恵比寿のガーデンプレイスにある東京都写真美術館に行ってきました。
昨年一年間の世界の出来事を振り返ることになり、あらためて大変な一年であったと思いました。
その中には東日本大震災で大津波が押し寄せる一瞬をとらえた一枚もありました。
福島を飲み込んだ津波は、松並木のてっぺんと同じ高さにせり上がった海水が、激しい水しぶきを上げながら一列にそろった松並木を透明な壁となって取り込んでいくシーンをとらえておそろしいものでした。
一瞬ののち、壁が崩れて手前の街を飲み込むのが分かっているのに、今はまだ日常そのもののたたずまいのままで、穏やかな東北の街並みが前景に広がっているのが、信じられない対比になっていて衝撃的でした。
また中東、南米、北アフリカ・・・政治が不安定で、紛争が絶えない国々、ノルウェーの大量殺人事件、風習や経済的な理由で起こる様々な問題などの写真が、これでもかというほど生々しく突きつけられ、心臓の鼓動が高鳴り続けました。
日本にいてはなかなか世界が抱える問題の切実さが伝わりません。最近になって、やっとBSの海外ニュースや、NHKの世界のニュース・ザッピングなどで、日本のマスコミの報道ではなく、世界で報道されているニュースが紹介されるようになり、外国の人々の関心事を知ることができるようになってきました。
平和ボケとか、閉そく感、とか言われている日本ですが、日本にいるありがたみ、今の日本でできること、やらねばならぬこと、心配すべきこと、など、世界基準で考えるといろいろ考えるべきことが変わってくると思います。
重い内容で、見る人に思考することを強いる、また写真の力を思い知らされる展覧会でした。
写真部にいるのに知識がないので、良い勉強になります。モノクロの写真もいいですね、モノクロにもいろいろあることを最近知りました。