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[映画] ソウ4(SAW4)

2007-11-23 | 映画

071117 川崎TOHOシネマズにて鑑賞

始まりは空前の低予算ホラーながら世界中で大ヒットを続けている「ソウ」シリーズもついに4年目、4作目の公開となりました

オリジナル版を生み出した製作者コンビも元々、続編など想定してはいなかったんでしょうが、新たに作られた2作目、3作目はファンの期待に違わない見事な続編だったと思います

ただ、続編モノの性というべきか、シリーズを重ねる毎にどんどん"一見さんお断り"な内容に先鋭化していったのは仕方ない事なんでしょうけど(汗)…今回のパート4は、その傾向が一段と強まっているカンジですね

より過激になった残虐シーン、より複雑になった人間関係、より奇抜になったトリック…正直、奇をてらい過ぎな描写も多かった感が強かったかな…

そして今回の4は、これまでのシリーズが禁じ手としてやってこなかった”あること”をやってしまったことが、オレとしては決定的に気になってしまって…(詳しくは後述します)

…とまあ、バレなしの感想としては、兎にも角にも”シリーズ未見の方はお断り!”な内容だったということを強調しておきます(あとスプラッター描写の苦手な方には言わずもがなw…今回は全体的には3に比べるとマイルドではありましたが、一部に強烈なシーンがありました…orz)

 

以下ネタバレ感想:

071117_2 3のラストでジグソウが死亡してしまったことで、4の内容が過去に戻って”ジグソウ誕生編”になることは予想の範囲内だったんですが、4のメインストーリーが3と時系列的に表裏一体の構造になっているのには驚かされました

シリーズ恒例の”ラストのどんでん返し”として、”意外な犯人”と合わせて、この時系列のトリックが仕掛けられていたワケですが…でも正直、今回はラストで”そういうことだったのか!”というカタルシスを味わうというより、”???”と、頭に疑問符が沢山出てくるような混乱した状態で見終わってしまいましたね

劇場を出たオレはとにかくラストについて納得が行かなかったので、思わず、そのまま2回目の観賞に突入してしまいました(2回目はシネコンのポイントを使ってタダ見w)

映画として観客を引き込む力は相当なモノだったと思うんですよ…過去編でジグソウが”ゲーム”を開始するに至るエモーショナルな流れは素晴らしかったですし、リッグを”ゲームの仕掛け人”としてテストする展開も物凄く面白かったです

オレが今回のラストで何が引っかかったのかというと、

ラストでホフマン刑事が”ジグソウの共犯者”であることが判明するが、でもそうすると冒頭のジグソウの死後のテープレコーダーを聴いているホフマンの態度はどういうことなのか?
(ホフマンは一体いつからジグソウの協力者をやっているのか?)
3のゲーム参加者であるジェフを殺したFBIの捜査官はあの後どうなったのか?
(ジグソウの死体が司法解剖されているということは、あの部屋にあのまま閉じ込められたとも思えない)

~といったことです

…どうやらこれらの謎は、既に製作が決定しているらしいパート5にまで引っ張る謎のようですね(あくまでオレの勝手な推測ですが)

これが、上の方で書いた”これまでのシリーズでは禁じ手だった”ってヤツでして、基本的にこれまではシリーズ単体で、それぞれちゃんと物語がまとまっていたハズなんですよ

2から3にまたがって、アマンダに関係する仕掛けが繋がっていたということはありましたが、例えば2を単体で見た場合、2だけでもスジは通っていたというか、2で迎えるエンディングに向けて張られていた伏線の数々はちゃんと2の中で回収されていたんですね

今回の4は、4単体だけでは成立していないように思えてしまうのが微妙なんだと思います

ホフマンが実は、リッグの味わってきた理不尽を全く同様に味わっている過去を持っているということで、ジグソウの共犯者になる資格があることを観客に気づかせる仕掛けは非常に良かったんですが、そうするとやはりジグソウの死後の胃の中から出てきたテープを聴くホフマンのシーンがどうしてもちぐはぐなカンジに思えてしまって…

この微妙な印象は、結局2回目を見終わった後でも払拭できませんでしたね(汗)

リッグに仕掛けたゲームについても、”ジグソウのテープ”によって提示されたヒントのみで進行するのではなくて、家を出て行った嫁さんの言葉とか、(まだ正体が知られていない)ホフマンの言葉も重要なヒントになってたじゃん、みたいに観客に提示されているのは納得が行きませんでした

あとはあれかな…3のジェフがあまりにもあっさりとFBI捜査官に殺されてしまったことですかね…あれじゃ、3のゲームの意味が完全に無かったことになっちゃいません…?
この辺りについてはオレもまだ考えが上手くまとまっていないんですが…

