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SuperDryな一徹の徒然草

自称・アサヒビール・スーパードライのアンバサダー 見たり、聴いたり、触ったり、歩いたり、走ったり。呑む他に暇なしの徒然草

ブラックスワン その2

2011-05-27 08:34:16 | 映画

鑑賞した映画ブラックスワンが心理的に引っかかっている。主役に選ばれたバレリーナ個人の深層心理がもたらす現象を表現したストリーと納得するまで相当時間がかかった。普通の一般人の日常生活でも心穏やかに人生を過ごすことは出来ない。社会的使命の消化に誰もが人生をかけて生活している。生活は人、社会の交わりで始まる。利害関係や人間関係で心ならずとも自身の目標や目的が湾曲することもある。今も世界のどこかで毎日、上演されるシェークスピアの演劇作品もブラックスワンのような作品がある。意外にも、18世紀までは別の文学者による改作の方が人気で、原作の評価は高くなかった。作品の真価に光が当たったのは、彼の死から185年後の1801年。ドイツの青年文学者、アウグスト・フォン・シュレーゲルによる。彼は、シェークスピア作品が、“ヨーロッパ精神の根底にある異質なもの同士の緊張を、ダイナミックに体現している”と主張。この発言がシェークスピアの母国イギリスに飛び火し、再評価のきっかけになったと聞く。(『シェークスピア・ハンドブック』三省堂)。一人の青年の主張によって、演劇史は塗り替えられた歴史的瞬間である。シェークスピアの戯曲は明言の宝庫。その一つに「行動こそ雄弁なり」とある(「コリオレーナス」)百万言よりも、どんな行動をしたかが、その人を雄弁に物語る。方法、策でない。真心の、信念の叫びこそ、相手の心を打つ。古典芸術作品から見ると作品の完成度に?だった。

本日の読書:1/1,140冊目 わたしの彼氏 青山七恵著 講談社

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ブラックスワン

2011-05-16 09:21:52 | 映画

昨日、バレーやダンス好きな細君と映画鑑賞を楽しんだ。タイトルは「ブラックスワン」バレエの「白鳥の湖」は残念ながら鑑賞したことがないのでストリーが全く分からなかった。ある国の王子と恋に落ちた娘が魔法をかけられ「愛」でしか魔法の呪文が解かれないのだが肝心の王子は他の娘に心を奪われている。白鳥になった娘はやがて黒白鳥に変身してその愛憎の限りを演じる。やがて白鳥に戻って娘の白鳥は崖から飛び降りて命を絶つ。と言うのが大まかな話。白鳥の女王に選ばれたプリマドンナの内面的な葛藤を描いた作品だということを知るには少し時間がかかった。彼女の母親もかってはバレリーナで舞台監督にもてあそばれ彼女を出産したいきさつがある。バレーに関して母親は英才教育を授けたが彼女は劇中の白鳥宜しく可憐であるが非常に憶病な性格を演じている。主役の座を誰かに奪われまいと幻想の世界に埋没していく。背中から羽をむしり取るシーンは圧巻だった。彼女を取り巻く社会的な背景描写がないので鑑賞中はストリーを理解できなかった。結局のところ彼女の幻想世界を演出している映画だったと納得させている。日本のスタッフや俳優にはこの映画を演出も演技もできる人材はいないと思う。バレーの世界にのみならず歴史の厚みを感じた。

本日の読書:1/1,129冊目 風にも負けず粗茶一服 松村栄子著 マガジンハウス

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