チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

総選挙の選択

2021-10-20 20:36:21 | インポート

 総選挙は政権選択選挙に違いないが今回は本質部分で選択の質が違う。野党第一党の立憲民主党が共産党との統一候補となり、政権獲得時には閣外協力をも受け入れるとしたからだ。そうである以上単に政権ではなく、体制の選択選挙になってしまう。国民が親米の自由主義を選ぶのか、親中親韓に傾斜する以外にない社会主義体制を選ぶのか、そんな妙にイデオロギッシュな選挙になっている。

 共産党の志位委員長発言を聞けば本音は一歩も世紀前の共産党宣言信仰から脱却できていない。曰く資本主義は必然的に共産主義に移行するものでありそれは社会科学の真理である、と。だがかつても今も、共産主義が人民を幸せにした国など何処にもなく、悲惨な全体主義の専制支配でしか統治不能であった。歴史の必然説に至っては宗教以外の何かではない。唯物論による精緻な経済史の分析まではともかく、必然の未来を語ることによって共産主義はまったくの的外れとなり、生身の低質な革命家により、更におぞましい新興宗教の質に堕落した。

 資本と賃労働の対立的二元論、運動論の中の陰謀や暴力革命の是認、共産党細胞の洗脳、既存組織への潜入占拠、市民団体と云う名の薄めた細胞でのだまし勧誘、民主集中制と云う名の党幹部による独裁、などなど。共産党は何も変わっていないし、変われない超保守的組織である。一言で云えば危険だ。特に自称革命党と云うものの主題は現体制の打倒以外の目標はなく、その後をどうするのかの政策は驚くほど具体的なものを持ち合わせていない。階級闘争と云う名分の下、憎悪解放の体系であるに過ぎず、かつての日本軍参謀本部同様にとてつもない未来に対する無責任な組織体の姿を晒している。それが彼らの本質であることは見切っておかねばならない。

 立憲民主には共産党との連携に向かう素地は元々あった。共産党と一線を画し、より危険なテロ体質の過激派からの人的支援を選挙の都度受け、それを契機として組織への浸透を許してきた。彼らは互いに殺し合いもするが、寄生組織に共産主義へのガードを下げさせることには貢献していたのだ。

 かつての民主党にまったく統治能力が無かった理由も、政権奪取から先の具体的政策など持ち合わせていなかったからであり、支持する運動体個々には他の思惑があり、故に内部分裂が止まらなくなったからだ。革命ごっこの幼児集団、日本の左翼野党の実態とはこのようなものだ。ルーツがソ連や中国、北朝鮮にある団体すらあり、まったく信頼できない有象無象の集合体である。彼らが再度政権に就く時、日本は確実に国際社会の孤児にと転落する、それは容易に想像できる。

 ヨーロッパでは既に共産党が存続している国は一つもなく、博物館にしか存在していない。怖ろしく時代遅れな主義主張が、なぜか日本では大衆宗教的に存続している。彼らの言葉をまともに聞く国は世界になく、その証拠に民主党政権時、日本の外交は見事に機能を止めていた。今回の選挙が単なる政権選択選挙ではなく中身は体制選択選挙になる、それを忘れてはならないのだろう。

 

                        

                          川口

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ばら撒き競争

2021-10-18 20:52:41 | インポート

 東京のコロナ感染者は10日連続で数十人のレベルで推移している。全国数でも連日300名を割り込むまでに激減した。来月にはワクチン接種完了者も80%を超え、この状況変化で第6波を大袈裟に懸念する必要があるのか疑問になる。

 デルタ型は世界で主流になりつつあり、それはデルタ以上の感染力を持つ変異株が存在しないことを意味している。第五波でデルタによる急拡大を経験し、かつそれを克服した日本、より悪しき状態を想定することは最早杞憂と思われる。専門家なるものが如何にTVで不安を煽ろうが収束は極近いと判断すべき、それが科学だろう。

