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SuperDryな一徹の徒然草

自称・アサヒビール・スーパードライのアンバサダー 見たり、聴いたり、触ったり、歩いたり、走ったり。呑む他に暇なしの徒然草

千里の道

2012-11-02 08:47:39 | アサヒビール
「千里の道も一歩より起こる」という。長い道のりを歩み抜く人は、一歩の重み、かけがえのなさを知っている。だから、常に謙虚だ。先日、うかがった2人の漁師の生き方に、学ぶところが大きかった。一人は、80代の壮年。昨年、原発事故の影響で、57年間続けた葉タバコの栽培を断念。作付け可能なエゴマとキビに転作し、一から出直した。苦渋の昨秋を乗り越え、今秋、2年ぶりに本格的な収穫ができた。「長かった」とい短いひと言に、かえって、道のりの 長さ、険しさが偲ばれた▼話す壮年の後ろの壁に、日めくりカレンダーが見えた。「農家は1年周期の仕事なのに、日めくりは珍しいですね」と質問した。彼は 「毎朝めくっては、“きょうも負けないぞ!”と、心に誓う日々を送ってきました」と。別の壮年は、米を作って30年。「ベテランですね」と言うと、意外な 答えが返ってきた。「生涯で米を作れるのは、多くて70回ほどだ。毎回、勉強、勉強。そして、来年への決意の連続です」。自然を相手にする仕事だからこそ、一回一回の米作りが、まさに真剣勝負なのだ。話を聞いた日の夕食、碗に盛られたご飯をかき込む前に、じっと一粒一粒を見つめた。いつも以上に輝いて見えた。

本日の読書:1/1,789冊目 テーブルマナーの絵本 高野紀子著 あすなろ書房
テーブルマナーの絵本テーブルマナーの絵本
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2011-11-17



あの~っ

2012-10-31 08:41:44 | アサヒビール
 「わが国では、どうして『あの~っ』が活躍するのだろう」。この疑問を抱いた精神科医の中井久夫氏は、『私の日本語雑記』(岩波書店)で、人に道を尋ねる 際の言葉「あの~っ……ちょっとよろしいでしょうか」を紹介している。そして、知らない人に話し掛けるのは失礼かもしれないが、あえて話し掛けるという躊躇と勇気を指摘。また、断られても、互いに傷つかない配慮まで考察している。ある壮年が上司と懇談した。「あの~っ」と切り出したかどうかは不明だが、創価教育の父・牧口常三郎初代会長が、東京の白金小学校の校長を務めたことが話題になった。すると、上司が「私は、その白金小学校の卒業生なんです。父もです」と。対話して初めて分かることがある。新たな発見、深い理解に喜びが生まれる。中井氏は「日本語は対話的に進む傾向がある」とも述べている。福沢諭吉の『学問のすゝめ』は全17編から成る。その最後に「旧友を忘れざるのみならず、兼ねてまた新友を求めざるべからず」とある。古き友を忘れず、新しき友を 求めよと。対話の秋、新旧の友との交流を心掛けていきたい。「天は人の上に……」の冒頭が有名な同書だが、その結語は「人にして人を毛嫌いするなかれ」である。

本日の読書:1/1,787冊目 免疫を整えるレシピ 「分とく山」花板が挑む体にいいごはん 野崎洋光著 エビデニス社
免疫を整えるレシピ 「分とく山」花板が挑む体にいいごはん免疫を整えるレシピ 「分とく山」花板が挑む体にいいごはん
価格:¥ 1,200(税込)
発売日:2012-04-28



何故?

2012-10-29 08:42:47 | アサヒビール
子どもの素朴な「なぜ」「どうして」に答える、新しい切り口の図鑑がブームだという。大人が手に取っても面白い。疑問を解決でき、次の「なぜ」「どうして」が生まれてくる。学べば学ぶほど、分からないことは増えていく。しかし、分からないことをたくさん抱えていることは、人生の豊かさの一つの表れとも言われる。翻訳家の清水眞砂子さんが、著書『幸福に驚く力』で述べている。読書を通して、自分が限りなく小さい存在だと分かることが喜びになる、と。そう学生に話すと「そんなことしたら、生きられなくなっちゃう」と返ってくるが、「喜び」の意味するところは、いろんな人や、さまざまな世界を知って、人間はこんなに 素敵なんだ、世界はこんなに奥行きがあって広いんだ、と知ることである、と。「なぜ」との疑問は、前へ進み続ける限り、いつか答えを導く縁になってくれる。安易に答えを出し、「分かったつもり」になれば成長は止まる。悩み、問い続け、祈り続ける挑戦が人間を鍛える。そうして見つけた 答えは、揺るがぬ「信念」をつくり、より高みにある「問い」へと、自身を引き上げてくれる。師を求め、問い続ける人には、無限の成長の道が開か れている。

