はんかくさいんでないかい。

八つ当たりブログである。だから誤爆はある。錯誤もある。情報の正確性も保証しない。でも、変なことは変だと言いたいのである。

検証できない有識者会議

2013年08月08日 | 日記

 政府は、各方面にわたって「有識者会議」というものを開催する。この「有識者会議」の位置づけが、実は様々であり、議題によって、あるいは諮問する事柄によって、その「有識者会議」の結論が、そのまま政策となったり、あるいは「有識者会議」の結論と政策が乖離したりする。

 いずれの場合も、その「有識者会議」の会議員メンバーは、所管官庁によって選定されるから、基本的にはその所管官庁の「政策」に即応した人物が選定され、稀に政策に反対した「有識者」がいても、その反論を述べた「有識者」は、次の「有識者会議」からはオミットされることが多い。

 報道などでは、一応の会議での合議部分をのみ採り上げるが、その「有識者会議」内での喧々諤々の議論の模様は、ほとんどの会議が公開されていないために、知ることができない。一応の結論を、庶民はマスコミを通じて拝聴するしかないのである。結論に至る道筋は知ることができないし、議事録が公開されていたとしても、その議事録が記録として例えば国会図書館などで公開されるのは、相当のタイムラグがあった後のことである。

 原子力規制委員会の本会議のようなものは、残念な福島原発事故によって公開されるように一応はなっているのだが、その式次第に従った、ほとんど申し訳程度の議論には、学芸会並みの下手糞な演技が透けて見える。特に専門家会議などでは、ほとんど学術的議論とは言えぬような、重力に逆らって上方に地滑りが起きるなどという、まぁ力学的にありえない説を平然と述べる御仁もいて、地滑り面が重力と逆に見られるというのは、それ以下の地下の部分で褶曲などが起きているという、ほとんど「地盤の不安定さを確実にする」ようにしか思えない論なのに、それに適切な回答は無いまま、大飯原発などは稼動を続けている。

 かくして、突っ込みどころ満載の専門家による議論が例示できるのは、嬉しい限りであるのだが、原子力規制委員会以外の、もっと平時の「有識者会議」の議論の経緯は、実はほとんど知られることが無いままであり、反対意見などが出た場合でも、反対意見がありましたが・・というガス抜き、アリバイ作りのために利用されているとしか思えないほどである。

 学術的な議論は、一般には程遠いものに見えるかも知れないが、それでも経緯が分かり、議論のどこで誰が何を言っていたのかが判明することは、その「有識者会議」の議論が、正しくなされていることを判断する材料となる。なにやら結論だけが出てきて、その経過が見えないことが、選抜された有識者の有識者としての信頼を失墜させるのだ。更にいえば、そうした選抜された有識者を選抜したに存在への疑義にも出てくる。