チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

巫女看護婦娼婦

2014-03-15 00:42:08 | インポート

 

 STAP細胞はどうやら偽物。女性に創造的研究は無理、という定説を覆すような小保方さんの研究成果、日本中が喜びに湧きたったものだが。とんでもない偽物の論文、コピぺ、厚顔な発表、あっという間に英雄は消えた。何でこのレベルの贋作が早い段階で見抜けないのか、むしろ興味はそっちに向く。

 義太夫の謡と太棹、不即不離、まがいと本物はそんな関係かもしれない。だが、この話の味の悪さは格別だ。理化学研究所はとんでもない軽い研究者を引き込んでしまった。無いものを在るとする論文は名誉目的の詐術に過ぎず、科学の大枠の中に在ってはならない意識である。彼女の活躍の場は、きっと他の世界に在る。少なくとも研究室以外に。

 再生医療の進展を待つ、膨大な患者を愚弄する行為でもある。中身は何処までも犯罪のレベルにあると云える。化粧の下の厚顔に愕然とするばかり。

 巫女、看護師、娼婦、そのいずれかの適性を必ず女性は持っている、庄司薫の何かの小説にそんな文章があった。今なら相当に差別的、ということになってしまうのだろうが、一面の真実を突いていることはだれしも認めるだろう。背伸びをさせたものは何なのか、なぜ巫女や娼婦ではまずいのか。不自然な英才女子を続けさせたものは何なのか、妙に文学的テーマで終りを迎えたSTAP 細胞。

 IPS細胞のレベルと比較にならない戯言、科学一般への深い冒涜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                           川口

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ウクライナ

2014-03-04 10:37:49 | インポート

 シリア政府の毒ガス使用でも軍事介入しなかったアメリカ。ロシア主導での毒ガス廃棄でお茶を濁したが、シリア情勢そのものは混迷したままとなってしまった。これを布石とし、ロシアはウクライナへの軍事介入をしてもアメリカは動く力がない、と読み切った。それがクリミア半島進出を決めた理由だろう。

 アメリカが強力だった頃なら、流石にロシアもこの火薬庫に足を踏み入れるのを躊躇ったはず。地政学的にはロシア黒海艦隊の根拠地、不凍港のクリミアを抱えるウクライナを手放す選択肢はない。伝統的なロシア南下政策の礎石、それ故に絶えず西側とのナーバスな軋轢の場でもあった。下手な動きは、今も大戦を引き起こしかねない背景がある。

 この状況を中国も見守っている。優柔不断なアメリカは、東シナ海、南シナ海、更には台湾に中国が軍事的強硬策を取っても、アメリカはきっとすくむばかりで動けない、そのような判断を誘導することになる。それが安全保障上の危機の連鎖だ。

 ウクライナの帰趨が、結局北東アジアの将来像を決めかねない。軍事的解決への誘惑に道を開くのか、辛抱の交渉に地域の未来を委ねるのか、意外にもそれを決めるのは遠いウクライナであるような気がする。

 オバマの理想主義。核廃絶のベルリン演説でノーベル平和賞を受賞したスタート、それは世界に希望を与えるものだった。それからたった数年、現実によって試されたそれは見事なまでに色褪せた。通用しない理想主義は、単に戦争の導火線に過ぎない。世界のあちらこちらに埋めきれない隙間が出来てしまった。

 クリミアとバルカン、予防処置に失敗した紛争。世界史的な火薬庫で一旦発火したものを、これからどうやって消すのだろう。圧倒的な軍事力以外では無力、それを世界に見せつける悪影響は計り知れない。東アジアの軍事的紛争を呼び起こす可能性もあるウクライナ、そのような視点で見つめるべきもの。

 

                          川口

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