本日の読書:1/1,785冊目 あるキング 伊坂幸太郎著 徳間書店
あるキング (徳間文庫)あるキング (徳間文庫)
価格:¥ 620(税込)
発売日:2012-08-03




「木」の日

2012-10-26 09:21:16 | アサヒビール
「十」と「八」を重ねて、10月8日は「木」の日だそうだ。青森県の名のごとく、青々と輝く森林を見て、思った。”人は木に深く学ぶべきだ”。同県の木はヒバ。秋田の杉、木曽の檜と並ぶ日本三大美林の一つ。”100年育って一人前”というヒバの若木は、風雪に耐え、じっくりと成長する。促成でなく、熟成ゆえに、木目は美しく、耐久性を持つ。東京に留学生と一緒に避難している友人から、福島県で大工50年の壮年の話を聞かせてもらった。手掛けた数々の住宅は、昨年の大震災の揺れには耐えた。だが、原発事故の影響で多くの人が、その家で暮らせないことが悔しい。「つくり手としてもつらい。でも、負けねえよ」。彼は復興住宅の建設や家屋の修理に汗している。彼は言う。「目が細かく、しっかりと年輪を刻むのが良い木だ。そうでない木は、長い時の中でガタが来るか、いざ使おうという時にボロが出る」。”生涯 修業”を信念に、まだまだ年輪を刻む時と決め、試練に耐える彼の姿と重なった。誰しも行き詰まっては悩み・苦悶しその中で打開し、 また壁にぶつかっては基本に立ち戻って乗り越え、そのたびに境涯を開いて、知恵と正義の大樹へと育っていく。風雨に打たれることなく成長した大樹はない。人もまた 同じである。

本日の読書:1/1,782冊目 「少年T」のヒロシマ 田邉雅章著 第3文明社
少年Tのヒロシマ少年Tのヒロシマ
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2012-07-16




ニュースにならなかった日中学生フェスタ

2012-10-24 08:39:45 | アサヒビール
先日、愛知県内の男女学生が主催する「日中学生フェスタ」が開かれたそうだ。尖閣諸島問題で日中国交正常化40周年の記念行事は悉く中止になった中、駐名古屋総領事館の黄菊花領事をはじめ、多数の来賓や学生が出席。歌や踊り、トークなどを通し、友好を深め合ったそうだ。中でも、中国琵琶奏者のティンティン氏の演奏は圧巻だったらしい。数々のコンサートツアーやテレビ番組のテーマ曲などを手掛け、大学で教鞭も執る多忙な氏。フェスタへの参加を快諾したきっかけは、一女子学生との対話にある。危険を顧みず国交正常化を提唱し、友好に尽くしてきた先人の行動を通し、後継の決意を語る姿に感動。「学生が立ち上がり、フェスタを企画してくれた。涙が出るほどうれしい」と。政治・経済の交流を「船」に、民衆と民衆のつながりを、その船を運ぶ「海」にたとえるとしよう。「時に『船』が難破することが あっても、『海』さえあれば、往来は続いていく」と思う。民衆による文化や教育の交流を、政治・経済の“脇役”ではなく、社会を動かし、歴史を創る主役とみる。この確固たる史観、哲学を受け継ぎ、交流の“海”を潤す青年の存在ほど、心強いものはない。未来を開き、未来を変えるのは青年だからである。

本日の読書:1/1、780冊目 20代からはじめるキャリア3.0 野澤卓也著 亜紀書房
20代からはじめるキャリア3.0――誰でもできる生涯現役の働き方20代からはじめるキャリア3.0――誰でもできる生涯現役の働き方
価格:¥ 1,260(税込)
発売日:2012-08-11