 総選挙が始まる。コロナやオリンピックまで政治利用し、優れた対案もなくクレーマーに徹した野党。今度は無秩序な現金支給の公約で賑やかだ。国民は愚昧で買収可能、そのように馬鹿にしているとしか思えない。

 現金給付は必要だが、それは飲食や留学生、派遣労働者など影響を受けた部分に限定しなければならない。公務員、年金生活者、生活保護受給者などの収入は何の影響も受けていない。再度の全員バラ撒きなどでは重大なモラル崩壊を起こしかねないからだ。自助の努力を必死で積上げている納税者と、元々からの公費受給者との間に明瞭な一線を引かねばならない。コロナ得を許せば日々懸命に働く外国人労働者や飲食業者は余りに救われない。

 コロナ対策なのか景気対策なのか、それとも貧困対策なのか、何の主旨かすらが分からない現金給付など極めて不道徳でしかない。余計な支出で国民を買収しようとする党派は、実は日本人の精神破壊を結果させる、彼等がそれを自覚しているのかいないのかは知らないが。うまい話は唾棄する、それが詐欺師達から逃れる唯一の正しい姿勢だろう。

 生死事大無常迅速 合掌

 

 

                            川口

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

パンデミックの収束

2021-10-11 22:04:36 | インポート

 第五派の収束は確実になった。ピークで1日5000人近かった東京の感染者数も3日連続で数十人規模にまで落ち着いた。オリンピックか命か、と滅茶苦茶な議論を展開した野党、さぞかし今頃は顔面蒼白になっているだろう。

 正にオリンピックを境に急減が始まり、懸念された夏休み明けの学校クラスター多発もなかった。不安の時には様々なデマや煽動が大手を振って闊歩し、新興宗教や共産主義はその不安と不平不満を栄養に勢力の伸長を図るのが常だ。危機を煽りに煽ったマスコミを含め、この急速な収束であてが外れた方々は沢山存在する、そのこともよく見ておきたい.

 ワクチンの一本足打法と非難された政権、だが他の根本対策などない。厳しいロックダウンをまともな法制度も無しにやれるわけがなく、全員PCRに近い姿にしてもゼロコロナには至らない、それは韓国のK防疫の失敗が証明している。

 急速なワクチンの普及と治療薬の認可、他の何かがあるわけでは無い。そして何より肝心なことは、発源地の中国にしっかりとした説明を求めることだ。2年前の夏には既に世界中から医療物資を買い集め、昨年3月にはなぜ不活性型のワクチンが製造できたのか?問い詰めるべきは自国政府よりそちらだ。

 メルク社の飲み薬が年内にも認可されることになった。飲むだけで大幅に重症化率を下げることができ、ワクチンとの相乗効果で明確に軽症な病気に分類できることになる。コロナとの共存、それによりパンデミックの脅威は明らかに終わらせることができるはず。単に5波の収束ではなく、本質的な意味でパンデミックは収束局面を迎えているのだ。むしろ、社会の大敵は未だにゼロ・コロナを目指すべきと語る、驚くべき無知な経済破壊論者達が一定勢力存在することだ。

 

                        

                               川口

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナの激減

2021-10-04 17:32:24 | インポート

  コロナの急速な収束には驚く他ない。ピークでは日に5,000人を前後した東京の感染者数はこのところ200人を割り込み、今日は日曜のデーターとは云え僅かに87人、11カ月ぶりの少なさだった。

 ワクチンの完全接種者は6割を超え、総接種回数も1億6,440万回となっている。他国の例を見ても接種率6割前後から劇的に感染抑制の効果が出る。更には致死率や重症化率の下がり方に励まされる。昨年の十分の一以下にまで減ってきている。今後は初期段階治療に経口治療薬が年末に投入される予定であり、死に至る病からはかけ離れた姿になる。小規模な第6波は来るのだろうがそれもブースター接種次第では抑え込みは可能だ。

