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SuperDryな一徹の徒然草

自称・アサヒビール・スーパードライのアンバサダー 見たり、聴いたり、触ったり、歩いたり、走ったり。呑む他に暇なしの徒然草

納得

2012-11-16 08:40:40 | アサヒビール
沖縄オリオンビールとアサヒビールの包括的業務提携に道を切り広げた元アサヒビール役員・築山知明氏から聞いた、近世の沖縄を代表する政治家の程順則(名護親方)。庶民の教育に力を注ぎ、琉球初の学校「明倫堂」を設立した教育者でもあった。少年時代の順則に、エピソードがある。ある日、近くにいたニワトリを捕まえてきた友人から、「このニワトリを食べよう」と誘われた。順則は「そのニワトリは、君のものではないだろう」と止めるが、友は耳を貸さない。「ならば、私の家で料理しよう」と自宅に招き、ニワトリをごちそうした。数日後、友人は、食したはずのニワトリが生きているのを見る。実は、順則は、自分の家のニワトリを処分し、食べさせてくれたのだ。誠意をもって、過ちを正そうとした順則に、友人は深く恥じ 入ったという。座右の書の中に「汝蘭室の友に交りて麻畝の性と成る」一節がある。「蘭室の友」とは、良い影響を与えてくれる友のこと。こうした友と 交わることで、蓬のように曲がった心が素直になる、との仰せである。順則は、わが身の振る舞いで、正しい行いを示した。「説得」より「納得」を重んじる姿勢は、時代を超えて大切なことを教えてくれる。人は納得すれば、考えを変え、行動を変える。友や仲間を思う誠実さこそ、納得を生み、新しい時代をつくる力となる。

本日の読書:1/1,803冊目 督促OL 修行日記 榎本まみ著 文芸春秋
督促OL 修行日記督促OL 修行日記
価格:¥ 1,208(税込)
発売日:2012-09-22




スィッチ

2012-11-12 08:46:55 | アサヒビール
明日が見えない。自分のことで精いっぱい。それでも、しぼみそうな心を奮い立たせ、友の希望となり、自身の心の翼を広げていく。高校受験に失敗した後、大学受験でも浪人、それでも第1志望の学部には受からず、就職試験にも落ち、国内留学の試験も失敗……。〝6回の落第と18回の挫 折を経て、今の自分がある〟と語るのは、〝尾木ママ〟こと、教育評論家の尾木直樹氏。〝挫折や失敗に、自分の本当の姿がある。成長とは、その自分自身を 受け入れることから始まる〟と。氏は、香川県から上京して早稲田大学を受験。ところが不合格と分かると、「おめおめと帰ってたまるか!」と、着の身着のまま、東京で下宿生活を始めた。家具が一つもない3畳の部屋。だが、「世界は広い」と実感できたという。個性的な友人に囲まれ、人と関わることの素晴らしさを知ったからだ(『ピンチを「味方にする」スイッチ』主婦と生活社)。仏典に「餓鬼は恒河を火と見る・人は水と見・天人は甘露と見る」。 〝もうだめだ〟としか思えなかった状況も、“スイッチ〟を切り替えると、全く違って見えてくる。環境を変えてみるのもいいが、独りで考えず、人と触れ合えば、〝スイッチ〟は見つかりやすい。互いに励まし、切磋琢磨して、どんな苦難をも「成長の糧」へと変えていく。

本日の読書:1/1,799冊目 未亡人読本 河治和香著 新潮文庫
未亡人読本: いつか来る日のために (新潮文庫)未亡人読本: いつか来る日のために (新潮文庫)
価格:¥ 546(税込)
発売日:2012-08-27



