田吾作 よもやま話

庭に咲く花の物語を中心に、周辺の探索、那須野の自然、那珂川の釣りなどを、写真入りで気のむくままに綴ってみます。

幾何学者、キキョウの登場です

2006-07-31 05:29:40 | Weblog


「わたしを見てなにか感じませんか」と言っても無理ですよね。
じゃ、言いますけど「わたしは正五角形をしています」。
「そんなの見ればわかる」って言いましたよね。
そうじゃないんです。わたしの言いたいのは
「あなた、定規もコンパスもなしで、こんな正五角形を書いたり作ったりできますか」ということなのです。
わたしはちゃんと作れるんですよ。

まず、〔よく出来ているな〕と感心してください。
〔控えめながら、鮮やかでいい色をしていて美しい〕と感心してください。
〔大動脈が五本はしり、毛細血管がちゃんとあるな〕と感心してください。
花を見るときは、そのくらい関心をもって感心するようにしないと、
来年からは咲いてくれませんよ。
田吾作さんだって「あなたの写真と文章は素晴らしい」と褒められれば、
良いものを作ろうと一生懸命努力するでしょう。

褒められる、って嬉しいですよね。
〔豚も煽てりゃ木に登る〕と言われていますが
その気持ち、よくわかります。
わたしだって褒められれば、来年、五色に色分けされた花を咲かせるかもしれません。

お願いです。褒めてください。

盛夏が似合う花、ノウゼンカズラが梅雨前線を追い払いました。

2006-07-30 00:16:36 | Weblog

盛夏の陽光にこれほど似合う花はほかにない、と自負しています。
いや、ライバルがいました。ヒマワリがいた。
でも、彼には棚作りにして日陰で涼む、という芸当はできません。
今年の夏はなかなか来ないので待ちくたびれました。
梅雨って、晴れたり降ったりする年と、
今年みたいに雨ばかり降る年と、いろいろありますが
時々は陽射しがないと困ります。
わたしが嫌いだ、という人もたくさんいます。
花が散るときポトリと、そのまま落ちてしまうから
「首が落ちるようでいやだ」と言われるのです。
ツバキやツツジと同じで、花が筒状になっているからしかたありません。
「生きていれば、毀誉褒貶相半ばする」のは当然ですよね。

田吾作さんはひどい。
わたしのことを〔ノーテンカツラ〕と呼ぶんですよ。
「〔愛染かつら〕(古いね~)の身内だろう」って。
「違う、権威ある筋からノウゼンカズラの名をいただいています」
といくら言っても
「植物の名前なんかいいかげんで、地方によって呼び名が変わる。
 名付け親がでてきて『私が命名した』と証言しないかぎり
 おまえの主張は認めない」と言い張るのです。

田吾作さんが、独断と偏見、おまけに頑固でへそ曲り、
と言われるのは当然ですよね。

のぶどう(野葡萄)がぼやいていました

2006-07-27 20:04:29 | Weblog
俺ぁ、ノブドウってんだ。
巨峰やデラウェアの仲間だど。
そうか、見りゃぁわかっか。
だども、人間にゃ不味いんだそうだ。
毒はねえぞ。鳥が食っても死なねぇ。
五年ばかり前、鳥に食われて運ばれ、
ここで糞といっしょに種が落ちて
芽を出したんだ。
以来、ここまで大きくなった。
人間は不味いマズイと言いながらも
秋になって俺ぁが色づくと焼酎に漬け込むんだ。
そして、体にいいとかなんとか言って飲んでいやがる。


俺ぁのすがた見て、なんか気付いたけ?
花ぁ咲かせながら、一緒に実が生ってんだ。
これが俺ぁの特技だ。
ほかのヤツラにゃ真似出来ねぇぞ。
あんまり蔓延るとクズフジみたいに嫌われて
除草剤で毒殺されてしまうから
ほどほどにハビコルつもりだ。