 菅政権が退陣し、岸田内閣が発足した。菅の驚異的な演説下手には驚いたが、政権自体の業績は評価されるべきだろう。得体のしれないウイルスへの対策、ワクチンの急速普及に賭けたのは正しかった。医師会などの既得権益集団や強制力の無い法制度の欠陥の中では他の何かができたとは思えない。国際公約のオリンピックも感染爆発の最中に行って、懸念とは逆にその後の急速な感染鎮静化に結び付けた。実務者としては極めて優秀な結果を残したとしか言えない。ただただ弁舌下手の宰相、政治家である故にそれが致命傷になった。

 ASEAN各国の感染爆発で生産停止する部品工場が多く、その影響で自働車生産が急減速している。売れるのだが作れない、そのジレンマの中で国内組立工場も稼働調整に追い込まれている。グローバルサプライの今日、ワクチンと治療薬を世界的に普及させなければ社会生活の完全な正常化は期待できない。先ずは国内のサービス業を正常化し、国内の活力を少しでも取り戻すことだ。補助金頼みの瀕死の企業体は驚くような数になっているはずだが、無論国庫にも限界はある。成長活力を取り戻す、それ以外の出口は何処にもない。

 

 

                          川口

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今は亡き香港に

2021-09-26 21:40:12 | インポート

 1991年に初めて香港に入った。早いもので30年が経つ。当時の香港空港は市街地のど真ん中、飛行機を降りると直ぐに八角やニンニクの匂いがした。海外の街はどこも固有の匂いがある。無味無臭は逆に日本の特徴なのかもしれない。

 当時香港はまだ英国領だったが1997年に中国への一括返還を控えていた。街は混沌として自由、何より活気に溢れていた。九龍、コーズウエイ、モンコック、湾仔、セントラル、何処も外国人が沢山歩き、様々な言語が氾濫していた。その国際金融都市の自由を50年間は維持すると約束した1国2制度、だが中国共産党は半分にも満たない年数でその約束を完全に反故にした。

 今、香港を昔日の姿で思い描いても仕方がない。街中に張り巡らせた監視カメラの顔認証システムによって、誰の行動も追跡が可能になっている。政治的発言の自由は無論ない。中国共産党が施行した国家安全法、ほとんどジョージ・オーウェルの描いたデストピアの管理社会を具体化するものになる。管理と監視、密告社会によって民主化の動きは根絶やしにできる。反政府もクーデターも芽の内に摘む。そんな香港の北朝鮮化こそが共産主義の理想の社会と思っているらしい。

 香港から本土の深セン、東莞、佛山に向かった。まだ経済特区は出来たばかり、香港との間には当然国境があり、税関もあった。中国側の職員にパスポートを出せば押印し、不愛想に投げ返してくる。道路はまだ未舗装の箇所も多く、マンホールのような鉄製品は夜中には盗まれてしまう。夜は裸電球の世界が本土、香港との経済力の差は比較にもならないほどだった。

 あの文明、文化の落差を今表現する術はない。どうしたらこの差が埋められるのだろうか、1国2制度は50年などという短時間で大丈夫なのか?闇の続く佛山から南海への悪路をワーゲンに乗り、走りながら思った。香港フィルハーモニーの高いレベルの音楽、金融街に流れ込む最新のファッションとドル。その隣には武装公安が土埃の悪路の脇で自動小銃を構え、人の流れを見張っている世界があった。

 香港にはアヘン戦争、辛亥革命、イギリス植民地、日本占領と歴史が刻まれ、中国にとっては特別な意味を持った地域だ。主権の回復に半端でない熱量を注ぐのは無理もなかった。だが、今の香港人にとっては歴史が意味するところより、結果手にした自由や繁栄の維持が更に大事だったことは云うまでもない。混沌、活気、啓徳空港の匂い、猥雑な夜の街、親父のだみ声、黒社会、金融の国際センター、何でもありの九龍、、そんな香港が消えた。

