チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

中国両会と経団連

2024-03-10 22:53:35 | インポート

 現在開催中の中国両会(全人代・政治協商会議)では驚くような話が満載だ。共産党中央が地方政府に押し付けたGDPのノルマ、これを達成するために滅茶苦茶な不動産投資と様々な公共投資を暗黙の政府保証の借金漬けで実行してきた地方政府、その路線の瓦解が明確になった今、破綻の始末は地方の責任で行うべきだ、、が共産党の見解だ。主犯の共産党中央が経済破綻など知ったことではない、と云っているのだから驚く。両会で目立つのは財政苦の中でも単年35兆円と云う軍事予算、軍国主義化への流れだけが加速している。ゼロ・コロナ政策を含め習路線への反省の言葉などは一切ない。

 外資の入り口であった香港、その貴重な法治と自由を圧殺し、監視と弾圧を本土並みに強化する悪名高い国家安全法を施行する、これが今後の習近平の政策だ。外資は当然にも一斉に香港から逃げ出している。国際金融センターとしての香港の地位は最早再建の可能性すらもない。昨年の外資直接投資は前年比-82%、今年はほぼゼロになる、と予測されている。香港の機能を代替できる都市など中国の何処にもない。強権でコントロールされる市場など言葉それ自体の矛盾であり、自由を圧殺しながら育つ資本市場などは存在しないのだ。

 世界中から集まった巨額な資本と技術が中国の急速な現代化を進めてきた。発展は何も中国それ自体の努力や知見の故ではない、そのことは香港の死滅と共に数年後には自覚されるだろう。金を産む鶏を惨殺し、中国の未来を閉じたのは習近平自身である、と云うことは世界の共通認識なるはず。両会は独裁者への忠誠と恥ずべきお世辞以外の議論が無く、如何にして経済の破綻を克服すべきかは語られないままだ。共同富裕と云う名の全員貧困化政策を推し進める習にだれも反撃できない。権力は銃口から産まれる、その毛沢東の言葉に従った共産党の圧政、議論すらできないままに結局大きな北朝鮮になるしかない運命が見えている。

 中国に製造本体が移転するのは誤りだ。誤りがだれの眼にも明らかになった以上、速やかな撤収だけが経営の責務のはず。中国進出の熱に浮かれ、過去それを実行した者達が現在の経団連を構成している。それ故に未だにその失敗を認めたがらないが、中国と云う国の論理的帰結は既に明らかになっている。少なくとも中国は巨大市場としての魅力がまだある、などと云う寝ぼけた話を今すべきではない。中国企業ですらASEANに全力で逃げており、本土に最後に残るのが日系企業、と云う無様だけは見たくない。

 

 

                               川口

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