ほのぼのガンプラ好きBLOG!

社会人四年目
まったくほのぼのしてません

通過儀礼

2010-05-25 23:15:00 | Weblog
あと二行で完成するはずだった。

最後の二行、ここまで読んできて頭の中で組み立てていたものが全て壊された。
本を読んで、ここまで完膚なきまでに叩きのめされたのは初めてだった。

全て壊され、駆逐され、そして頭の中で組み上がる。
壊されたパーツが、僕の組み上げてきたものと全く違うものに組みあがる。

僕の完敗だ。文句はない。

「イニシエーション・ラブ/乾くるみ」

まさか。

途中、違和感を覚える箇所はいくつかあった。
でも見抜けなかった。

驚きすぎて、冗談ではなく嘔吐しそうになった。
こんな小説があるなんて冗談じゃない。

この小説はいたって普通の恋愛小説だ。
文庫の帯には「必ず二回読みたくなる」との文句が書かれている。

この類の宣伝文句はあまり信じないことにしているのだけど
この小説は違う。

読後、すぐには読み返すことができなかった。
まずは、心と頭を落ち着け、壊されたパーツを分析した。

頭の中に散らばったパーツの本当の意味が浮かび上がる。
そうか、そういうことだったのか。

国鉄とJR。
男女7人夏物語、男女7人秋物語。
ルビー…。

静岡…。

side-A…side-B、カセットテープ…。

すごく怖かった。

マユコと美弥子、そして「たっくん」。

もし、この本を読むのなら、これ以上の情報は一切仕入れずに読んでほしい。
おそらく、今の僕の気持ちがわかるだろうと思う。