 名残の香港を探すのは、もう止めよう。共産主義と云う名の最後の大衆宗教、権力への階段の為には手段を選ばない組織、それを甘く見ない方が良い。醜悪な個々の権力欲と従属欲求を人民なる言葉で自身の心まで欺瞞した悪の体系。自由からの逃走の無様、人民の為の国家を未だに作れた実績は一度もない暴力肯定のイデオロギー。結果人々は俯き、香港にかつての活力は無い。

 再度繁栄の時が来るのかは分からないが、きっとその可能性は随分と低い。そもそも自由主義市場の上部構造が共産党などと云う馬鹿げた根本矛盾、きっとマルクス自身が笑いこけることだろう。つまり、必然なのは香港の衰退でしかない。先週、香港の主要な民主団体が解散した。大好きだった香港、、心を込めて、さようなら。

 

 

                           

                              川口

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナとの共存

2021-09-22 23:57:49 | インポート

 コロナは第5波の終局局面を迎え、緊急事態宣言は月内で終わるだろう。ゼロ・コロナは全くの幻想であり、医療破綻を回避しながらのウイズ・コロナをこれからもブレずに追求することだ。つまり、重症化を防ぐワクチンと治療薬の普及速度次第で対策を変えていく、その可塑的な姿を変える必要はない。急速に接種が進むワクチンと抗体カクテルの登場により、ウイズ・コロナを実行できる時期に至っている。時間稼ぎに成功した以上、衰弱した経済を立て直すことに関心を集中しなければならないのは当然だ。

 オリンピック開催は感染爆発を招く、オリンピックか命か、そんな馬鹿げたアジテーションを平然と繰り返す混乱狙いの無責任な政党すらあった。だが、結果はオリンピックを境に急速に感染者は減った。人流と感染爆発には専門家なる方々が云うほどの因果関係は無いことも明らかになった。ウィズ・コロナの新しいルールを決める良い機会だ。現在の日本ではコロナの致死率は0・015%に過ぎない。死なない以上は一定の感染を社会的に許容すべきであり、今更にロックダウンや緊急事態を準備する必要はまったくないはず。

 ウイルス変異には自己崩壊というプロセスもある。人間は何もしないのにウイルス自体が自身を滅ぼす変異を遂げて消えていく、というプロセスだ。医薬が何もない100年前、数千万人の死者を出した後、突然に地球上から消え去ったウイルス、スペイン風邪こそが良い例だろう。

 夏休み明けには全国の学校で感染爆発が起きる、そんなハルマゲドンのような予測も空振りした。一体何の目的で国民を脅しているのか、医療専門家なるものに問い正したくなる。現段階の日本に抗体カクテルが普及し、年末には飲み薬すら発売されるとしたら、それはどう考えてもただの風邪への変化だ。インフルエンザの死亡率を下回ることが確実なただの風邪に過ぎない。にも拘らず、一体何時まで経済を止めるのか、何故に飲食店の営業の自由を奪っているのか、最早納得のいく説明をするのが煽りに煽った医療専門家なる者の最後の責務だ。

 第6波は起こっても良い、1日何万人の感染でも構わない。重症化は稀であり、治療薬も確定し、病床もある、専門家や政治が発言すべきはそのような近接未来に対応した内容だ。警告を繰り返し、人流を減少させることこそが永遠の使命と勘違いするゼロ・コロナ論者にこの間のウイルスの挙動は全く説明できないはず。

 最早コロナの脅威は終わりつつある、それはウイルスとの共存によって成し遂げられる。あり得ないゼロの為に社会を壊すことでなく、社会生活を正常化しコロナ許容値を拡大していくことだ。大学の対面授業を全面再開し、若者を開放すべきときだ。全国で全ての制限を撤廃できる、その日は極めて近いはず。それがエビデンスが示しているものだから。

 

 

