直径11.8cm
まだ九月になったばかりで、この図柄はちょっと季節はずれかもしれないけれど…。アレンテージョ地方の羊飼いや農民には必需品の伝統的なマント。
肩のところが二重になっていて狸かキツネの毛皮が衿に付いている。
雨や風、寒さにいかにも頑丈そうなデザイン。
日本でも昔はこれとそっくりのマントを普通に着ていたらしい。
子供の頃、明治生れの祖父がこんなマントを着ていた記憶がかすかにある。
やはり衿には毛皮が付いていて、ラッコの毛皮だと言っていたのを憶えている。
もしかしたらそれも、もともとはポルトガルから伝わったものかも知れない。
ちなみにマントはポルトガルからの外来語だ。
数年前、アレンテージョ出身の小説家・サラマゴがノーベル文学賞を貰った。
その後ポルトガルの大統領からも勲章を授与された。
その授与式にサラマゴはこのアレンテージョのマントを着て臨んだのが印象的だった。
今でもこの伝統的なマントは露天市の洋服屋では普通に売られている。
このオリーブ入れはサンペドロの産、モンサラーシュの土産物屋用に作られた物で手彫り、手描きではあるが、残念ながら、ろくろ作りではない。
鋳型貼り付け作りであるから、型は綺麗に整いすぎていてもう一つ味がない。MUZ
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