ポン太よかライフ

得した気分、首都圏見て回りの旅、美術館散歩

銀座でフェルメール

2012-06-16 11:14:42 | 博物館、美術館行ってきました
ホキ美術館で丹念に描き込まれた写実絵画に浸った後、
銀座のフェルメール光の王国展に行ってきました。

    

「生物と無生物の間」でブレイクした福岡伸一氏(分子生物学者)が本展総合監修を務める異色の展覧会は、科学的視線と氏の持つロマンチストの一面が融合した興味深い試みになっています。(氏は言葉が豊かで、どの本も星を見て愛を語れる理科系文学青年の美文で語りかけ、心の琴線に触れますよ!)フェルメールをめぐる随筆の仕事の中で、ある科学者とフェルメールとのつながりを見つけ出すという新たな科学史上の発見の産物まである興味深い美術イベントとなりました。

現存する全フェルメール作品リ・クリエイト画像技術という、最新のデジタルマスタリング技術によって、彼が描いた当時の色調とテクスチャーを推測して再現し、
原寸大で、所蔵美術館と同じ額装を施して、フェルメールが描いた年代順にすべて展示するという画期的な企画です。

 

たとえば色鮮やかなデルフトの眺望からは、貿易で栄えた当時の晴がましい気分まで伝わるようで、確かに描きあがったばかりの活気が伝わってくるように思いました。

黄色と青が鮮やかになって確かに綺麗  壁の色も少し明るい
豪華な額に入っているんですね!細部の再現は本物に比べてどうかな?
都美館でお会いしましょう

フェルメールのアトリエを再現したコーナーでは、画中の人となって写真に収まることもできます。
また、顕微鏡の発明者アントニ・ファン・レーウェンフックとフェルメールのつながりから英国王立協会に残された書簡の、顕微鏡下を描いた図未発見のフェルメールの素描であるという仮説はとても面白く説得力があると思いました。


私は、ネットで予約したうえコンビニ決済で日時指定の特別夜間観賞チケットを購入して7時以降に入館しました。
人数100名限定で静かに観賞できる夜間観賞チケットは音声ガイド、ドリンク付きで予約販売です。21日にはワインの試飲会のイベントもあるようですので、ご興味のある方はサイトにどうぞ
入場の時にベルギー等のビールやカリフォルニアワイン、ソフトドリンクなどちょっとおしゃれな冷えた瓶の中から一本選べるようになっています。ビニールの袋をくれるので持ち帰る人も多いようです。ドリンクの代わりに昼間の入場券を選んでもいいようなので、思ったより空いているのかな?

夜間観賞券は3000円でやや高い感じですが、昼間(1000円)入るとイヤフォンガイド(宮沢りえ、小林薫) が作品の半分しか聞けませんが、すべての作品のガイドと久石譲のイメージ音楽もフルに楽しめるのでお時間のある方はお勧めです。
すべて模造のため、写真もOKですし、飲み物もOK、ショップで売っている絵ハガキは、すべて展示品と同じデジタルデータなので、同じ色という美術イベント、上野でいえば科博と東博と奏楽堂の合わさったような楽しさでした。

惜しむらくは原本ではなく「フェルメール・センター・デルフト」から提供されたデーターソースを使ったため、解像度が甘く迫真性に欠ける感じが否めません。一点でも原本からのデジタルデーターからの抽出作品があればそれとの比較で全体を想像で修正することができたのではと思いました。

リベンジは、間もなく開館する東京都美術館
リニューアルオープン記念「マウリッツハイス美術館展 オランダ・フランドル絵画の至宝」(2012年6月30日~ 2012年9月17日)「真珠の耳飾りの少女」に再会することで果たしたいと思います!!


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