                            川口

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中国バブルと恒大

2021-09-21 21:03:59 | インポート

 中国最大の民間不動産会社、広州恒大グループが破綻の危機にある。サッカーチームや電気自動車などにも手を広げ急拡大を続けてきた。その間の有利子負債の圧力は大きく、今週末にもデフォルトに陥る可能性が高い。債務の合計は33兆円を超えるとてつもない金額が公表されている。それでもまだ簿外債務の規模は明らかになっていない。日本のバブル崩壊でも、飛ばしなどで隠蔽した債務が事後に明らかとなり、それが致命傷となったノンバンクや証券会社があった。公表額だけをまともに受け止める向きは少ない。

 習近平は経済音痴で知られている。共産党の上部構造下にある資本主義、その不可能な構造の上に君臨する。彼は、家は投資の為でなく住むためにあると至極当たり前のことを言い、それを金融の締め付けによって実行した。投資対象であった高値の不動産価格は伸び悩み、乱立していた建設中マンションは資金不足で工事が止まった。日本のバブル崩壊の構図とよく似ている。

 価格は上がり続ける、不動産投資の前提はその信仰。だが、そんな絶対は市場経済に存在しない。共産党が恒大グループをどうするのか、世界の耳目が集まっている。潰すのか、救済策を取るのか、その選択次第でリーマンショックの再来までが懸念されるからだ。中国は国営企業中心の国であり、民間企業を救済する可能性はあまり高くない。助ければ経営のモラルハザードを招き、野放図な企業が更に沢山生まれるだろう。だが、一気の破綻にまで進めばノンバンクやサプライヤーの破綻までも連鎖し、さしもの中国経済が危機に陥る。共産党の選択は今、とてつもないジレンマの中にある。

 予測はかなり困難だが、習近平には経済が分かっていない、と云うのは大きな手掛かりだ。今更に文化大革命の真似まで始めた彼、下部構造と上部構造の根本矛盾を解くアイデアが、彼から生まれるわけがない。備えよう、どうやら衝撃は世界に及ぶ。余りに肥大化した債務の扱いをコントロールする術、最早それがほとんど残っていない。本格的な中国バブルの崩壊は数週間以内にまで迫っているようだ。今日、世界の株式市場は一斉に暴落を記録した。

 

 

                           川口

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

失敗国家

2021-09-19 00:46:36 | インポート

 アフガニスタンからロシアもアメリカも追い出したタリバン、だが今後に国をまともに統治できるのかは別な問題だ。非対称戦争では、統治機構を維持すべく拠点を持つ、そのことが忽ち敵対勢力に標的を与えることになる。タリバンは単なるイスラム原理主義者や部族の集合体であり、イスラム法による統治を目指すという大まかな結集軸しかない。分裂は必至であり、既にISやマスード派、多様な少数民族、などの反対勢力との間で紛争を抱えている。

 広大な山岳地帯に潜み、絶えず動き回り、政府軍やアメリカ軍の固定された基地や行政府を襲う、それが故に優位だったタリバン。ではISの攻撃から今後どうやって自らの統治機構を守るのか、攻守は入れ替わることになる。移動しないタリバンの殲滅などそう困難な仕事ではない。いずれはISかパキスタンがタリバンにとって代わるだろう。恐怖政治の強度が暫定主人を決める、行政組織を持った方が負ける、それが非対称戦争下の国民に真に悲劇的な姿だ。アフガニスタン、ミャンマー、シリア、イエメン、北アフリカの国々、失敗国家の数は次第に数を増すが、その姿とはまともな行政機能の壊滅である。

 宗教的理念や共産主義にはそもそも国の建設などを目的にせず、ただ国家の破壊を自己目的とした武装勢力が沢山ある。合理的な政治学の対象などではなく、むしろ破壊と隷属に魅せられる者、犯罪心理学的解釈の領域だ。創造や建設にどんなに無能な者であれ、破壊と妨害の力だけはある。如何に組織が高貴な見せかけのスローガンをかざそうと、構成する個人は犯罪に対する心理的ハードルが極めて低い集団。つまりは逸脱者の集合、ご都合主義的な権力欲の発露を本質にしているにすぎない。

