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「一ノ木会報」 ~ 雑記版 ~

タイトルは昔某サークルから発行されていた、部員の部員による部員の為の会報の名前。このブログは私の私による私の為のブログ。

「海の底」読了(注:ネタバレあり)

2009-06-09 22:39:12 | 本・漫画・アニメ
有川浩の「海の底」読了。
以前読んだ「空の中」が面白かったので、この本が文庫化されたのを見つけ購入。
以下ネタバレありなのでご注意を。


















出だし、突然巨大甲殻類の大群が出現し、後は大方予想通りの展開。
予想通り潜水艦内部で問題児が問題を起こし、予想通り最初の救助に失敗し、予想通り望は夏木に恋心を抱き、予想通り翔はしゃべれるようになり、予想通り圭介も改心し、そして途中まで明かされなかった圭介や望の置かれた環境も予想通り。
そして最後も予想通りのハッピーエンド。


でも、、、、


すっげー面白かった、コレ!!!!!!!!
どんでん返しがあればいい訳じゃないと言う見本。
それほど予想から外れた展開にならないのに、全くつまらないと言う感覚は感じず、予想した場面が予想通りに現れても、それがかえって痛快に感じたりする。
そして「空の中」を読んだ時も思ったが、とにかく個々のキャラがいい味出しまくっていて、キャラの台詞とかがいちいち面白いしかっこいい!!
夏木と冬原のやりとりとか、烏丸と明石のやりとりとか、それだけでも充分楽しめる。
特に冬原の覚めた言い回しとか最高。

唯一、警察相手に難攻不落だったサガミ・レガリスが、自衛隊にはあまりにもあっさり駆逐されるところが予想外と言えば予想外。
もう一山あるかと思ったが、考えてみれば自衛隊ならあっさり勝てる事が重要なんだよな。話的に。
それにしてもそんなに戦力差あるんだw
で、非常識なテーマの中にあって、物語の大筋を支えてるのは今日本が抱えてる問題なんかだったりする。
これが前述した警察大苦戦、自衛隊にとっては雑魚、ってとこにかかっても来る訳だが。
さり気ないマスコミ批判(狙ったのか分からないが)とかもGJ。
で、親のあり方とか、自分のふるまいとか結構考えさせられたり、反省させられたり。

世の中全てがこんな丸く収まる訳じゃない事は充分知ってる。もう40手前だし。
でも自分はやっぱりハッピーエンドが好きなんだなぁ~、とつくづく思った。
一つ不満を言わせて貰うと、圭介と母親も最後は和解して欲しかった。
いや、物語中では書かれてないが、きっと将来和解した時が来たのだと信じたい。
圭介の母親は、多分自分の身近にリアルにいたら軽蔑するし、嫌っていたと思う。
物語中でも圭介自身、母親の汚い所に気づき、母親を避ける様になるのだが、何だかんだ言っても圭介を何不自由なく育てたんだ。そこは分かってやってくれ。
って、何小説の世界の出来事に熱くなってるんだ、俺w
いや、それだけ自分のツボに入り、物語の世界に引き込まれ、余韻に浸りっ放しな訳ですよ。
個人的には「空の中」より遥かに面白かったし、ホントこの作品、自分の中で確実にベスト3に入る良質のエンターテインメントでした。
有川さんに直接「ありがとう!」って言いたい位気に入ったよ。
まぁ、そんなに多く本読んでる訳じゃないけどw


有川浩の自衛隊三部作と言われる残り1冊、「塩の街」も凄い読んでみたくなったわ。

「名探偵の掟」読んでみた。

2009-05-29 00:26:55 | 本・漫画・アニメ
あの「16分割の鬼」が作家、それも有名な作家だったと昨日初めて知りました。
「栗本薫」と言う名前自体知らなかったもんで。。。

「名探偵の掟」読んでみた。
東野圭吾の作品は前に一度「魔球」を読んだのだが、自分にはいまいち合わなくてその後読んでなかった。
しかし、その作品が最高傑作と呼ばれてた訳でも無いし、凄く面白いと言う程では無いが別につまらないと言う訳でもなかったので、これ1冊で読まず嫌いになってしまうのもどうかと思い、今話題(?)な事もあって読んでみる事にした。