田吾作さんにお願ぇがあるだ。
秋んなって俺ぁが色づいたら
もう一度写真を撮って世間に発表してもれぇてんだ。


ちょっと訛っちゃって、ご・め・ん ね。

早くも秋の七草、ハギの登場です

2006-07-25 17:37:19 | Weblog

 
 先に、気の早い白ハギがお目通りしたようですが、ハギといえばわたくしが本家本元でございます。   見てください、この気品あるすがた。 ものの本によれば、ヤマハギ・ミヤギノハギ・ツクシハギ・キハギ・シロバナハギ・ マルバハギ・とたくさんの種類があるようです。 〔マメ科の落葉広葉低木で日本の秋に欠かせない、秋の七草の一つで、枝垂れて風にそよぐすがたは ハギならではの美しい風情をかもしだす。 その奥床しいすがたは、古来、歌に詠まれ、美術工芸品のモチーフとして尊ばれている〕 とあります。 このうえ、わたくしになにか言うことがございましょうか。  いいえ、もう言い尽くされております。     わたくしは無心に田吾作さんの庭に咲くだけで本懐でございます。 今年のこの異常気象。どうなることかと思いましたが、 どうにか咲くことができました。   ひきかえ、可哀相な田吾作さん、まだ竿をださないうちにアユ釣りの期間、四ヶ月の半分を過ぎましたよ。  ま、こんな年もあるさと諦めて、アユが釣れるようになるまで、 わたくしを愛でて英気を養い、残り二ヶ月を精進してください。

 秋、くだりアユの大物の大漁がありますよ。


里山の歌劇・花魁と揚羽の舞

2006-07-21 10:11:32 | Weblog

 

♪ 花が女か 男が蝶か 花のさくとき 蝶が舞う・・・♪
 という唄がありました。 

ハイ、それで今、オイランの周りを黒いアゲハが舞っています。 
蝶はカラスアゲハというのが本名だそうです。 
ショッキングピンク色の花の周りをマックロい蝶が、
優雅にあるいはせわしく、華やかに舞っているようすを,
田吾作一人が見ています。

 それでは勿体ないのでブログでおすそ分けをいたします。 
美しい風景ですが、残念なのはお天気です。 
今年の梅雨は稀に見る雨続きで、この日も雨あがりの鬱陶しい日でした。
青空の下でしたら花も蝶も、もっと綺麗だったでしょうに・・・。

 舞台背景は真っ青な青空 
  鮮やかに輝くピンクのオイランソウ 
  その周りでイナバウアを舞う黒いアゲハ 
  背後に響くトゥランドット (少しオーバーかな?)
 

ま、無いものねだりをしても仕方ありません。 
十五分間の里山野外劇でした。 


花の名がわかりました。オイランソウです。

2006-07-19 09:56:47 | Weblog

 田吾作さんの友人にソイロクさんという人がいます。 わたくし元々ソイロクさんのところに居たのですが、昨年、田吾作さんが遊びに来て「綺麗な花だね」と褒めてくれました。気をよくしたソイロクさんが「これはテングバナという花で、子供のころ、この花を千切って、舐めて鼻の先へくっつけ『天狗だぞ』といって遊んだものだ。春になったら根分けしてあげるよ」 という経緯があって今年ここへきました。 

 田子作さんは図鑑やら事典やらを調べてくれたのですが〔テングバナ〕では載っていません。 むかし、花屋さんをやっていた人が「テングバナではない。〔マンネンソウ〕という花です」 と教えてくれました。でも、マンネンソウでも載っていません。 わたくしの写真を持って〔指名手配犯人〕よろしく、あちこち訊ねてくれたのですがとうとう判りませんでした。田吾作さんは意地になって図鑑を一枚々々丁寧にめくって、とうとう、わたくしの本名をつきとめてくれました。 〔オイランソウといって、花の匂いがオシロイの匂いに似ているところから名付けられた〕という記事を見つけ、わたくしの本名が判りました。

 これで落ち着いて、ここで暮らすことができます。 鬱陶しい季節ですが、もうすぐ夏の眩しい陽射しがわたくしを鮮やかに引き立ててくれるはずです。

 花の色が一段と輝きますから、田吾作さん、もう少しお待ちください。 

  そして、遊郭の夢をお楽しみください


ムラサキシキブが咲きました

2006-07-17 19:52:06 | Weblog

 平安時代の日本を代表する歌人であり、 また、〔源氏物語〕の作者である才女「紫式部」。

 歴史に残るこんな偉人の名をいただいてよいのでしょうか。 身の縮む思いが嵩じて、こんな小さな花になりました。

 秋にはどなたも、ご存知の小粒ながら光沢のよい 紫の実をつけます。

 実はご存知でも、花を間近でみるのは始めてという方のために 田吾作さんが紹介してくれることになりました。  いかがでしょうか。

 出自をたどれば 、図鑑に〔クマカズラ科の落葉広葉低木〕 とあります。 〔クマカズラ〕とは? そぐわないけれど仕方ありません。

 名付けたむかしの人は風流なのか、 ヘソ曲がりなのかわかりません。 

 

 

   梅雨で鬱陶しいこの季節、 〔爽やかさ〕を主張しています


白いハギが咲きました

2006-07-14 04:33:16 | Weblog
萩が咲きました
紫花と二種類ありまして わたしは白花です
〔ハギ〕という名前の響きが好きです
上品で 清潔なイメージがあります
古き 良き時代の響きです
連想する〔山口県・萩市〕はいい街に思われます
行ってみたい街の一つです

樹形がいい と自賛しています
大き過ぎず 控えめです
葉がさらさらして涼しげです
なぜか虫が近寄りません
一匹だけ毛虫がきたのですが
田吾作さんが取ってくれました

いまごろはヤマユリの季節でわたしは目立ちません
でも見てくれる人もいるのです
毎年ここに咲いてます

ヤマユリが咲きました

2006-07-11 16:45:52 | Weblog
 〔立てば芍薬、坐れば牡丹、歩むすがたは百合の花〕と謳われたヤマユリ。
ようやく登場です。大きさ、容姿、純白の花色、そして芳香。山野草の王者と
よばれるに相応しい。
 山野草はどちらかといえば、地味で控えめ、楚々とした花が多いなかで、
ヤマユリはひと際目立ちます。この花をあまり好きでないという
山野草愛好家は、その理由として、豪華すぎる、匂いが強すぎるといいます。
 妬まれているのでしょうか。
 しかし、里山の夏を彩る花として、このヤマユリは欠かせません。
 遠くから存在を知らせる香り、目立つ純白。
 
 〔アユの淵籠り〕といって、七月にアユが釣れなくなる時季があるのです
が、里人は「ヤマユリが咲き出したからアユの淵籠りがはじまったぞ」と
いって釣りの目安にしたものです。期せずして、川魚の女王アユと里山の王
ヤマユリがひとつのフレーズに表れるということは、この両者が日本の夏を
表徴してるということです。

  「わたくしは日本の夏を代表して咲きつづけます」

夏花の女王といわれるネムが咲きました

2006-07-07 10:28:09 | Weblog
 ハイ、夏花の女王とよばれています。
 もちろん、わたくしにそんな気持ちはありません。
 たぶん、樹が大きく、枝を広げ、しかも樹の頂上に群れて咲くのが
遠くから目立つので、そうよばれるのかと思います。
 綺麗に大きく広がる緑の葉の上に君臨するように咲くピンクの花。
 そして、季節は夏。

 でも、わたくしは女王なんて大それた言われ方より〔夢幻花〕と
よばれたいのです。
 
 遠くから見れば、おぼろなピンクの大樹。
 近く寄れば、花の色、繊細な姿、微妙な細工。
 夜になると閉じて眠る葉も脇役として働いてくれています。

 夏の里山を飾るのに無くてはならない存在である、と自負しています。
 だから、遠景では〔夏花の女王〕、そばに寄ってみれば〔夢幻花〕。

 皆様の御眼を和らがせられれば咲いた甲斐があるというものです。

 言いたい放題言わせていただき、失礼しました。