大津絵にならいて 朋世
「お話がしたい」ということで、三幸寿司に呼ばれた。
話の内容と言っても殆どは世間話のようなものはあったが、美味しい料理を御馳走になり、且つまた、二次会まで誘っていただき心より御礼を申し上げます。
誘い主より少々先に到着したので女将さんから二階の奥の間の通され、床の間で拝見した軸がこれ。
【提灯釣鐘】とは、『猿が天秤棒(てんびんぼう)を担ぎ、前には提灯、後ろには釣鐘をさげていますが、何故か天秤の傾きは、軽いはずの提灯が下がり、重い釣鐘が上がっています。これは、重んずべきものを軽んじ、道理が転倒している世の中を風刺したものとされています』という軸らしい。
「大津絵にならいて」と書かれているように、作者が参考にしたのが、こんな元絵かもしれないね。
(軸の文字は)道歌と称し、絵によって決まっているようで、「提灯釣鐘」の場合は「身をおもう思いはおもく 主親はかろくなりぬる人の姿よ」と書かれている。
「人というもの、自己保身に重きを置き、他人はもとより身内でさえも軽んじてしまう」ということかね?