グリム童話と民間伝承に関心ある方の対話の広場

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★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★日本独文学会秋季大会・グリム・シンポ案内★

2013年09月14日 | Weblog

★グリムと民間伝承研究会(グリミン)★日本独文学会秋季大会・グリムシンポ案内★

                                  2013年9月14日

猛暑の夏も落ち着き、ようやく秋らしくなってきました。
みなさま、お元気でいらっしゃいますか?

日本独文学会の秋季研究発表会において私どものグリミン(グリムと民間伝承研究会)によって
シンポジウムが行われます。

今日は、その案内をさせていただきます。

●日時: 9月29日(日)午前10時から午後1時まで

●会場:
北海道大学高等教育推進機構(旧教養部)
 〒060-0817札幌市北区北17条西8丁目
 (JR札幌駅→地下鉄南北線(麻生方面)→北18条下車→徒歩10分→高等教育推進機構)

 札幌キャンバス/アクセスガイド

  詳しくは日本独文学会HPを参照!
   
 
●内容

シンポジウムVII(10:00~13:00) B会場(N1講義室)

グリム童話とドイツ伝承文学における父親像と母親像

                          司会:野口 芳子

1. ハーメルンの笛吹き男伝説の場合 溝井 裕一

2. 『灰かぶり・千枚皮』の場合 ―東西の民間説話を巡って― 竹原 威滋

3. 『少年の魔法の角笛』に基づく音楽作品の場合 山本 まり子

4. ドイツ語圏の現代伝説の場合 金城ハウプトマン朱美

5. グリム童話全体における父親像と母親像 野口 芳子


今回は、札幌ですので、秋の北海道の観光を兼ねて、いらっしゃいませんか?

来られない方にも、どんなシンポジウムか、趣旨説明を載せますので、お読みくださいね。


●趣旨説明--------------------

このシンポジウムでは、グリム兄弟が収集したメルヒェン、伝説、民謡を取り上げて、そのなかに登場する父母像について、さらにドイツ現代伝説に出現する父母像について考察する。
発表1(溝井裕一)では、「ハーメルンの笛吹き男」伝説を取り上げ、子どもの失踪を嘆く人物が、母親から父親に変えられていく過程を検証しながら、家族像の変遷について考察する。
発表2(竹原威滋)では、各地に流布する「灰かぶり」の異型に注目し、民族や社会の相違により、父母像がどのように異なるのかを見ていく。
発表3(山本まり子)では、『少年の魔法の角笛』の130曲の詩を分析し、父母と子どもの関係に焦点を当てながら、作曲当時の社会を浮かび上がらせる。
発表4(金城ハウプトマン朱美)では、ドイツ語圏現代伝説に登場する父母像を分析することによって、現代ドイツが抱える家族問題について考察する。
発表5(野口芳子)では、グリム童話211話全体を調査し、そのなかに登場する父親や母親はどのような存在なのか考察する。ここでは個々のメルヒェンを取り上げたケーススタディーではなく、包括的見解を提示する。

伝承文学のなかの父母像は近代家族の父母像より厳格で残酷である。
この現象は個人的事項というより、社会的事項として把握しすべきであろう。
このシンポジウムでは、その理由を文学や心理学だけでなく、社会学、歴史学、法学、などの観点から学際的に考察する。
同時に、母性愛や父性愛が時代によって社会によって変遷するもの、すなわち「ジェンダー」であることも証明していく。

(シンポジウム 司会者  野口芳子)

■今後のグリミン例会予告■

★第58回例会:
 2014年2月 武庫川女子大学にて卒論合同発表会
            (野口ゼミ、浜本ゼミほか)
★第59回例会:
2014年度日本独文学会春季研究発表会(麗澤大学 5月24日~25日)において
 横道誠氏(京都府立大学文学部)ほかにご発表いただく予定です。

★世話人
池田香代子
竹原 威滋
野口 芳子

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■新刊情報■

『グリムと民間伝承 ― 東西民話研究の地平』 グリムと民間伝承研究会・溝井 裕一編
 麻生出版 5000円
以下の論考ほかが掲載されています:

 竹原威滋  グリム童話とカルヴァン派と近代―「幸せハンス」(KHM83)と「貧乏人と金持ち」(KHM87)をめぐって―
 野口芳子  グリム童話における七の数字について ―不運な七の出現を巡って―
 浜本 隆志 グリム童話の同類結婚と日本昔話の異類結婚 ―ヨーロッパと日本の動物観とのかかわりから―
 松村國隆  中世の遍歴作家 デァ・シュトリッカーの「三つの願い」
 大野寿子  グリム兄弟「こびと」像にみる古の世界と自然との共生 ―メルヘン、伝説、神話テキストをてがかりに―
 溝井裕一  狩猟伝説と異界 ―グリム伝説集を中心とした考察―
 斧原孝守  東アジアからみた「赤ずきん」(KHM26)の原型 ―「赤ずきん」と「老虎外婆」との比較―
 久保華誉  白雪姫の身代わりになった動物 ―日本人のイメージをめぐって―
金城ハウプトマン朱美 グリム兄弟のメルヒェン「ヘンゼルとグレーテル」
―その成立と現代ドイツにおける受容―
 鶴田涼子  ドイツ文学のなかの「ねずの木の話(KHM47)」
 梶田純子  オレンツァロ ― バスクの「歳神」伝承
 天沼春樹  物語の迷宮へ
 岩瀬ひさみ ヘンワイフまたはヤハリシュ・ウルラル ―継母の相談役―
 佐藤結佳  「クラバート」伝説の特徴 ―ATU325「魔法使いとその弟子」類話比較より―
 永池健二  消えた幽霊の足
 齊藤 純  神野山と「天狗さんの石合戦」―大和高原における「山の争い」伝説の展開―
 鵜野祐介  「鼠の嫁入り」の起源と構造 ―伝承文学にみる「子どものコスモロジー」―
 阿部奈南  世間話「口裂け女」に関する一考察
 間宮 史子 Vorstellungen von Raum und Zeit in der Anderswelt im japanischen Volksmarchen
<献辞> ロルフ・W・ブレードニヒ  親愛なる同僚、竹原先生へ
<特別寄稿> ハンス=J・ウター 愚か者につける薬はない― ノルウェーの「笑い昔話」に関する小論―

<日本独文学会特別割引> 定価5250円⇒税込4500円(送料サービス)
    このサイトで注文できます。

『超域する異界』 大野寿子編
 勉誠出版 6500円
以下の論考ほかが掲載されています:
 竹原威滋:民話における「異界」との交流を可能とする仕掛け
 溝井裕一:ドイツの民間伝承における異界と異人
 大野寿子『グリム童話』における「異界」―死者の化身と死者世界をめぐる一考察
 山本まり子:グスタフ・マーラーにみる「異界」と越境の音楽表現
 渡辺 学:「異なものとの交流」としての異文化コミュニケーション
 高橋吉文:超域する「異界」とは何か?― Meta2の冒険


『フリッツ・ルンプと伊勢物語版本』山本登朗編著 関西大学出版部 4000円
以下の論考ほかが掲載されています:
 溝井裕一:日本昔話研究者としてのフリッツ・ルンプ

