姓・氏(うじ)・名字・苗字(2)
日本の姓が、数十万種若しくは十数万種と言われる中で、「苗字10傑」と称される姓氏とその順位が、良く語られる。
第1位(佐藤)・2(鈴木)・3(高橋)・4(田中)・5(渡辺)
6(伊藤)・7(山本)・8(中村)・9(小林)・第10位(斎藤)
片や、「高桑姓」は、現在全国で、約2000世帯・大凡(おおよそ)第1550位であり(覚書81)、地方によっては、周りから“珍しい苗字ですね、”と言われる事が多い。
通信販売・電話注文で、姓名を「高桑」と名乗っても、一回で聞き取られる事は殆ど無い。毎度の事だが、“高倉さんですね、”と確認を求められる。“違う、倉ではなく、桑の木の桑だ、”と訂正させる。1550位という少数姓氏の然らしめる処である。因みに高倉姓は、北九州に集中していて、約4500世帯・第790位程で、それ程多くはない。
上記10傑の如き多数姓氏の家門は、大いに繁栄を誇って、今日に至っている。他方高桑氏族は、これ迄の覚書で見て来たように、鎌倉以来戦国時代まで、敗戦に敗戦を重ねる等、悲運の連続で、氏族発展の機会を失し、少数姓氏に留まったのであろう。
全国第2位・32万世帯と大繁栄した「鈴木氏」も発祥時から「面」であったのではなく、「鈴木屋敷」という「点」に過ぎなかった。
氏のルーツは、和歌山県海南市(熊野古道の要衝地)に在る「藤白(ふじしろ)神社」境内に、今も残る「鈴木屋敷」である。
鈴木氏大繁栄の秘密は、平安末期から江戸時代に掛けて、この神社の神官を務め、熊野信仰を全国に広めた「藤白鈴木家」(鈴木氏始祖)の活躍にあった。
平成25年、「鈴木屋敷」で、「全国鈴木サミット」が開催され、全国の「鈴木さん」が交流するという。当日世界に冠たる「スズキ自動車」の鈴木 修会長兼社長の記念講演がある由。
鈴木氏も高桑氏も共に、平安末期以来今日まで、850年の年月を閲(けみ)しているが、その繁栄度に、斯くの如き差異が生じている。
写真は、「藤白神社と境内」
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