内容的には、今まで読んだ小説とは一風変わってると言うか、ギャグ漫画とかではありそうな感じの展開ではあるが、小説でこの手のは自分には新鮮に映った。
一つ一つの物語は短編になっていて、全てが全て「面白い!」とは思わなかったが、肩の力を抜いて気楽に読め、結構楽しめました。
個人的には「アンフェアな見本」のオチが好きです。なるほどと言うかやられたと言うか。
自分はそれほど多くミステリー、と言うか本自体読んでる方じゃないですが、きっとミステリーを読んでる量が多い人程、この本を楽しめるんじゃないかと思う。
「魔球」の暗いトーンの印象とは正反対の印象で、他にもこの作家の作品を読んでみたいと思った。
かなり今更だけどねw

ホントに新作でしたよ

2009-05-23 00:50:45 | 本・漫画・アニメ
「涼宮ハルヒの憂鬱」、ホントに新作ktkr!!!!
いやぁ、昨日うっかり11時半頃寝てしまって、起きた時にはサンテレビの放送は終わってしまい、開始時に実況板に張り付く事は出来なかったが、覗いてみたらホントに新作でしたよ。
まぁ埼玉テレビもどうせ見れないので、新作である事だけを確認して寝ちゃいましたが。
しかしちゃんとした宣伝もうたないで、噂先行のまま新作流すなんてちょっと考えられないなぁ。
普通に考えりゃガンガン宣伝するだろうに。
ハルヒらしいと言えばらしいのかもしれないが。
とりあえず新作の最初は噂通り「笹の葉ラプソディ」だった訳だが、この後もこれまた噂通り「エンドレスエイト」や「溜息」、「消失」と放送してくれるのだろうか?
予想だと次の新作は4週間後の「エンドレスエイト」。
このエピソードは結構好きなので、今から楽しみだー!!

あー、何かまたラノベ読み返したくなってきた。

「ルパンの消息」(注)ネタバレあり!

2009-04-30 23:16:00 | 本・漫画・アニメ
「ルパンの消息」横山秀夫読了。
この作家の作品は初めて読みました。何でもデビュー前の幻の処女作だったそうで。
以下、ネタバレあるのでこれから読もうと思ってる人はご注意を。

次々と出て来る新事実や新たな謎が謎を呼び、時効が迫りつつある緊張感も加速しながら物語は進み、そしてこれで終わりかと思いきやのどんでん返し。
非常に楽しく読み勧められ、最後はちょっとホロリとさせられる終わりで、読後感はまあまあ心地よかったです。
しかし物語の大前提があんまり説得力が無いと言うか、馬鹿過ぎると言うか。
テストの問題盗む為に、夜な夜な学校に忍び込むとかするか?
しかも前日の深夜じゃなきゃ盗めないのに。盗んだ所でどうにもできんだろ。問題盗まなきゃ落第しちゃう位の頭なら尚更。
で、実際アホみたいな対応しか出来ず、案の定バレる訳だが。
こう言う人の心理は分からないけど、実際にはスリルだけを求めてやっちゃう人もいるのかもしれないが。

まぁそんな事は抜きにして楽しめたけどね。

「天使と悪魔」読了

2009-04-08 23:28:01 | 本・漫画・アニメ
ダン・ブラウンの「天使と悪魔」読了。
映画では「ダ・ヴィンチ・コード」第2弾となってますが、原作はこっちの方が第1弾。
つか「ダ・ヴィンチ・コード」も数年前に読んだのだが、主人公が同一人物である事に途中まで気が付きませんでした。
まぁ「ダ・ヴィンチ・コード」の内容も既に忘れてるけど。

率直に言って面白いと思った。
テンポが良く、ページをめくる手が止まらない。
ご都合主義的な展開や場面も結構あるが、それはしょうがないだろう。
途中途中に、何人かの人物に対して「こいつが黒幕か?」と思わせる描写をちりばめて、読む者の推理を二転三転させるのもいい。途中で結構核心持てちゃうけどね、「こいつだろ!」って。
そして最後のどんでん返し(?)が俺は結構好きです。
その瞬間、黒幕の犯した罪と理由のアンバランスを感じずにはいられないが。
文学的な事とか良く分からんし、識者の評価は知らないけど、普通の一般人が単に「楽しもう」と言う視点で読んだ場合、良質なエンターテインメントと言えるんじゃないでしょうか。
とりあえず「ダ・ヴィンチ・コード」が楽しめた人なら、この作品も楽しめると思います。

しかしこの作品は「ダ・ヴィンチ・コード」みたいに、各方面から抗議とか来なかったのかな?
映画化されたら来るんだろうか?
そう言えば結局「ダ・ヴィンチ・コード」の映画見なかったな。
今からDVD借りて見ようかな。「天使と悪魔」も見たいけど。

で、どこまでが作者の創作で、どこまでが事実なのかが良く分からんw

「向日葵の咲かない夏」

2009-03-28 00:16:26 | 本・漫画・アニメ
道尾秀介の「向日葵の咲かない夏」。
覗いた本屋で売り上げ上位だったのと、「どんでん返しの波」みたいな煽りと、「このミステリーがすごい!2009年版 作家別投票第1位」と言う帯の文句にひかれて購入。

続きが気になり、長時間電車に揺られる時間があったので結構一気に読破したのだが、、、、
う~ん、これは結構好き嫌い別れそうだなぁ。
インパクトはある。
一気に読ませる力もある。
でも後味が悪い。
「とにかくどんでん返しすりゃいいってもんでもねーだろ!」、「いや、そもそもこれをどんでん返しと言うのか?!」
と言う終盤。
何か凄く読後感がよろしくないのだが、その癖インパクトが大きくて結構印象に残ってしまっていて、今もちょっと不思議な感じに包まれてる。
虚しい、悲しい、可愛そう、気味悪い、キモイ、それらが混ぜ合わさったような感覚。
何か救われないと言うか救い様がないと言うか、清々しさやすっきりストレス解消、みたいな本ではないです。
終わってみたら、実は全編を通して狂気に満ちていたと言う感じで、大まかな内容知ってたら多分読んでないな、これ。

「鉄腕バーディーDECODE」のラノベと「宇宙創成」読了

2009-03-26 23:40:06 | 本・漫画・アニメ
「鉄腕バーディーDECODE」のラノベと「宇宙創成」読了。

まずバーディーから。
アニメ版の「鉄腕バーディー DECODE」のストーリーを、アニメ版でのヒロイン的存在である中杉小夜香の視点を基本に書かれた作品。
小夜香視点とバーディー視点が交互に書かれているのだが、この本の売りは何と言ってもアニメ版では描ききれていなかった小夜香やリュンカの内面が書かれているところだろう。
なのでアニメ版を見てた者にとっては結構楽しめると思うのだが、逆にアニメ見てないのにこの本を読んでも全然面白く無いんじゃないかと思う。意味分かんないだろうし。
そんな本です。
何か今放送してる「鉄腕バーディー02 DECODE」でも同じ様なの出そうだな。
単純に考えるとナタル、ちょっと捻るとダスクが軸になるのだろうが、ここは思いきってタセラ辺りをフィーチャーしてみて欲しい。
特に地球に逃げて来てからの心境の移り変わりなんかは、面白く書けるんじゃないかと思うのだが。

続いてサイモン・シンの「宇宙創成」。
これは数年前発売された「ビッグバン宇宙論」の文庫化されたもの。
で、当時単行本で読んだのであるが(
その時の感想はこちら
)、文庫版になったのを見たら再び読みたくなった、他のサイモン・シンの2作品を文庫版で持っている、と言う理由から改めて購入。
久しぶりに読んでみて、確かに初見の時のような驚きはないが、その面白さに変わりはない。
宇宙についての考えが一つ一つの発見によってどんどん変わっていく様、そしてそれによって一喜一憂する人々、一つ一つの発見や理論に隠されたドラマが、「科学とは何か?」と言う一貫したテーマを軸に語られていて、知的好奇心をくすぐられ快感を感じる。
「フェルマーの最終定理」、「暗号解読」共々、お勧めしたい作品。
早く新作を出して欲しいわ。

「ネクロポリス」読了

2009-02-15 22:18:36 | 本・漫画・アニメ
「ネクロポリス」恩田陸、上下巻共読了。

う~~~ん、ちょっとコレはいまいちだったかなぁ~。
色々伏線を張り巡らしたはいいけど、全てを回収しきれてない感じ。
途中途中で「面白くなってきた!」と盛り上がってきた場面はあったものの、どうもクライマックスに近付くにつれて行き会ったりバッタリ感を感じてきてしまい、最後も「壮大な物語を描こうと大きく風呂敷を広げたものの、人気が出ずに急遽打ち切りが決定し、仕方なく無理矢理まとめた連載漫画」みたいな強引な感じを受けてしまった。

ミステリーとファンタジーを融合させた作品なのだが、説得力の必要なミステリーと、言わば何でもアリのファンタジーが悪い形で合わさってしまったと言うか。
何か物凄く中途半端な感じなんだよねぇ。。
むしろ余計な部分をばっさり削って1冊分位にまとめるか、逆にラストにかけてをもっとじっくり展開させて、3冊分位まで引っ張った方が面白くなったんじゃないかなぁと。

「つまんね」とまでは言わんが、読む前の期待感が大きかっただけにちょっと残念。