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毎日の適当な生活を。。。

縮む世界の発想のヒント

2008-10-07 23:22:31 | 読んだ本
「人口減少経済」の新しい公式―「縮む世界」の発想とシステム
松谷 明彦
日本経済新聞社

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たまたま手に取った本が、思った以上にヒントがあるとうれしい。

日本が抱える大きな問題である「人口の減少&高齢化」を取り上げ、
大枠のテーマが抱える個別の課題を分けて分析している。
その上で、「経済規模のわりには貧しい国民生活」を解決する好機と
捉え、いろんな解決策を提示している。

「戦後の日本経済は、設備投資を軸に成長してきた。設備投資の大きさが、
 日本の経済成長率が欧米各国を常に上回った原動力であった。(中略)
 しかし、長期的に見れば、設備投資が今後拡大することはない。
 日本経済は新たな軸を模索するほかはないのである。」

「今後の税負担のあり方については、日本社会として公共サービスのあり方
 をどう考えるか、年金のあり方をどう考えるかといった議論の末に、結果
 として得られるべきものであると考える。(中略)
 少なくとも、「高齢社会だから財政支出は拡大する、だから増税だ。」と
 いう現在の政府の路線は、未熟な財政行動だといわざるを得ない。」


課題の解決策として、いろいろと提示されており、このへんはなかなか
疑問が残る。現実的にできるのかという点も含めて。

人口の減少、労働力の減少カーブにあわせて企業の設備等の生産能力を
削減すれば、労働力、すなわち購買力にあった生産が可能となり、過剰
在庫を抱えない、すなわち不況にはならないという考えには、???。

端的にいうと、
「そんなにうまくできんやろ。儲けたい意識がはたらくんだから。」

とはいっても、課題提起とその整理の仕方、論述方法は非常に参考となる。
また、旧大蔵省の主計官、審議官経験者が書いたとは思えない内容。


たまたま図書館の棚で、目に入った本を手に取り、それがいい本だと
ちょっとした幸せを感じるね。

「見えざる手」が見えない理由

2008-09-26 23:37:25 | 読んだ本
世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す
ジョセフ・E. スティグリッツ
徳間書店

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スティグリッツ教授の3年くらい前の著作。
2006年11月に訳本の初版が出ているんだから、
アメリカで書かれたのはその前だよね。

にもかかわらず、その時点で住宅バブルの崩壊懸念と
アメリカ経済の後退に言及。

「本書が題材として取り上げるのは、経済そのものと、
 経済システム構築のために政治がどう利用されてきたか
 という点だ。」

アメリカを利する不公平なルールが生み出す「勝者」と「敗者」。
ルールの作り手に転がり込む利潤。

以前読んだ、スティグリッツ教授の経済教室と比べると、
攻撃度が高め。

そして、エコノミック・ヒットマンで描かれたものを、
経済理論の観点から裏付けている印象。

既存のルールに乗るときには、しっかりと考えることが
必要ですね。
考えても流されることは多いけれど、考えないよりましだ。

★★★

「鍵山」メソッド?

2008-09-22 23:09:40 | 読んだ本
頭のそうじ心のそうじ―人生をキレイにする
鍵山 秀三郎
サンマーク出版

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最近、数多く出版されている、イエローハット 鍵山社長の本ですね。

「掃除とは、頭のなかを掃除することであり、そのことは同時に、
 心のなかを浄化することなのです。私がみなさんに掃除の実践を
 お勧めする所以です。」

「人間は、見ているものに自分の気持ちも似てくるものです。
 雑然としたものに囲まれていては、頭も心も整理できません。」


考えることよりも行動を勧めている。
この方の場合、それが掃除だったということなんですね。

「十年偉大なり、二十年畏るべし、三十年にして歴史になる。」

信じて、徹底的にやり続けることの強さと凄さ。
なかなかできることではありませんわね。

★★★

実は、あたまのいいクマ?

2008-09-18 22:43:20 | 読んだ本
クマのプーさんの哲学 (河出文庫)
J・T・ウィリアムズ
河出書房新社

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タイトルにひかれて、つい、手に取ってしまった。

くまのプーさんの物語の中に、ギリシア哲学をはじめとした
西洋哲学の考え方が随所にちりばめられているとする著者。

ちょっと強引な論であるようにも思いながら読み進める。


ソクラテスの『無知の知』。

「自分のことを頭の悪いクマと呼ぶときのプーは、
 己を自己の探求者と言い続けたあのソクラテスの
 伝統を引き継いでいるだけのことだ。ソクラテスの
 無知の告白と同じで、プーの愚の告白も間違いなく
 仮面である。」


プーがウサギの家に出かけていくお話の中では、
デカルトの「われ思う、ゆえにわれあり」に言及。

ほかにも、
カント、ヘーゲル、ニーチェ、……


正直、タイトル以上についていけない部分が多数。
自分の学生時代の不勉強も痛感。


そしてもう一つ。

文章のなかから、そしてその全体の構成の中から、
いろんな読み方をする人がいるものだということ。

ビジネス文書ではあまりなさそうだけど、
それでもいろんな考え方をする人がいるんだから、
注意しないといけないな。

そんなことを考えたりして。

★★

「裏」でない心理術

2008-09-17 23:12:59 | 読んだ本
ビジネス最強の「オレ様」裏心理術
内藤 誼人
ぜんにち出版

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タイトルには「裏」の文字。でも、中身は至極真っ当に感じるんですが。


わしが裏を歩んでいるわけじゃないだろうから、

目を引くことを目的としたタイトル付けだということなんでしょう。


内容は、「普通ちゃうのん」っていうことばかり。

・好きな曲を聴きながら「ノリノリ」で出勤せよ。
・朝、グズグズしているヤツほど勝負に負ける。
・朝イチの仕事は、はずみのつくものからスタートせよ。
・集中できないときには、迷わず、別の仕事に取りかかれ。
・時間に強欲になれ。
・上司に大目玉を食らっても、軽く受け流せ。
・10分考えて答えが見つからないときは、考えるのをやめろ。

                        etc....

とっぴなことは何もないように思います。
まあ、こういうことを羅列してまとめてあるものも少ないからね。


この本の中で一番できていないこと、

・自分の体型に気を配れ。

なかなか、体重が下降線を描きません。
人生のように、山あり谷ありのグラフになってます。。。

うわっつらの怖さ

2008-09-16 22:34:56 | 読んだ本
異形の大国 中国―彼らに心を許してはならない
櫻井 よしこ
新潮社

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うちのボスは、櫻井よしこさんのファン。
休み前の帰り際に、「読んでみろ、おもろいから。」と渡されたのがこの本。


中国に関して書かれたコラムをまとめて書き足した本。
こうやって、時系列で中国政府の言動をまとめて読むと、
正直、恐ろしさを感じる。


「日本人が日本人となり、日本国が国家となることが重要なのだ。」

日本人のひとりひとりが過去の歴史(近代史)をきちんと学び、
理解したうえで将来を考えていくことが大事なんだろう。

といいながら、歴史の授業で近代史に時間を割かれた記憶はない。
どちらかというと、3学期も終わりに近づき、時間がないので
ダッシュで教科書を読み終えたという記憶しかない。


経営でもそうだけど、長期的な視点で考えて事をなすってこと、
最近の日本では置き去りにされているような気がする。

目先の成果をうわっつらで追いかけることで失っているもの、
本当にいっぱいありそうで、これからの反動がとても怖い。


元に戻って、中国のお話。
最近、この手の本がたくさん出版されていますが、
一度、いろんな考え方を読んでみたくなった。


ちなみに、俺。

桜井幸子さんが大好きです。

★★★

イビツァの言葉

2008-09-10 13:59:44 | 読んだ本
オシムの言葉 (集英社文庫 き 10-3)
木村 元彦
集英社

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サンフレッチェのサッカーにはまり始めると、この人にたどり着きました。

サブタイトルの「フィールドの向こうに人生が見える」、
まさにそのとおりの人生を送られているんですね。

「レーニンは、勉強して、勉強して、勉強しろと言った。
 私は、選手に、走って、走って、走れと言っている。」

「ミスをして叱っても使い続けるということだ。選手というのは
 試合に出続けていかないと成長しない。どんなに悪いプレーを
 した時でも、叱った上でそれでも使う。ミスをした選手を、
 それだけで使わなくなったらどうなる?
 その選手はもうミスを恐れてリスクを冒さなくなってしまう
 だろう。いつまでも殻を破ることができない。」

「守るのは簡単ですよ。作り上げることより崩すことは簡単なんです。
 (中略)
 作り上げる、つまり攻めることは難しい。でもね、作り上げる
 ことのほうがいい人生でしょう。そう思いませんか?」

