やっぱり、「好き」にまさるモチベーションはないのかな。
昨年の春ころ、新聞等でも話題になった100gで7,000円のコーヒー、
ブルボン・ポワントゥを生み出した方の自伝。
高校を出て、コーヒー豆の生産を勉強するために、
単身でエルサルバドルの大学に進学して、
国立研究所に日参して学ばせてもらえることに。
UCCの前社長に招かれて、
ジャマイカ、ハワイ、インドネシアの自社農園設立の
立役者として活躍。
そして、研究中に知った、現在では失われていた豆種を
マダガスカル沖の小さな島に探しに出向き、島民と一緒に
産業として復活させるお話。
あらすじを書くとこんなもんですが、
どの産業にも、どの品物にも、強い思い入れを持って
お仕事をされている方がいることに、改めて感じ入る。
「希少性や歴史的な裏付けだけのユニークさが売り物のコーヒーには
まったく興味がない。植物学的にも根拠があり、そのうえ美味しい
コーヒーを求めて世界中旅をしてきた。」
「最近のスペシャルティ・コーヒー・ブームのなかで、スペシャルティーと
ユニークネスが混同されているきらいがあると思う。ユニークネスは
物珍しさや希少性だけをうたい文句にしているコーヒーで、
スペシャルティーとは違う。スペシャルティーは、品質が高い
コーヒーにのみ使われる名称だ。」
今は
サステイナブル・コーヒーの普及に取組んでいる著者。
生産者の視点と消費者の視点から、豆を見続ける著者を
単純に素晴らしいと思ってしまう。
★★★★