外科医(9年目)日記

自分さえ我慢すればいいと思って頑張ってきた。そんな僕には家族が出来た。患者も大切、家族も大切。わがままだろうか?

39歳 直腸癌

2009年03月03日 20時53分28秒 | 大腸癌

この間、直腸癌の手術を担当した。

患者さんは39歳女性だ。

 

もともと痔もちだった。前から排便時に血がつくことはあった。

去年のおわりころから、ウンチ自体が少し赤いことにきづいた。

そのころから、便秘がひどくなった。。。

 

今年に入って、病院に来たころには、腸閉塞寸前だった。

直腸癌は、子宮に浸潤し、とりきれるかどうかというところだった。。。

 

術前の説明ではボロボロ泣かれた。

 

人工肛門になるかも。

とりきれないかも。

 

肛門が残っても、少しもれやすくなってしまう可能性。

排尿困難の可能性。。。

すべてをとるためには、尿管も膀胱も切らなくてはいけない可能性。。。

 

本人はいった。「どんな体になってもいいから生きたい。。。」

 

手術は、無事終わった。

直腸癌は、子宮には浸潤していて、合併切除したが、膀胱、尿管は浸潤して

おらず、とりきることができた。

人工肛門も回避して、のこった直腸に吻合することができた。。。

 

術後にも「ありがとうございました」と泣かれた。。。

 

自分が外科医でよかったなと思うこともたくさんあるのかな?


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