『卒論を楽しもう―グリム童話で書く人文系卒論―』 野口芳子著
武庫川女子大学出版部 1575円


『グリム童話集200歳 日本昔話との比較』小澤俊夫著 小澤昔ばなし研究所刊 1800円
『NHKカルチャーラジオ グリム童話の深層を読む ドイツ・メルヘンへの誘い』
  高橋義人著 NHK出版 950円
『猿蟹合戦とブレーメンの音楽隊 弱小連合、強きをくだく』
  外国民話研究会編 日本民話の会『聞く 語る 創る』20号 2000円
『グリム童話の世界へ ~ドイツ・メルヘン街道 (地球の歩き方GEM STONE)』
  沖島 博美著/朝倉 めぐみ絵 地球の歩き方編集室 ダイヤモンド社 1680円
『ドイツメルヘン街道 夢街道―グリム童話・伝説・魔女の町を歩く』西村佑子著
  郁文堂 1900円
『スコットランド民話集』ノラ&ウィリアム・モンゴメリー編著 鵜野祐介監訳
朝日出版社 2800円
『アンデルセン童話全集I』 天沼春樹 訳 西村書店 3990 円
『スールの子ギースリのサガ -アイスランド・サガ-』
大塚光子訳 麻生出版 3800円
『民話の森の歩きかた』樋口淳 春風社 2500円
『フランス民話集Ⅰ 中央大学人文科学研究所翻訳叢書5』中央大学出版部 4400円

『説話から世界をどう解き明かすのか: 説話文学会設立50周年記念シンポジウム[日本・韓国]の記録』
  笠間書院 2940円
『ドイツの民衆文化―祭り・巡礼・居酒屋』下田 淳著 昭和堂 2300円
『日中民間説話の比較研究』立石展大著 汲古書院 10500円
『昔話と絵本』石井正己編 三弥井書店 1700円
『子守唄と民話』石井正己編 三弥井書店 1700円
『語りの講座 昔話の声とことば』花部英雄/松本孝三編 三弥井書店 2500円
『語りの再生』矢口裕康著 清文堂 1900円
『古事記 環太平洋の日本神話』(アジア遊学 158) 丸山顕徳 編 勉誠出版 2000円
『総特集柳田國男 「遠野物語」以前/以後』『現代思想』10月臨時増刊 1500円
『世界の中の柳田國男』 赤坂憲雄/R・Aインモース編 藤原書店 4600円
『フォークロリズムから見た今日の民俗文化』 河野眞著 創土社 8500円
『逸脱の唱声 歌謡の精神史』 永池健二著 梟社 3000円
『天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険』上野誠著 講談社 2500円
『真庭市の民話 第2巻(北部編)』立石憲利編著 真庭市教育委員会
『真庭市の民話 第3巻(補遺編)』立石憲利編著 真庭市教育委員会
『沖縄の伝承遺産を拓く 口承神話の展開』 福田晃著 三弥井書店 2800円
『中野ミツさんの昔話り 現代昔話継承の試み』野村敬子編 瑞木書房 2500円
『東日本大震災を語り継ぐ』日本民話の会『聞く 語る 創る』21号 1800円

Roelleke,Heinz /Schindehuette,Albert: Es war einmal... Die wahren Maerchen
der Brueder Girmm
und wer sie ihnen erzaehlte. Die Andere Bibliothek Eichborn:
Frankfurt/M. 2011.
Freyberger,Regina: Maerchenbilder - Bildermaerchen. Illustrationen zu Grimms
Marchen 1819-1945.
Athena:Oberhausen 2009.
200 Jahre Grimmische Maerchen. Ein deutscher Welterfolg und seine Autoren.
Die Brueder Girmm.
in: Die Zeit. Geschichte 4/12
Uther, H.-J.:Handbuch zu den "Kinder-und Hausmaerchen" der Brueder Grimm.
Entstehung-Wirkung-Interpretation. 2008 (Gruyter) E 58.00
Schede, Hans-Georg: Die Brueder Grimm. Biographie. (CoCon) Hanau 2009
Mieder, Wolfgang: "Maerchen haben Kurze Beine" Moderne Maerchenreminiszenzen
in Literatur, Medien und Karikaturen. (Praesens) Wien 2009.
Wildhaber, R. / Uffer, L.: Der Schweizer Maerchenschatz.(Diederichs) 2007
Burgard, Matthias: Das Monster von Morbach. Eine moderne Sage des
Internetzeitalters. (Waxmann) Muenster 2008. E 19.90
Martus Steffen: Die Brueder Grimm. Eine Biograhie. (Rowohlt) 2009 E 26.90
Jaeckel, Karin: Deutschland, eine Maerchenreise. (Herder) Freiburg 2010. E
17.90


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