ポルトガルでは2010年7月1日から消費税が1%上がった。
ポルトガルの消費税は三段階に分かれていて、野菜やパン、肉や魚などの生鮮食料品が6%、
ハムやソーセージなどの加工食品やワインとかコーヒーなどが13%、シャンプー、洗剤、化粧品、衣類、電球などが21%となっている。
昨日、サルディーニャ(イワシ)とサパテイラ(カニ)を買ったのだが、どちらも生鮮食品なのにイワシは6%、カニは21%、?
いままで当然カニは生鮮食品だと信じていたのに…。
だってカニは我が家の目の前に広がるサド湾やトロイア沖で獲れる立派な生鮮食料品。
鍋に入れるまでは手足をばたつかせていたのですよ。
輸入品でもないのに、いつのまに21%の枠にはいっていたのか?
ところで、日本では突然消費税を5%も上げると言い出して、民主党が選挙で大敗した。
大敗した原因はもちろんそれだけではないと思うが、一因にはなった。
ポルトガルでは、不況のための倒産とか、より人件費の安い国へ企業が移転したりで、全国の工場が次々と閉鎖され、失業率が11%近くなっている。
職業安定所ではドアの外まで仕事を探す人々があふれている。
それなのに、消費税が1%上がってもぜんぜん騒ぎにならない。
例のギリシャ経済危機騒ぎで、次はスペインやポルトガルが危ない~ということで、ポルトガル政府は首相や国会議員の給料を5%引き下げる、そのかわりに消費税を1%上げることを国民に発表した。
1%ぐらい~いいか~と思ってしまう心理をついた、うまいやり方だ。
実は、わたしもあまり気にならない。
なぜかというと、ポルトガルは今、スーパーやイーパーなど大型店が値下げ競争をしているのだ。
たとえばニンジン1キロが日本円にすると約54円、セレージャ(さくらんぼ)が1キロ450円、米1キロ95円など。
ニンジンは安いからまるで馬のように毎日食べているし、セレージャは6月~7月しか出回っていないので毎週2キロも買う。
しかもセレージャの種で枕を作ると、頭の熱を取り安眠できるというので、枕作りのためにも必死で食べている。
買い物は1週間に一回か二回出かける。
食料、雑貨まとめて一週間で消費税込み6000円ほどの出費。
日本ではニンジン3本で150円、サクランボ(ブラックチェリー)250グラムで500円、米は一番安いのでも1キロ400円。
日本はポルトガルに比べて物価が高い!
それなのに
「ヨーロッパは消費税が20%以上するから、日本の消費税は10%に上げてもまだ安い!」という。
とんでもない!
不況で失業し、低所得者層が急激に増えている日本は、ポルトガルの低所得者と所得は大差がないと思う。
しかも日本は米などの物価がポルトガルの4倍もする。
そんな状態で、消費税を5%上げて10%にし、いずれは20%台にしたい~?
消費税は福祉関係にしか使わない?
でも介護保険は別に取る。
介護保険料を払っているのに、利用する時は有料。
日本は多重税金の国だ。
しかも国民に対する見返りは少ない。
しかし日本国籍を持たない在日外国人には、本国に残した子供たちにまでも日本人の血税で子供手当てを出すという。
理解できないし、納得できない!
日本人は老後が不安だから、せっせと貯金にはげむ。
ポルトガル人は夏や冬の休暇のために貯金をし、人生を楽しんでいる。
MUZ
2010/07/29
©2010,Mutsuko Takemoto
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(この文は2010年8月号『ポルトガルのえんとつ』に載せた文ですが2019年3月末日で、ジオシティーズが閉鎖になり、サイト『ポルトガルのえんとつ』も見られなくなるとの事ですので、このブログに少しずつ移して行こうと思っています。)