 その姿を今後のアフガンが晒していくことになる。それらを巧妙に取り込むとすれば、恐怖と隷属の統治に習熟した中国でしかない。パキスタン経由の中国による傀儡政府の設置、ただ落ち着くだけでよいとするならそれでしかない。人の為の国家、とそれを呼ばないだろうけれど。国家を持ったタリバン、それはアフガンの新たな瓦解の始まりを意味しているにすぎず、仮初の戦勝になることが自明だ。

 

 

 

                           川口

 

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コロナの出口

2021-09-15 20:19:01 | インポート

 東京の感染者数もピークの20%以下に減った。第五波も終息過程に入った、ということだろう。エアロゾル感染するデルタ株の制御としては上出来、他国と比較すると減衰の速さが際立って優秀と云える。ワクチン接種の延べ回数が1億5千万回、二回完了者は6、400万人に至った、と云う状況が大きく貢献している。後は抗体カクテル療法が町医者でも自宅療養者向けでも可能になれば、それで社会活動の正常化が視野に入る。

 既に日本での死亡率は僅かに0・02%、世界の1・5~2%に比較すると断然に優れた成績になっている。感染初期段階の薬物治療が普及すれば、インフルエンザ以下の致死率になるのが確実な数字だ。出口は明らかに見えている。オリ・パラ開催反対まで主張した極端な何でも反対派があったが、それがコロナ利用の卑劣な政治宣伝であったことは結果が証明した。5波のピークで向かえたオリンピックだったが、それを境に感染者は急速に減速を始めた。それが現実だ。

 コロナは制御可能な風邪になる、それは間違いがない。いましばらく辛抱しよう。パンデミックの終息には2~3年が掛かる、それはスペイン風邪の推移からも予測される。ウイルスそれ自体の変異の寿命があるのかもしれない。そして今、かつて世界で7000万人の死者を出したスペイン風邪ウイルスは、世界の何処にも存在していない。

 

                       

                               川口

 

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

画面の戦場

2021-09-05 22:49:23 | インポート

 アフガニスタンへの航空機移動はすっかりなくなり、正に閉ざされた地域となった。フライトレーダー24の画像でそれは明確に観察できる。誰もがネットで衛星画像を見ることはできるし、リアルタイムで航空機や船舶の位置情報を確認することも可能だ。日本のデジタル化は大きく後れを取っているがネットの環境は日々革新を続けている。

 様々な質の情報が氾濫するネット、要は手にする者の知力、見方や考え方が問われると云うことだ。フェイクやデマに踊らされるのか、的確に取捨選択ができるのかそこは課題だ。刃物と同じ、ネットそれ自体に悪とか善とかは無いが、使い方によっては包丁にも殺人道具にもなり得る。

 中国ではネット情報も即時に検閲され、政府に不都合な情報は削除される。そのような情報であることを前提に中国情報に向き合うべきであることは常識だ。片側の事実を隠蔽した真実の情報、それはデマでしかない。ネットより性悪のマスコミがよく使う手口だ。日々の情報の分別は、結局は個々の知識の集積や経験値によって精密に濾過される必要がある。

 今、カブールの空港はおろかアフガン全土上空に移動中の航空機は存在しない。暗黒の闇に静寂な夜が広がっているだけだ。遥かに遠い日本でその様子は画面で見られる。その事実が前近代的なタリバンの理念を映すことにもなる。

 その精緻な画面上の地図と座標、そこに無人機を飛ばしミサイルを撃ち込めば戦争はいつでも開始できる。最早屈強な兵士より、ゲーマーの指先の方が戦力だったりする。現実感のない殺人、それはどこかでブレーキを破壊することだろう。テクノロジーは最早止めようもなく革新を続け制御不能な段階に至りつつある。今、ものの見方、考え方が鍛えられないとするなら、待っている未来はドローンが破壊しつくす無機質の荒野になりかねない。そんな現実は、もう足下にある。

 

 

                         

                              川口

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする