STAP細胞はどうやら偽物。女性に創造的研究は無理、という定説を覆すような小保方さんの研究成果、日本中が喜びに湧きたったものだが。とんでもない偽物の論文、コピぺ、厚顔な発表、あっという間に英雄は消えた。何でこのレベルの贋作が早い段階で見抜けないのか、むしろ興味はそっちに向く。
義太夫の謡と太棹、不即不離、まがいと本物はそんな関係かもしれない。だが、この話の味の悪さは格別だ。理化学研究所はとんでもない軽い研究者を引き込んでしまった。無いものを在るとする論文は名誉目的の詐術に過ぎず、科学の大枠の中に在ってはならない意識である。彼女の活躍の場は、きっと他の世界に在る。少なくとも研究室以外に。
再生医療の進展を待つ、膨大な患者を愚弄する行為でもある。中身は何処までも犯罪のレベルにあると云える。化粧の下の厚顔に愕然とするばかり。
巫女、看護師、娼婦、そのいずれかの適性を必ず女性は持っている、庄司薫の何かの小説にそんな文章があった。今なら相当に差別的、ということになってしまうのだろうが、一面の真実を突いていることはだれしも認めるだろう。背伸びをさせたものは何なのか、なぜ巫女や娼婦ではまずいのか。不自然な英才女子を続けさせたものは何なのか、妙に文学的テーマで終りを迎えたSTAP 細胞。
IPS細胞のレベルと比較にならない戯言、科学一般への深い冒涜。
川口