とまあ、ちょっと不満点をあげつらうような書き方をしてしまいましたが、全体的にはかなり面白かったです…観終わったばかりの内容が気になって、そのまま2回目を連続して観るなんて滅多にないことですしw、実際、2度観ても全く飽きることのない充実した内容の映画だったというのは、シリーズの1作目にも匹敵する面白さを持っていたのも確かなんじゃないかと思いましたね

さて、本当に来年はパート5をやるんでしょうか?…3の時は、”3で終わっていればキレイな3部作になっていたかも”~みたいに書きましたけど、逆に今回の4の内容でもし完結ということになったら、それはちょっと勘弁してもらいたいです(4の完全版、みたいなのがDVDで出るというのならまた別ですが)

でも今度こそ、”元祖ジグソウ”を画面に登場させるのは難しい内容になるでしょうし、”ホフマン版ジグソウ”でどのようにハナシを引っ張っていくつもりなのか、楽しみに待ちたいと思います

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[雑記] 「ミシュランガイド」が買えない…

2007-11-23 | 食べ物

”あの「ミシュランガイド」の日本版が遂に登場!”…ということで、テレビでもネットでも何かと話題の「ミシュランガイド東京2008」が昨日(11月22日)発売になったんですが、どこの書店に行っても完売でした…会社帰りのタイミングだと完全に遅かったみたいですね(汗)

英語版なら何冊か残っている書店もあったんですけどパラパラ眺めてみてもさっぱり頭に入ってこなくて、諦めました…orz

で、買えなかったことでふと冷静になったというか、今更なんですが”「ミシュランガイド」とは何ぞや?”という素朴な疑問が湧きまして…”覆面調査員が世界中のレストランの格付けをして回っている(もちろん覆面と言っても本当にマスクをしてるのではなくてw)”というイメージくらいしか無かったので、公式サイトで調べてみました

すると知ってるようで全然知らなかった事実がイロイロと…

そもそも「ミシュラン」というのは、ミシュランマンのロゴマークで有名なフランスの老舗タイヤメーカーだということは知っていたんですが、そのタイヤ会社が何故レストランの格付けをしてるのかと言えば、元々はドライブの観光客に向けた無料情報誌を発行していたことから始まったのだそうです

現在では「ミシュランガイド」によって一つ星~三ツ星にランク付けされると、店の売り上げが十倍以上変動するとまで言われるほどの権威を誇るまでになったわけですが…別に世界中のレストランを格付けしてるわけではなくて、(アメリカ版が登場する)ほんの2年前までずっと、ヨーロッパ内だけのレストランを審査の対象にしていたんですね

…”三ツ星レストラン”とかの表現をあまりにも当たり前の感覚で受け止めていたので、てっきり世界中のレストランを格付けして回ってるもんだと思ってました
考え方によってはこの辺りの姿勢に、”ヨーロッパ以外に料理が美味い国なんて無いだろう”というあちらの方々の倣岸さが浮き出ていますよね(汗)…その反動か、今回の東京版で(一つの都市としては)史上最大数の星付きのレストランが誕生してしまったことで、ヨーロッパのマスコミは大騒ぎのようです

「パリ圧倒」に海外メディア驚き ミシュラン東京版に反響
http://www.sanspo.com/sokuho/071120/sokuho005.html

~「東京は美食の都の地位からパリを引きずり降ろした」(AP通信)、「パリもニューヨークもローマも忘れてしまえ。グルメの本場は東京なのだ」(ロイター通信)。東京のレストランが獲得した星の数がミシュランのひざ元パリを大きく上回ったことに、海外メディアは敏感に反応した

…東京在住の人間としては、ちょっと小気味のいいハナシではありますなw

で、沢山の星付きのレストランが誕生したのはいいんですけど、東京版は都内の1500のレストランを審査対象としたとありますが、これって少なくないですかね…?覆面審査員はフランス人が3人と日本人が2人ということのようで(調査期間は数ヶ月とのこと)、単純に人的リソースが貧弱だという事情があるようですが、そもそも1500店に絞ったのはどうやったんだろう?東京都内の飲食店ってことならば楽勝で数万軒あるでしょうし…

まあ、どんなガイドブックでも完璧なんてのはあり得なくて、対象となる店舗数も料理の評価も所詮はあくまで一つの指針でしかないってのは確かなのでツッコミは無粋ですかね

…と、ここまで偉そうに書いてきましたが、今回の東京版で星付きとして掲載された150店舗が全て、tabelog.comのミシュランの特集ページにまとめられていたのを読んで愕然…

うはー…ほとんどの店が2万とか3万円とかするんですね…こりゃオレの住んでる東京とは別世界だ…
ちょっと試しに、とかいうレベルのレストランなんかほぼ皆無です…orz

ガイドブック、オレなんかが買えなくて正解だったのかもしれません(汗)