灯をともす

2012-11-09 08:42:21 | アサヒビール
北海道砂川市は菓子店が並ぶ「スイートロード」で有名。その一つの大手高級店では、ある壮年がパティシエ(菓子職人)として開発責任者を務めている。伝統ある「フランス料理アカデミー」の会員でもある。原点は17年前。修業を積んでいた神戸市灘区で、阪神・淡路大震災の被災者に。絶望の淵で「菓子 を通し、人に希望を」と誓う。昨年の大震災では、復興支援に汗を流した。砂川でもロケが行われた映画「エクレール・お菓子放浪記」。原作では、悲嘆に暮れる孤児を、大人がこう励ます。「いまの世の中に美しいお菓子がないのなら、キミがそのお菓子になるの。ひとを励ましたりなぐさめたり、生きてることをおいしがらせたりするお菓子になるのよ」(西村滋著『お菓子放浪記』理論社)。米国CNNの特番で、自身も被災した東北の婦人が「なぜ人を励ませるのか」 と問われ、「人のために火をともせば・我がまへあきらかなるがごとし」との一節を諳んじていた。人を励ますことは、自分を励ますこ とにもなる。

本日の読書:1/1,796冊目 
歴史を考えるヒント (新潮文庫)歴史を考えるヒント (新潮文庫)
価格:¥ 452(税込)
発売日:2012-08-27
著 新潮文庫



紅葉

2012-11-07 08:45:16 | アサヒビール
秋の深まりとともに、日々、南下する紅葉前線。「今年の色づきはどうだろうか」といった会話も始まるころ。年ごとにモミジの染まり具合が変わるのはなぜか。それは「アントシアニン」という〝紫外線から体を守る効果のある色素〟のつくられ方に理由がある。〝昼夜の寒暖差が激しく〟〝紫外線がよく当たる〟ほど、この色素が多くつくられるという。植物学者の田中修氏は「紫外線や強い光という有害なものが多ければ多いほど、植物たちは色あざやかに魅力的になるのです。植物たちは、逆境に抗して美しくなるのです」と述べる(『植物はすごい』中公新書)だからこそ人は、わが身の最終章を、燃え上がるような美しさで 飾る一葉一葉に、人生を重ねるのだろうか。「濃紅葉に涙せきくる如何にせん」(高浜虚子)苦労を経験した分だけ、自らの境涯が大きく広がる。苦衷の友に、心の底から寄り添えるようになる。そうした円熟の先輩の存在があってこそ、青年という若木も、伸び伸びと育っていくことができる。「春種子を下して秋菓を取るべし」の御文がある。秋とは集大成の時である。現実社会の厳しさに負けず、立ち向かい、完全燃焼で勝ち飾りたい。

本日の読書:1/1,794冊目 旅行読売 臨時増刊 「道の駅ドライブ」 旅行読売出版社
旅行読売増刊 道の駅ドライブ 2012年 09月号 [雑誌]旅行読売増刊 道の駅ドライブ 2012年 09月号 [雑誌]
価格:¥ 880(税込)
発売日:2012-08-06



不二

2012-11-05 08:49:01 | アサヒビール

人の持っている長所と短所は本来、表裏一体だ。「わがまま」は「自分に正直」とも言えるし、「引っ込み思案」は「慎み深い」とも言える。短所は長所になる し、長所は短所にもなる▼スポーツライター等で活躍する乙武洋匡氏と、若手書道家の武田双雲氏の対談集『だからこそできること』(主婦の友社)を読んだ。 生まれつき手足のない乙武氏が言う。「何かもうちょっとみんなとの違いというものを意識しながら生きていかないと、宝の持ち腐れだなと思った」と。手足のないことを「宝」と捉える強さ。すごい一言だ。氏は小学校の教諭を経験し、保育園の開設にも尽力している。一方、武田氏によると、経験が物を言う書道の世界では、若いことがハンディになるという。しかし氏は「若いからできることがいっぱいある」と捉え、音楽家や彫刻家などと連携し、独自の創作活動に打ち込む。人が生きていくための最大の“資源”は、富でも名声でもなく、自分自身だ。法華経に「無上の宝聚は 求めざるに自ら得たり」と説かれるように、人生を輝かせるか否かは、生命の無限の可能性に気付き、磨いていけるかどうかにかかっている。他者でも環境でもない。自分自身で決まる。

本日の読書:1/1,792冊目 鉄道ミステリー各駅停車 辻 真先著 交通新聞社
鉄道ミステリ各駅停車―乗り鉄80年書き鉄40年をふりかえる (交通新聞社新書)鉄道ミステリ各駅停車―乗り鉄80年書き鉄40年をふりかえる (交通新聞社新書)
価格:¥ 840(税込)
発売日:2012-08