![]() | プロフェッショナルの交渉力田中 均講談社このアイテムの詳細を見る |
小泉さんの訪朝を実現させた立役者としての裏話だとか、中身には、
自分の仕事の振り返りの部分も多いけど、利害が対立する各国間の
交渉を担当してきた方としての含蓄がある。
「信頼性という言葉を使うとき、通常は「あの人はいい人だし、嘘はつかない」
「物腰が柔らかく優しい」「信頼できる人だ」などというイメージが浮かぶ。
だが、交渉における信頼とは、そういうことではない。その人物の人格の問題
はさておき、結果を作る能力があれば交渉する相手としては問題がないのだ。
(中略)
したがって、相手の信頼性の確認は、交渉するときの必須条件となる。相手が
どういうポジションの人物なのかもさることながら、特定の問題を実施する能
力があるかないかについての確信を持つことが大切となる。」
「形式的な扱いをされた人たちは、大きな不満を持ち、それは後に必ず跳ね返っ
てくる覚悟がいる。だが、それは甘受せざるを得ない。国益のために、あるいは
組織のために大胆なことをしようとするなら、このリスクを受け入れざるを
得ない。
こうして挑む時に気をつけなければいけないことは、交渉の過程で、このリスク
がコストになることである。リスクに挑んだら、中途半端なことはすべきではな
い。だからこそ、形式的、と私は書くのである。」
★★★