「恐れとは、自分の責任感に対して持つものです。」


走れ走れサッカーの意味するところが良く理解できました。

そして、高い位置で人を育てようとする人の気持ちも。
少しでも、見習うことができたらいいなと思えてしまう。

★★★★

正しい結論ではなく正しいプロセス

2008-09-05 23:58:11 | 読んだ本
決断の本質 プロセス志向の意思決定マネジメント (ウォートン経営戦略シリーズ)
マイケル・A・ロベルト
英治出版

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難しいけれど、意識しておかなければならないこと。

どうしても、
「自分が企画したんだから」とかいって対案なしで進めたり、
「反対意見が出ると面倒」とかいって議論を少なめにしたり、
「会議で決めたんだから」とかいって行動を求めがち。

もう少し、意思決定に至るまでのプロセスを整備しようというのが
この本の趣旨。

「多くのリーダーが意思決定とその実行に失敗するのは、
 問題が生じたとき、リーダーが何よりもまず「正しい解決策」
 の発見に気を取られてしまい、一歩下がって意思決定のために
 とるべき「正しいプロセス」を定めようとしないことが原因
 なのだ。」

「プロセスの妥当性とはどういう意味か。組織社会学者はこの概念を
 『組織におけるそのプロセスとその主砲が、ある社会的に構築され
 た規範や価値、信念、定義の制度の範囲内で望ましく、適正または
 適切であると認識されていること』と定義している。」

「重要なのは、答えではなく、質問である。」

読んでいくと、この本は最終章だけ頭に入れておけば
よいことに気が付く。

まあ、今の仕事は、いろんな雑務がありながらもPMに
近い形で運営していかないと、おじちゃんたちを動かせ
ないから、その点では役に立ったかな。


そして、例のやり方を身に付ける価値がありそうだと
思ったのは、この本を読んでから。
もう一度頑張ってみよう。

★★★

教え方の問題か。

2008-08-31 23:37:09 | 読んだ本
その数学が戦略を決める
イアン・エアーズ
文藝春秋

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以前、本社にいたときに、上司から「標準偏差くらい理解しとけ。」と言われたことがある。

この本を読んでて、そのときのことを思い出した。

数学を活かすための考え方、というよりも、
数学の理解度が重要になるという教え。

中・高で、単純に数式とかを教えるよりも、
こういうことを一緒に教えると、
数学への嫌悪度も下がるんじゃないかと思うんだが。

大学のときの計量経済学も、もう少し頭の中に
残しておいてもよかったように思える今日この頃。

「直感や経験が発展してデータベースによる意思決定と
 相互に作用することを示すのだ。(中略)
 彼らは直感と定量分析とを行き来することで、単なる
 直感主義者や単なる数字屋がこれまでやったことより
 ずっと先を見通せるのだ。」

「一言でいえば、仮説立案だ。人間に残された一番重要な
 ことは、頭や直感を使って統計分析にどの変数を入れる/
 入れるべきではないか推測することだ。」


数字をどのように使うのか、
使えるようになるために何が必要なのか、
考えてみよう。



セキュリティというよりもリスク管理

2008-08-25 23:47:14 | 読んだ本
セキュリティはなぜやぶられたのか
ブルース・シュナイアー
日経BP社

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あちこちのビジネス系書評メルマガで評判の高い本。

冒頭の「トレードオフのないセキュリティはない」から、
セキュリティに関して非常にわかりやすく整理してあり、
非常に読みやすい。

「セキュリティとは、ある意味、防止することである。
 では、なにを防止するのだろう。意図的で不当な行為の
 被害を受けないように防止するのだ。言い換えると、
 他人に一定の行動をしてほしいということである。」

「セキュリティに関する意思決定は、実体的なリスクではなく、
 感覚的なリスクに基づいて行われており、その結果、決定を
 間違えることが多いのだ。」

なんでもかんでもがんじがらめにすることがセキュリティを維持
することではなく、想定されるリスクから生じる被害を分析し、
取捨選択した上でセキュリティ対策を講じる。

「時代の流れ」といいながら、あっちこっちに厳密なルールを
設定しても、守られないものをしつらえてしまっても仕方がない
っていうことですな。

ステップ1 守るべき資産は何か
ステップ2 その資産はどのようなリスクにさらされているのか
ステップ3 セキュリティ対策によってリスクはどれだけ低下するのか
ステップ4 セキュリティ対策によってどのようなリスクがもたらされるか
ステップ5 対策にどれほどのコストとどのようなトレードオフが付随するか

この5点を踏まえておけば、たいがいの施策検討に活かせそう。

★★★