡期のダイナミズムを感じました。
空海の書や、中国から持ち帰った仏具などを目の当たりにすると、教科書で習った知識としての空海が生々しい人間として真実味を帯びていきます。
最澄とともに力強く一時代を牽引していた空海のただならぬパワーがすごい。

午後からは、「密教美術の醍醐味」という松本伸之さんの記念講演会に当たったので夫と聞きました。
会場を観てから講演を聞いたのですが、東寺の仏像曼荼羅の迫力ある明王ら、
醍醐寺の如意輪観音菩薩坐像など、心に残った名品が次々に取り上げられて興味深く聞きました。

空海は、仏教への得度は遅く、それまでは自分なりにいろいろな宗教を学び、エリートコースの最澄とはなにもかもがちがうようです。
遣唐使として中国に渡るや、頭角を表し、日本人でありながらたった2年で中国の密教の正当な継承者になって、
そのまま日本に多くの仏宝とともに密教を持ち帰ったそうです。

この展覧会は、とにかくこれは見逃してはいけない!という名品が多すぎです。
ほとんど国宝と重文だなんて空前絶後ですね。
館側の方々は会期中、相当緊張が続くことでしょう。
会場は比較的すいていましたが、知っている方に何人もお会いできました。
入れ替えがあるので、また足を運びたいと思います。

官窯VS民窯、出光美術館 明清陶磁の名品展

2011-07-05 10:01:37 | 博物館、美術館行ってきました

出光美術館に行くと、コレクションの質の高さに感心します。
テレビのお宝鑑定団などで、「これが本物でしたら、大変な値になります!」と中島先生が言う
粉彩、豆彩、釉裏紅などのとりわけ発色の良い貴重な名品に出会うことができます。
まさに観賞陶磁器を観賞する醍醐味が味わえるように思います。

今回は、景徳鎮を中心にした官窯が、青花、五彩、粉彩、など精錬された美を発展させ、
各地の民窯もまた特徴ある発展を遂げた、明、清時代に限定した陶磁コレクションの展示です。
官窯と民窯が相ともに中国陶磁史で華やかな発展を見せた時代の名品が一堂に並べられて圧巻です。
官窯の精緻な格調と民窯のおおらかさが、意匠の上でも影響しあう様子も分かります。
官窯作品のキャプションには、官窯の特徴的な意匠である5本爪の龍の絵柄が、
民窯にはかわいい唐子の絵柄がシルエットで描かれて、一目で分かるよう工夫されていました。

漢民族王朝を復活した明の洪武帝、永楽帝、宣徳帝の時代は、景徳鎮の御器廠(ぎょきしょう)が
重厚な器形に鮮やかな色の青花を施した大型の観賞陶磁器を作るイメージです。
この時代の民窯には、五彩牡丹唐草文尊式瓶のように78.2cmと官窯に負けないほど大きなものがあり驚きました。
入口すぐの独立ケースに入った官窯の紅釉印花雲竜文馬上杯と、白磁印花雲竜文馬上杯に限っては例外的に小ぶりで、
飲み口がきわめて薄手の繊細な作りでした。
遠くから見るとルーシー・リーの作品を思い浮かべるほどシャープなシルエットで印象に残りました。

清代の康煕、雍正、乾隆帝のころは、透けるように薄い器に繊細で絵画的な表現が超絶技巧を駆使して行われました。
豆彩、青花紅彩、青花臙脂紅、青花釉裏紅(ゆうりこう)などのほか、
一色を極めた単色釉も、藍釉、緑釉、桃花紅、茶葉末(ちゃようまつ)釉、瓜皮緑(かひりょく)など多彩になるそうです。
官窯の図柄も、格調ある龍の硬い図柄でありながらも正面を向いている龍が、青い波や雲を背にスペクタルに描かれた
青花紅彩竜文皿青花臙脂紅龍文瓶のように生き生きしたものがあり、実に面白い意匠だと思います。
清代には、民窯でも官窯に劣らない豆彩花卉鶏文花盆などがあり技術の高さに驚きました。
明代の民窯には、大きな透かし彫りの壺に法花をほどこした法花透彫人物文壺などの個性的な魅力がありました。


ひとめぐりした後、皇居を見渡せる眺めの良いラウンジに出て、いつものようにお茶をいただきながら余韻に浸りました。
アンケートに記入した際、いくつかした質問にすぐに答えていただいた学芸員の方、
お忙しい中ありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。





ケルティック・ウーマンを聴きながら「冬の童話」読書はいかが?

2011-07-02 07:10:42 | 音楽


女性グループケルティック・ウーマンのCDを買いました。
私は、音楽は、映画音楽から魅かれて買うものが多いような気がします。
パイレーツ オブ カリビアンのように、100人のオーケストラによる迫力ある演奏に魅かれた物もありますが、
だいたいは女性ボーカルが多いように思います。
ギリシアのナナ ムスクーリ、アイルランドのエンヤ、イギリスのサラ ブライトマン、などなど・・・
ちょっと物悲しい叙情にあふれた、気高く伸びやかでスケールの大きな世界を感じる声が、静かに胸を打つようです。

聖なる緑の島と表現されるアイルランド出身のケルティック ウーマンは、ヴォーカル&ヴァイオリンの4人のユニットです。
このCD、「Believe~永遠の絆」には、初めての映画音楽「プリンセストヨトミ」のテーマのほか、
パナソニックのVIERAのCMや荒川静香がトリノ5輪のエキシビションで使ったYou Raise Me Up
ボーイソプラノを思わせるクロエの声を生かしたブラームスの子守歌やアイリッシュ・ハープを加えたアヴェ・マリアなどの子守歌。
虹の彼方に、北アイルランドの伝統歌が元というダニー・ボーイ、スノーマンの主題歌Walking in the Airなど、彼女たちらしくアレンジされた名曲の数々が心に響きます。

終わりに白石道の純愛小説「冬の童話」でカギとなっていたアメイジング グレイスも収録されていて、グッときました。

冬の童話

冬の童話著者:白川道価格:1,800円(税込、送料込)楽天ブックスで詳細を見る



先週読んだばかりの小説「冬の童話は」劇中劇のように、登場人物が著した私小説の様な形で物語られ、しんみりと身の上話を聞くような趣があります。
ケルティック・ウーマンの歌声を聴きながら、読書などいかがでしょう。
痛々しい純愛を分かち合うようなメルへンチックな世界に浸れます。